北海道樺戸郡月形町にある月形樺戸博物館。
月形町を訪れるなら、最初に見ておきたい歴史スポットのひとつです。
ここは単なる郷土資料館ではありません。
月形町は、1881年(明治14年)に開設された樺戸集治監とともに誕生した町です。初代典獄・月形潔の姓が、そのまま「月形」という町名の由来となっています。
街角タイムスでは実際に現地を訪れ、月形樺戸博物館のほか、旧樺戸集治監本庁舎、月形町役場周辺、囚人が植えたスギ林などを撮影してきました。
今回は現地写真とともに、月形樺戸博物館の見どころや樺戸集治監の歴史、開館時間、料金、アクセスを紹介します。
月形樺戸博物館とは?
月形樺戸博物館は、樺戸集治監の開監から廃監まで約39年間の歴史を、実物資料や展示などを通じて伝える博物館です。
1973年(昭和48年)に「北海道行刑資料館」として一般公開され、1996年(平成8年)に現在の「月形樺戸博物館」となりました。2012年には展示がリニューアルされています。
博物館は大きく、
- 旧樺戸集治監本庁舎
- 博物館本館
- 博物館別館
から構成されています。
別館2階には2023年から、月形町出身の彫刻家・本田明二のギャラリーも設けられています。
まず見てほしい「旧樺戸集治監本庁舎」

月形樺戸博物館で特に印象的なのが、入口に残る樺戸集治監本庁舎です。
黒褐色の木造建築で、現在の博物館本館とはまったく異なる雰囲気があります。
樺戸集治監の本庁舎は1881年に建てられましたが、1886年に一度焼失。その後すぐに再建され、現在残る建物は1919年の廃監まで実際に事務所として使われていました。
さらに興味深いのは、監獄廃止後です。
この建物はそのまま役目を終えたわけではなく、1920年から1972年まで月形村・月形町の役場庁舎として使用されました。その後1973年に北海道行刑資料館となりました。
つまり、この建物自体が100年以上にわたる月形町の歴史を見てきた「展示物」でもあります。
北海道で最初の集治監「樺戸集治監」
樺戸集治監は1881年(明治14年)9月3日に開庁しました。
集治監とは、当時の重罪人などを収容する特別な監獄です。
東京の小菅、宮城に続いて全国で3番目、北海道では最初の集治監として樺戸に設置されました。
樺戸集治監には北海道開拓という役割もあり、収容された囚人たちは道路開削や農地開墾などに従事しました。
現在の北海道の交通網や地域形成を考えるうえでも、避けて通れない歴史のひとつです。
2018年には樺戸集治監、釧路集治監、空知集治監、網走監獄、十勝監獄が「北海道の集治監」として北海道遺産に選定されています。
月形町という名前は初代典獄「月形潔」が由来

月形町役場周辺には、初代典獄・月形潔に関する展示や胸像も見ることができます。
月形潔は福岡藩出身の内務官僚で、北海道に設置する集治監の候補地調査から関わり、樺戸集治監初代典獄となった人物です。
そして月形町の「月形」という町名は、この月形潔の姓から付けられました。
地名そのものが監獄の歴史と結びついている点は、月形町ならではです。
博物館本館はレンガ調の大きな建物

旧本庁舎の奥には、レンガ調の外壁と大きなアーチが特徴的な博物館本館があります。
本館では、樺戸集治監当時の実物資料などを展示。
2階にはシアターコーナーや囚人の作業を体験できるコーナーも設けられており、当時の北海道開拓と囚人労働についてより深く学べる構成です。
外観だけを見て帰るのではなく、時間が取れるなら館内まで見ておきたい施設です。
博物館別館には本田明二ギャラリー
月形樺戸博物館の別館では、2023年4月から彫刻家・本田明二ギャラリーが公開されています。
本田明二は月形町出身で、北海道の彫刻界を代表する人物のひとり。
集治監だけではなく、月形町の文化や人物史まで知ることができるのも、この博物館の特徴です。
囚人が植えた「北限のスギ林」も残る

博物館周辺でぜひ見てほしいのが、月形スギ保護林です。
現地には「囚徒が植えたスギ林(北限のスギ林)」と書かれた案内板があります。
月形町によると、1890年(明治23年)、樺戸集治監開庁10周年の記念植樹として、囚人たちの手によって約600本のスギが植えられました。
現在、このスギ林は群生地として国内北限とされています。
博物館の展示を見るだけでなく、実際に今も残る木々を見ることで、樺戸集治監の歴史をより立体的に感じられます。
月形町役場もすぐ隣

博物館のすぐ近くにあるのが月形町役場です。
現在の役場庁舎と旧樺戸集治監本庁舎を見比べるのも面白いポイント。
旧本庁舎は監獄廃止後、1972年まで役場として使われていたため、
樺戸集治監 → 月形村・月形町役場 → 博物館
という建物の歴史を現地でたどることができます。
役場前にも月形町の歴史が残る

役場周辺には「郷土を愛す」と刻まれたモニュメントや、月形潔に関する胸像、歴史を感じさせる石碑・モニュメントがあります。
また、樺戸集治監や当時の生活をモチーフにした壁面装飾も確認できました。
博物館だけを見て車へ戻るのではなく、役場前まで歩いて周辺を見て回るのがおすすめです。
街角タイムスでは、こうした観光サイトでは見落とされがちな小さな歴史資料もできるだけ現地写真として残していきます。
月形樺戸博物館の開館時間
現在、公式サイトでは次のように案内されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開館期間 | 3月20日~11月30日 |
| 期間中 | 無休 |
| 冬季休館 | 12月1日~3月19日 |
| 開館時間 | 9:30~17:00 |
| 最終入館 | 16:30 |
冬期間は休館となるので注意してください。
月形樺戸博物館の入館料
現地案内板では、一般300円、高校生・大学生150円、小学生・中学生100円と案内されています。
10名以上は団体料金が設定されています。
料金は変更される可能性もあるため、来館前には公式情報を確認するのがおすすめです。公式サイトでも利用案内が公開されています。
アクセス・駐車場
所在地は、北海道樺戸郡月形町1219番地です。
月形町役場の敷地内にあり、車で訪れる場合は月形町役場の駐車場を利用できると公式サイトで案内されています。
電話番号は0126-53-2399です。
実際に現地を歩いて感じたこと
月形樺戸博物館は、建物の中だけを見て終わる施設ではありません。
旧樺戸集治監本庁舎、現在の博物館本館、月形町役場、月形潔の胸像、記念碑、そして囚人が植えたスギ林まで、周辺一帯そのものが月形町の歴史を伝えるエリアになっています。
特に、
「なぜ月形という町名なのか」
「なぜここに町ができたのか」
「北海道開拓と集治監はどう関係していたのか」
という疑問が、現地を歩くことでつながってきます。
月形町を初めて訪れるなら、まず月形樺戸博物館から巡るのがおすすめです。
