札幌を出発し、豊富町から紋別、網走、遠軽を巡る今回の道北・オホーツク周遊旅。
最初に訪れたのは、北海道天塩郡豊富町にある「言問の松(ことといのまつ)」です。
兜沼の近くに立つ言問の松は、樹齢約1,200年と伝えられる巨木。遠くから見ても分かる独特の枝ぶりと、長い年月を感じさせる太い幹が印象的でした。
言問の松は「松」ではなくイチイの木
「言問の松」という名前から松の木を想像しますが、実際の樹種はイチイです。
北海道ではイチイを「オンコ」と呼ぶことがあり、言問の松も樹齢約1,200年、高さ約14メートルのオンコとして紹介されています。平安時代から兜沼周辺に立っているとも伝えられる、豊富町を代表する巨木です。
言問の松を正面から見ると、まず目に入るのが、長い年月を重ねてできた太く力強い幹です。
上部では枝が大きく横へ伸び、一般的なイチイとは異なる独特の形をしています。風雪の厳しい道北の地で、約1,200年もの間生き続けてきたと考えると、その存在感は一層大きく感じられます。
土地の守り神として大切にされてきた言問の松
言問の松には、古くから伝わる逸話があります。
かつて木を切り倒そうとしたところ、作業に関わった人が病気になったり、けがをしたりしたと伝えられています。そのため、神のお告げがある木として扱われるようになり、地域の守り神として大切にされてきました。
現在も幹にはしめ縄が巻かれており、単なる観光スポットではなく、地域の人たちに守られてきた特別な木であることが伝わってきます。
北海道記念保護樹木に指定
言問の松は、1974年3月30日に「北海道記念保護樹木」に指定されています。
北海道の指定資料では、兜沼の風景を構成する木であるとともに、土地の守り神として敬愛されている樹木と紹介されています。
樹齢や大きさだけでなく、兜沼周辺の歴史や地域の信仰と深く結び付いている点も、言問の松の大きな特徴です。
木の後ろに設置されたネットは何?
現地で言問の松を見ると、木の後方に大きなネットと鉄骨が設置されています。
一見すると工事中のようにも見えますが、このネットは言問の松を強い風から守るための風よけです。
豊富町を含む道北地域では、季節によって強い風が吹くことがあります。長い年月を生きてきた貴重な巨木を今後も残していくため、こうした保護対策が行われています。
言問の松の周囲には北海道らしい風景が広がる
言問の松の周辺には、豊富町らしい広々とした田園風景が広がっています。
観光施設が並ぶ場所ではなく、自然の中に一本の巨木が静かに立っているため、木そのものの存在感をじっくり感じられる場所です。
正面から全体を撮影するだけでなく、太い幹やしめ縄、複雑に伸びた枝を近くから撮影すると、言問の松の長い歴史が伝わる写真になります。
言問の松が立つ場所は少し高くなっており、周囲の景色や兜沼方面を眺められる場所としても知られています。
言問の松の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名称 | 言問の松 |
| 読み方 | ことといのまつ |
| 樹種 | イチイ・オンコ |
| 推定樹齢 | 約1,200年 |
| 高さ | 約14メートル |
| 所在地 | 北海道天塩郡豊富町・兜沼西側 |
| 指定 | 北海道記念保護樹木 |
| 見学料金 | 屋外の樹木のため料金不要 |
| 検索方法 | 地図アプリで「言問の松」と検索 |
言問の松は、兜沼公園の西側に位置しています。豊富町の公式観光案内でも、兜沼公園の西側にそびえ立つ巨木として紹介されています。
専用の大規模観光施設ではないため、車を止める際は通行の妨げにならないよう、現地の案内や道路状況を確認してください。
豊富町では、広大なサロベツ原野にも立ち寄りました。

訪れた時間帯には湿原の向こうへ夕日が沈み、木道の先にオレンジ色の空が広がっていました。昼間とは異なる静かな風景で、豊富町らしい雄大な自然を感じられる場所です。
言問の松が豊富町の長い歴史を伝えるスポットなら、サロベツ原野は道北の広さと自然を体感できるスポット。あわせて訪れることで、豊富町の異なる魅力を楽しめました。
兜沼公園と一緒に訪れるのがおすすめ
言問の松を訪れる際は、近くにある兜沼公園にも立ち寄れます。
兜沼公園は湖畔の自然を楽しめる公園で、5月1日から9月30日まで利用できるキャンプ場も整備されています。テントサイトやバンガロー、シャワー室などが設けられており、道北を巡るキャンプ旅行の拠点としても利用できます。
言問の松だけを見学する場合は短時間でも回れますが、兜沼周辺の景色も含めて楽しむなら、少し余裕を持ったスケジュールがおすすめです。
豊富町で1,200年の歴史を感じられる場所
豊富町の「言問の松」は、華やかな観光施設とは異なり、道北の自然と地域の歴史を静かに感じられる場所でした。
松という名前でありながら、実際にはイチイの木。樹齢約1,200年とされ、平安時代からこの土地を見守ってきたという歴史があります。
太い幹や大きく広がった枝、幹に巻かれたしめ縄を目の前にすると、地域の守り神として大切にされてきた理由が分かるような気がします。
兜沼やサロベツ周辺を訪れる際には、ぜひ立ち寄ってほしい豊富町の名所です。
今回の旅は、言問の松を見学したあと、豊富町からオホーツク海側へ移動します。
次回からは紋別編を紹介していきます。
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