北海道三笠市の山あいに、かつての炭鉱の歴史を今に伝える建物があります。
「旧幌内炭鉱変電所」です。
1919年(大正8年)頃に建設された変電所で、赤レンガとコンクリートを組み合わせた歴史ある建物が現在も残されています。
街角タイムス北海道取材部では、実際に旧幌内炭鉱変電所を訪れました。
今回の取材では、建物の外観や周辺の炭鉱遺産を撮影しただけでなく、幸運にも変電所の内部を見学する機会に恵まれました。
そして、何より印象に残っているのが、現地を管理されている女性との出会いです。
石炭ストーブにあたりながら炭鉱の歴史についてお話をさせていただき、貴重な産業遺産を後世にどう残していくのか、という課題についても伺うことができました。
この記事では、旧幌内炭鉱変電所の歴史や見どころ、見学方法、アクセスとともに、実際に現地を訪れて感じたことをお伝えします。
旧幌内炭鉱変電所とは?三笠に残る近代化産業遺産
旧幌内炭鉱変電所は、北海道三笠市幌内本沢町に残る炭鉱関連施設です。
三笠市の幌内炭鉱は、1879年(明治12年)に開坑した、北海道の近代炭鉱の歴史を代表する炭鉱の一つです。
石炭産業の発展とともに炭鉱の機械化が進み、電力の供給が重要になりました。
そこで活躍したのが、旧幌内炭鉱変電所です。

1919年頃に建設された歴史ある変電所
旧幌内炭鉱変電所は、1919年(大正8年)頃に建設されました。
当時、夕張方面の発電所から送られてくる高圧の電気を、炭鉱内の機械で利用できる電圧に変える役割を担っていました。
変電所の整備は大型の電動機械の導入を支え、採炭作業の効率化にもつながりました。
また、炭鉱で暮らす人々の生活にも電気が広がっていきました。
建物は2階建てで、赤レンガと鉄筋コンクリートを組み合わせた構造が特徴です。
1989年(平成元年)の幌内炭鉱閉山まで使用されていました。
現在は、三笠ジオパークのジオサイトの一つであり、2007年には経済産業省の近代化産業遺産群にも選定されています。

旧幌内炭鉱変電所を実際に訪れてみた
変電所があるのは、三笠市の幌内地区です。
周囲を木々に囲まれた場所に、歴史ある建物が残されています。
現地に到着すると、赤レンガとコンクリートを組み合わせた建物が見えてきました。
周囲には電気設備の鉄骨構造物も残されていて、ここがかつて炭鉱を支える重要な施設だったことを感じさせます。

街角タイムス北海道取材部撮影 2026年10月撮影
屋外には当時の電気設備も残る
建物の横には、高く組み上げられた鉄骨構造物や電気設備があります。
現在は周囲に草木が生い茂り、設備と自然が一体になったような風景が広がっていました。

街角タイムス北海道取材部撮影 2026年10月撮影
こうした設備を実際に見ると、昔の炭鉱が人の力だけではなく、多くの機械や技術に支えられていたことを実感できます。
三笠ジオパークの案内板も設置
現地には、三笠ジオパークのジオサイト案内板「C-02」があります。
この案内板では、旧幌内炭鉱変電所と、その近くにある幌内神社本殿跡について紹介されています。

街角タイムス北海道取材部撮影 2026年10月撮影
変電所と神社。
一見すると異なる施設ですが、どちらも炭鉱で働き、暮らしていた人々の歴史と深く関わっています。
幌内神社や炭鉱跡を歩いてから、再び変電所へ
この日の取材では、旧幌内炭鉱変電所だけでなく、周辺の炭鉱遺産も見て回りました。
最初に変電所を訪れた際には、学生さんの団体が来ていました。
そこで私は、その間に近くの幌内神社や炭鉱跡を見て回ることにしました。
幌内エリアには、旧炭鉱の坑口や施設の遺構、神社の跡などが残されています。
実際に歩いてみると、一つひとつの史跡が、かつて多くの人々が働き、暮らしていた炭鉱の町の姿を伝えているように感じました。
そして、周辺の取材を終えて、もう一度変電所へ戻りました。
すると、先ほどまでいた学生さんたちの姿はなく、そこには管理をされている女性が一人いらっしゃいました。
ここからが、今回の取材で特に印象に残る時間となりました。

石炭ストーブを囲み、管理者の方と歴史について話す
変電所に戻ってから、現地を管理されている女性とお話をする機会がありました。
建物の中には石炭ストーブがあり、そのそばで暖まりながら、炭鉱の歴史についていろいろとお話をさせていただきました。
この日は天候が非常に不安定でした。
突然、激しい雷雨が降ってきたり、あられが降ってきたり。
そんな一日でしたが、歴史ある変電所の中で石炭ストーブにあたりながらお話をする時間は、今回の取材で特に心に残っています。
石炭産業を支えてきた建物の中で、石炭ストーブの暖かさを感じながら、その土地の歴史について話を聞く。
これは現地に足を運ばなければできなかった体験です。本当に貴重な体験でした。
そして、今回のお話の中で強く印象に残ったことがあります。

この貴重な施設を、どうやって後世に残していくのか
管理されている女性から、旧幌内炭鉱変電所を今後どうやって後世に残していくかが課題だというお話がありました。
確かに、建物は1919年頃に建設されたものです。
100年以上の歴史があります。
建物だけでなく、内部には昔の電気設備も残されています。
しかし、こうした歴史的な建物や設備を、この先も残していくことは決して簡単ではないのでしょう。
- 建物を守ること。
- 歴史を伝えること。
そして、次の世代にもその価値を知ってもらうこと。
それぞれに課題があるのだと思います。
私自身、今回実際に変電所を訪れ、建物を見て、お話を聞いたことで、この施設はぜひ後世にも残してほしいと強く感じました。
観光スポットとして訪れるだけではなく、こうした歴史的な場所の存在を多くの人に知ってもらうことも大切なのではないでしょうか。
街角タイムスとしても、今回の取材を通じて、旧幌内炭鉱変電所の価値を少しでも伝えていければと思っています。
旧幌内炭鉱変電所の内部は、ぜひ実際に見てほしい
今回の取材では、幸運にも変電所の内部を見学することができました。
建物の中には、かつて実際に使われていた電気設備や配電盤、制御盤などが残されています。
大きな窓、高い天井、そして数多くの計器やスイッチが並ぶ設備。
建物の外観だけでは分からなかった、旧幌内炭鉱変電所の本当の魅力に触れることができました。

街角タイムス北海道取材部撮影 2026年10月撮影
内部の写真は、あえて1枚だけ紹介します
実際には、建物内部の写真も数多く撮影しました。
しかし、この記事ではあえて内部の写真を1枚だけ掲載することにしました。
理由は、できることなら実際に足を運んで、この建物を自分の目で見てほしいからです。
写真で見るのと、歴史ある建物の中に立って設備を見るのとでは、感じ方も違います。
残されている設備の大きさや建物全体の雰囲気は、現地だからこそ伝わる部分があると思います。
興味のある方には、ぜひ内部公開の機会に訪れていただきたいです。
私自身、旧幌内炭鉱変電所の内部には、実際に足を運んで見る価値があると感じました。
※旧幌内炭鉱変電所の内部は常時公開されているわけではありません。公開日や見学条件を事前に確認してください。
旧幌内炭鉱変電所の見学方法・公開日は?
旧幌内炭鉱変電所は、通常は外観見学が基本となっています。
炭鉄港ポータルサイトでは、年に数回内部公開される施設として紹介されています。
内部見学を希望する場合には、三笠ジオパークのイベント案内や見学ツアーなどの情報を確認してください。
今回の取材では、現地の管理者の方とお会いし、内部を見せていただくことができました。
ただし、管理者の方がいらっしゃれば必ず内部に入れるというわけではありません。
事前の確認が大切です。
内部見学できる日程は限られていますが、その機会があれば、ぜひ訪れてみてください。
施設内には募金箱も|後世に残したい歴史的建造物
今回、変電所の内部には募金箱も設置されていました。
私としては、このような歴史的な建物や設備を、これからも多くの人に見てもらえる形で残してほしいと思っています。
現地で管理されている方からも、後世にどう残していくかという課題について伺いました。
古い建物を残すことは、簡単なことではないと思います。
それでも、北海道の近代化や炭鉱産業の歴史を伝えるうえで、旧幌内炭鉱変電所は非常に貴重な存在です。
もし内部公開などの機会に訪れることができたら、ぜひ募金箱にも目を向けてみてください。
募金の趣旨や案内を確認したうえで、活動に共感された方には、できる範囲で応援していただけたらと思います。
※募金箱は取材時に確認したものです。設置状況や募金の使途は現地でご確認ください。
旧幌内炭鉱変電所へのアクセス・駐車場
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 旧幌内炭鉱変電所 |
| 所在地 | 北海道三笠市幌内本沢町 |
| 建設 | 1919年(大正8年)頃 |
| 見学 | 原則外観のみ。内部は限定公開 |
| 駐車場 | 数台程度 |
| 公共交通 | 市営バス「鉄道記念館」から徒歩約20分 |
| 問い合わせ | 三笠ジオパーク推進協議会 |
| 電話番号 | 01267-2-3997 |
車で訪れる場合
三笠市内から幌内方面に向かいます。道は舗装されていません砂利道です。
周辺には旧炭鉱の遺構や散策路もありますが、すべての場所に自由に立ち入れるわけではありません。
現地の案内や立入禁止表示に従って見学してください。
また、今回の取材日は突然の雷雨やあられに見舞われました。
天気が急変することもあるため、雨具や歩きやすい靴を用意しておくと安心です。
周辺の炭鉱遺産も一緒に見てほしい
旧幌内炭鉱変電所を訪れるなら、近くの炭鉱遺産にも足を運んでみてください。
幌内神社本殿跡
かつて炭鉱で働く人々が安全を祈願した神社の跡地です。
今回の取材では、鳥居や石段、残された史跡も撮影しました。
旧幌内炭鉱音羽坑
1879年に開かれた幌内炭鉱の初期の坑口です。
三笠ジオパークのジオサイト「C-03」として紹介されており、北海道の近代炭鉱の歴史を知るうえで重要な場所です。
旧幌内炭鉱常磐坑
炭鉱施設の歴史を伝える坑口跡です。
現地には坑口や坑口神社などが残されており、こちらも今回実際に取材しました。
それぞれの歴史を知ることで、幌内という地域が石炭とともに歩んできたことを、より深く理解できます。
旧幌内炭鉱変電所のよくある質問
旧幌内炭鉱変電所の内部は見学できますか?
内部は常時公開されていません。年に数回の公開日や、見学条件を満たすツアーなどで見学できる場合があります。最新情報は三笠ジオパークなどで確認してください。
旧幌内炭鉱変電所はいつ建てられましたか?
1919年(大正8年)頃に建設されました。1989年の幌内炭鉱閉山まで稼働していました。
駐車場はありますか?
街角タイムス北海道は車で行きましたので駐車場は確認しております。炭鉄港ポータルでも数台程度の駐車場が案内されています。
ただ数台程度の広さなのでタイミング次第では待つ時間が発生するかもしれません。
旧幌内炭鉱変電所はどこにありますか?
北海道三笠市幌内本沢町にあります。三笠ジオパークの幌内エリアに位置しています。
内部に募金箱はありますか?
街角タイムスの取材時には、内部に募金箱が設置されていました。現在の設置状況や募金の案内は、現地でご確認ください。
まとめ|旧幌内炭鉱変電所を後世にも残していきたい
今回、旧幌内炭鉱変電所を実際に訪れて、建物の歴史だけでなく、そこに残る貴重な設備を見ることができました。
さらに、現地を管理されている女性と、石炭ストーブを囲みながら歴史についてお話をする機会にも恵まれました。
その節は大変お世話になりました。
印象に残ったのは、こうした歴史的な建物を後世にどう残していくか、という課題です。
北海道の炭鉱産業を支えてきた施設が、今もこうして残されている。
その価値を、もっと多くの人に知ってもらえたらと思います。
もちろん、旧幌内炭鉱変電所を訪れれば、必ず内部を見学できるわけではありません。
それでも、公開の機会があれば、ぜひ実際に訪れてみてください。
そして、現地で建物や設備を見ながら、その歴史と、これから先に残していくことの大切さを感じていただけたらうれしいです。
帰り際には私の名刺も置いてきました。
突然の雷雨やあられに見舞われた一日でしたが、最後にはとてもよい出会いがありました。
今回お話を聞かせていただいた管理者の方に、改めて感謝したいと思います。
街角タイムス北海道でも、こうした地域の大切な歴史を、現地取材を通じて記録していきたいと思います。
取材・写真:街角タイムス北海道取材部
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公式・参考情報
※歴史・施設情報は公式資料を参照し、取材時の状況や管理者の方との交流は街角タイムス北海道取材部の現地体験をもとに記載しています。

