北海道浦臼町の国道275号沿い、樺戸山金剛寺の向かい側に聖天堂(しょうてんどう)があります。その奥に続くのが、1914年(大正3年)に開かれた鶴沼新四国八十八ヶ所霊場です。
森に囲まれた小さなお堂の前には修行大師像が立ち、斜面の参道には石仏が点在します。
華やかな観光施設ではありません。四国から北海道へ渡った人々が、遠い故郷と弘法大師を思って築いた信仰の場所です。
この記事では、街角タイムス北海道取材部が現地で撮影した6枚の写真をもとに、聖天堂の由来、霊場の歴史、参道の様子、行事、アクセス、参拝前に知っておきたい注意点を紹介します。
聖天堂と鶴沼新四国八十八ヶ所霊場の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 聖天堂/鶴沼新四国八十八ヶ所霊場 |
| 関係寺院 | 高野山真言宗 樺戸山金剛寺 |
| 場所 | 北海道樺戸郡浦臼町字キナウスナイ、金剛寺向かい側の山 |
| 金剛寺所在地 | 北海道樺戸郡浦臼町字キナウスナイ196-31 |
| 問い合わせ | 0125-68-2202(金剛寺) |
| 霊場開創 | 1914年(大正3年) |
| 巡拝所要時間 | 一巡約1時間が目安 |
| 聖天堂の大祭 | 4月1日・9月1日、いずれも10:00から |
| 霊場のお山開き・お山じまい | 4月21日・10月21日 |
| 通常の参拝時間・参拝料 | 公式サイトに明記なし |
聖天堂の大祭と、八十八ヶ所霊場のお山開き・お山じまいは別の行事です。
訪問日を決める際は日付を混同しないようにしましょう。また、通常日の堂内拝観、授与品、御朱印、駐車場所などを確認したい場合は、事前に金剛寺へ問い合わせるのが確実です。
聖天堂の由来|眼病平癒の巡拝から始まった「聖天さん」
金剛寺公式サイトによると、聖天堂の由来は、於札内の西田真吉氏が眼病平癒を願って四国八十八ヶ所を巡拝し、巡拝先で霊験を感じたことにあります。
その後、西田氏を中心に分身を受け、西田氏の所有地に聖天堂を建立して安置しました。
地域では「聖天さん」と呼ばれ、祭りには大勢の人が集まったと伝えられています。お堂はその後、新四国八十八ヶ所の入口、金剛寺境内へと場所を移し、1977年(昭和52年)に新しい聖天堂が建てられ、再び霊場入口へ移されました。
現地で見られるのは、この流れを受け継ぐ現在の聖天堂です。
聖天堂前に立つ一福修行大師像
参道脇には、笠をかぶり、杖を持つ「一福修行大師」の石像が立っています。正面には香炉や花立ても設けられ、ここが観光用のモニュメントではなく、今も手を合わせる場所であることが伝わります。
聖天堂、修行大師像、山内へ続く道は近い範囲にまとまっています。まずお堂と修行大師像に静かに手を合わせ、その後に霊場を巡ると、場所の成り立ちを感じやすいでしょう。

毎月の参拝と春秋の大祭
金剛寺では、毎月1日と15日の早朝に聖天堂へお参りしています。
大祭は年2回で、聖天春季大祭が4月1日、聖天秋季大祭が9月1日。いずれも10時から聖天堂で行われると公式サイトに案内されています。
行事内容や当日の参拝方法は変更される可能性があります。大祭への参列を目的に訪れる場合は、金剛寺の公式サイトや最新のお知らせを確認してください。
鶴沼新四国八十八ヶ所霊場は1914年開創
明治期の浦臼には、四国出身の入植者が多く暮らしていました。金剛寺公式サイトの霊場案内によると、大正初期には檀徒から3人の代参人を選び、本場の四国八十八ヶ所霊場を参拝していました。
しかし、北海道から遠い四国へ誰もが出向けるわけではありません。「郷里まで行かずとも浦臼でお遍路をしたい」という檀徒の願いを受け、1914年(大正3年)、現在の金剛寺向かいの山に鶴沼新四国八十八ヶ所霊場が開かれました。
北海道の開拓史を背景に、信仰と故郷への思いが重なって生まれた霊場です。
浦臼町と四国のつながりを知りたい人は、町の開拓資料を見られる浦臼町郷土資料館や、四国からの入植史に触れられる坂本龍馬家の墓の記事もあわせて読むと理解が深まります。
現地写真で見る八十八ヶ所の参道
聖天堂の近くには、「八十八ヶ所 参道入口」と手書きされた案内があります。その周囲にも複数の石仏が安置され、ここから山内の巡拝路へ入ることが分かります。

開創時の面影を伝える石仏
参道沿いには、札所名や寄進者の名が刻まれた石仏が残ります。表面には風化や苔が見られ、100年以上にわたって守られてきた霊場の時間を感じさせます。
石仏は信仰の対象です。触れたり、台座へ荷物を置いたり、周囲の草木を動かしたりせず、参道から静かに拝観しましょう。

一巡約1時間の山道
金剛寺の案内では、お山一巡りの目安は小一時間です。
現地の道は舗装された観光歩道ではなく、木の根や土の斜面が露出する箇所があります。写真を撮影した9月も、木陰には湿り気のある場所が見られました。
歩きやすく滑りにくい靴を選び、雨天直後は無理をしないことが大切です。虫よけ、飲み物、体温調節のできる服も用意しておくと安心です。
単独で入山する場合は、家族などに行き先を伝えておきましょう。

お山開き・お山じまいと参拝の時期
鶴沼新四国八十八ヶ所霊場では、毎年4月21日にお山開き、10月21日にお山じまいが行われます。
公式案内では、行事当日は8時30分から11時まで、個人のペースで随時お山巡りができ、11時から金剛寺本堂で法会が営まれます。
聖天堂の大祭は4月1日と9月1日なので、霊場の行事とは日付が異なります。
北海道では残雪、降雨、倒木、下草の状態が季節によって大きく変わります。お山開きからお山じまいまでの期間であっても、現地の状況を優先してください。
積雪期や悪天候時、参道の状態に不安があるときは、入山を控える判断が必要です。
アクセスと訪問前の確認事項
金剛寺の所在地は、北海道樺戸郡浦臼町字キナウスナイ196-31です。聖天堂と霊場入口は、金剛寺から道路を挟んだ向かい側の山にあります。
車で訪れる場合
国道275号沿いの鶴沼公園を目標にすると分かりやすい場所です。周辺には道の駅つるぬまもあります。
ただし、金剛寺公式サイトには聖天堂・霊場専用駐車場の場所や台数が明記されていません。道の駅や公園など、別施設の駐車場を無断で参拝用に利用できるとは限らないため、現地表示に従い、分からない場合は金剛寺へ確認してください。路上駐車は避けましょう。
公共交通で訪れる場合
金剛寺の公式アクセス案内では、JR奈井江駅から約7km。浦臼町営バスの最寄りは「鶴沼公園」停留所で、徒歩約3分です。
町営バスは平日のみ運行と案内されているため、最新の時刻表と運行日を浦臼町公式サイトで確認してください。
町内交通の背景は浦臼駅の記事でも紹介しています。
参拝前に知っておきたいこと
- 霊場は寺院が守る信仰の場です。大声、飲食、喫煙、石仏への接触は控える
- 聖天堂の通常の開扉時間、堂内参拝の可否、御朱印・授与品は公式サイトに明記されていない
- 行事参加、団体参拝、撮影目的の訪問は事前に金剛寺へ確認する
- 山道では滑りにくい靴を着用し、悪天候や積雪時は無理に入らない
- ごみは持ち帰り、動植物や石仏をそのままの状態で残す
周辺であわせて訪れたい場所
聖天堂と霊場を訪ねた後は、徒歩圏の鶴沼公園で湖畔を歩いたり、道の駅つるぬまで休憩したりできます。
浦臼町の歴史をより深く知るなら浦臼町郷土資料館、町内の自然と信仰をめぐるなら浦臼神社も候補です。それぞれ開館日や季節条件が異なるため、1日に組み合わせる場合は先に営業時間と移動時間を確認してください。
聖天堂・鶴沼新四国八十八ヶ所霊場のFAQ
聖天堂はどこにありますか?
北海道浦臼町字キナウスナイにある樺戸山金剛寺の向かい側、鶴沼新四国八十八ヶ所霊場の入口にあります。金剛寺の所在地は字キナウスナイ196-31です。
鶴沼新四国八十八ヶ所霊場は一周何分ですか?
金剛寺公式サイトでは、お山一巡りの目安を小一時間と案内しています。写真撮影や休憩の時間、足元の状態を考え、余裕のある計画を立ててください。
聖天堂の大祭はいつですか?
聖天春季大祭は4月1日、聖天秋季大祭は9月1日で、どちらも10時から聖天堂で行われると案内されています。最新情報は金剛寺へ確認してください。
お山開きとお山じまいはいつですか?
お山開きは4月21日、お山じまいは10月21日です。行事当日は8時30分から11時まで随時お山巡り、11時から本堂で法会が行われます。
御朱印は受けられますか?
聖天堂や鶴沼新四国八十八ヶ所霊場の御朱印について、金剛寺公式サイトには明確な案内が見当たりません。希望する場合は、訪問前に金剛寺へ直接確認してください。
普段の日も参拝できますか?
公式サイトには通常日の参拝時間や堂内の開扉時間が明記されていません。山内の安全状況や寺院行事によって対応が変わる可能性があるため、確実に参拝したい場合は事前確認をおすすめします。
まとめ|聖天堂と八十八ヶ所霊場に残る四国への思い
浦臼町の聖天堂と鶴沼新四国八十八ヶ所霊場は、単なる観光名所ではありません。眼病平癒を願った巡拝を起点とする聖天堂と、遠い四国を思う入植者たちの願いから1914年に開かれた霊場が、一つの山に受け継がれています。
聖天堂前の修行大師像、参道沿いの風化した石仏、木の根が現れる山道。その一つひとつが、北海道で信仰を守った人々の時間を静かに伝えています。一巡の目安は約1時間。足元と天候を確かめ、信仰の場への敬意を忘れずに歩きたい場所です。
訪問前には金剛寺の最新案内を確認し、無理のない日程でお参りください。
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