北海道樺戸郡月形町に鎮座する樺戸神社(かばとじんじゃ)。
月形町の開拓と深く関わる歴史ある神社ですが、現在の境内を訪れると、一般的な神社とは大きく異なる光景が広がっています。
2023年3月、豪雪と雨の影響を受けて拝殿が全壊。
現在は倒壊した拝殿部分が撤去され、災害を免れた本殿を守りながら、地域の人たちによって再建に向けた活動が進められています。
街角タイムス取材部では2026年9月に実際に樺戸神社を訪問。
鳥居や参道、現在の本殿、忠魂碑、御朱印、そして現地に掲示されていた「樺戸神社復旧・改修ご支援のお願い」まで撮影してきました。
今回は、今の樺戸神社の姿を現地写真とともに紹介します。
樺戸神社とは?
樺戸神社は1882年(明治15年)に創建された神社です。
前年の1881年には樺戸集治監が開庁しており、監獄官吏の官舎が建ち、周辺に住民が増えていく中で神社建立の計画が進められました。
1882年6月に建立へ着手し、札幌神社、現在の北海道神宮から御分霊を迎え、同年11月1日に奉遷。「樺戸神社」と称するようになりました。
つまり樺戸神社も、先ほど紹介した月形樺戸博物館・樺戸集治監と同じく、月形町誕生の歴史と深く結びついた場所です。
樺戸神社の御祭神
樺戸神社では、次の三柱が祀られています。
- 大國魂神(おおくにたまのかみ)
- 大那牟遲神(おおなむちのかみ)
- 少彦名神(すくなひこなのかみ)
いずれも北海道開拓に関係の深い神々です。
北海道神社庁によると、旧社格は村社、例祭日は8月25日となっています。
鳥居から本殿へ続く長い参道

道路沿いには「樺戸神社」と刻まれた石柱があり、その奥に大きな鳥居が立っています。
鳥居をくぐると、樹木に囲まれた長い参道が続きます。

参道の正面奥に見えるのが現在の本殿です。
写真だけを見ると一見普通の神社のようにも見えますが、近づくにつれて、本来そこにあったはずの大きな拝殿が失われていることが分かります。
2023年3月、豪雪で拝殿が全壊
樺戸神社で大きな転機となったのが、2023年3月6日です。
再建活動を行う関係者の記録によると、午後7時ごろ、社務所にいた宮司が大きな轟音と揺れを感じました。
外へ出ると、樺戸神社の拝殿が倒壊していました。
その冬、月形町では累計約8.45メートルの降雪があり、拝殿の屋根には約1.4メートルの積雪があったといいます。
さらに倒壊の2日前に雨が降り、屋根に積もっていた雪が雨水を吸収。
雪の重量が増したことが、倒壊につながったとされています。
本殿だけは倒壊を免れた
大きな被害の中で、重要な建物が残りました。
神様を祀る本殿です。
拝殿は全壊した一方、奥にあった本殿は倒壊を免れました。
2026年9月に現地を訪れると

街角タイムスが2026年9月に現地を訪れた時点でも、以前の拝殿は再建されていませんでした。
現在は倒壊した部分が撤去され、本殿の前にはコンクリートの空間が広がっています。
本殿正面には透明なシートが設けられ、中を保護しながら参拝できる状態になっていました。

かつて大きな社殿があったことを知らずに訪問すると、「なぜ本殿だけが離れた場所に建っているのだろう?」と思うかもしれません。
しかし、ここには2023年まで拝殿が存在していました。
現在の光景そのものが、北海道の豪雪が建造物に与える影響を伝える記録でもあります。
樺戸神社は再建を目指している

社務所には、「樺戸神社復旧・改修ご支援のお願い」が掲示されていました。
現地案内によると、社殿復旧・改修事業の目標金額は2,000万円。
寄付は3,000円から受け付けられています。
2026年7月に参拝した人の記録でも、再建目標額2,000万円、3,000円から寄付を受け付けていることが確認されています。
一定額以上の寄付には、月形高校の生徒がデザインした限定のお守りなどの返礼品も用意されています。
※寄付方法・返礼品などは変更される可能性があるため、支援を検討する場合は現地または樺戸神社の最新案内を確認してください。
「月形じんじゃエール」による再建活動
樺戸神社では、地域有志による「月形じんじゃエール」という活動も始まっています。
単に建物を再建するだけではなく、地域の人たちが再び神社に集まる機会を作ることを重視しているのが特徴です。
本殿の清掃や境内整備、雪害を受けた灯籠の修復などを行い、2025年8月24日には、途絶えていた樺戸神社祭りが5年ぶりに復活しました。
建物の復旧だけでなく、「地域の神社そのものを再生する」取り組みが進められています。
御朱印もいただける

今回の参拝では、樺戸神社の御朱印も確認できました。
社務所前には書き置きの御朱印と、オリジナルスタンプが用意されています。
スタンプは複数種類あり、参拝者自身で御朱印を彩れるようになっていました。
実際に今回いただいた御朱印には、「奉拝 樺戸神社」と社名、朱印が入っています。
2026年7月の参拝記録でも、書き置き御朱印と3種類のオリジナルスタンプが用意されていたことが確認できます。
御朱印の日付は空欄になっていますので自分で記入します。街角タイムス取材部が訪れた日は2026年9月6日でしたので、その日付を自分で記入しました。
手水も確認

境内には石造りの手水があります。
大規模な社殿が失われている一方で、参拝に必要な場所は可能な範囲で維持されています。
境内に残る忠魂碑

境内奥には大きな忠魂碑も残っています。
その左右には由来などを記した碑が設置されており、樺戸神社が信仰の場所だけでなく、月形町の近代史を伝える場所でもあることが分かります。
樺戸集治監や月形町の開拓史を調べる場合には、こうした境内の石碑も見落としたくないポイントです。
樺戸神社には移転の歴史もある
現在の樺戸神社が最初からこの場所にあったわけではありません。
1895年(明治28年)には小学校火災により類焼し、須部都川畔へ移転。
1940年(昭和15年)には皇紀2600年と開村60年を記念して社殿を造営しました。
さらに1970年(昭和45年)、須部都川の築堤工事に伴って、現在地へ移築・遷座しています。
創建以来、
火災 → 遷座 → 河川工事による移転 → 雪害による倒壊
という、決して平坦ではない歴史を歩んできた神社です。
今回の再建も、その長い歴史の新しい一章といえそうです。
樺戸集治監と一緒に訪れたい
樺戸神社を訪れるなら、すぐ近くの月形樺戸博物館も一緒に見ておくことをおすすめします。
樺戸神社が創建されたのは、樺戸集治監が開庁した翌年。
集治監を中心として町が形成され、住民が増え、神社が建立されたという流れを知ると、樺戸神社がなぜここにあるのかが分かります。
街角タイムスでは、月形樺戸博物館 → 樺戸神社の順で巡るルートをおすすめします。
樺戸神社の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 樺戸神社 |
| 読み方 | かばとじんじゃ |
| 所在地 | 北海道樺戸郡月形町1030番地 |
| 創建 | 1882年(明治15年) |
| 御祭神 | 大國魂神・大那牟遲神・少彦名神 |
| 旧社格 | 村社 |
| 例祭日 | 8月25日 |
| 現在の状況 | 2023年の雪害で拝殿が倒壊、再建活動中 |
| 御朱印 | あり(現地確認) |
所在地・祭神・例祭日などは北海道神社庁の掲載情報によります。
実際に訪れて感じたこと
今回の樺戸神社の記事では、建物が完全な状態ではないことを隠さず、そのまま掲載したいと思います。
- 現在残っている本殿。
- 失われた拝殿の跡。
- 本殿を守る透明シート。
- 再建支援の案内。
- そして参拝者のために用意された御朱印。
これらすべてが、2026年現在の樺戸神社の姿だからです。
何年後かに拝殿が再建されたとき、今回撮影した写真は「再建前の樺戸神社」を伝える地域資料としても価値が出てくるでしょう。
街角タイムスでは、完成した観光地だけではなく、こうした地域が変化している途中の姿も記録していきます。
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