栃木県栃木市ってどんな街?
栃木県栃木市(とちぎし)は、県の南部に位置し、江戸時代に商人町として栄えた“蔵の街”の風情が色濃く残る“小江戸”として人気を集めています。
市内を流れる巴波川(うずまがわ)沿いには白壁の蔵やレトロな建物が並び、舟運に支えられてきた歴史を現在に伝えます。

また、合併により面積が拡大し、太平山など山々の豊かな自然やいちご・かんぴょう栽培など農産物も充実。首都圏から日帰り〜1泊2日でも気軽にアクセスでき、和の風情と自然を同時に楽しめるのが魅力です。
さらに、“大正ロマン”を感じる街並みの活用や、有形無形の文化財を継承する活動が盛ん。
歴史散策やグルメ探訪をしつつ、舟遊びや季節イベントに参加してみると、下町人情あふれる栃木市ならではの温かいおもてなしを味わえるでしょう。
栃木県栃木市の歴史と文化の背景とは?
栃木市周辺は古くから巴波川を利用した舟運で江戸や関東各地とつながり、江戸時代には“舟運の要衝”として大いに発展。
商人たちが物資を集散するために建てた蔵が数多く残り、醤油や酒、味噌などの醸造業も盛んでした。江戸期には江戸へ通じる“日光例幣使街道”の宿場としても機能し、参詣客や大名行列が往来するにぎわいを見せました。
明治以降は鉄道の開通や近代化の波を受けながらも、昭和戦後期にかけて町並みが比較的保存され、“蔵の街”としての風情が現在まで継承。
平成の合併で市域が広がり、山や川、農産地帯など多様な自然環境を取り入れつつ、“小江戸”のブランドイメージを発信する観光地として成長を続けています。
栃木県栃木市の主な観光スポットとは?

蔵の街・遊覧船(巴波川)
栃木市中心部の蔵の街エリアは、巴波川沿いに白壁の蔵や町屋が立ち並ぶレトロな景観を誇り、“小江戸とちぎ”の代名詞。
通りには老舗の和菓子店や醸造元、雑貨店、カフェなどが並び、散策するだけで江戸〜明治の商人文化を感じられます。
また、巴波川では“蔵の街遊覧船”が運航し、平日は本数少なめだが週末は多くの観光客が利用。
川面から蔵や橋を見上げることで、より一層タイムスリップしたような趣を味わえる。季節ごとのイベントやライトアップもあるので要チェック。

とちぎ山車会館・横山郷土館
蔵の街周辺には、栃木市の伝統行事や文化を紹介する施設が点在。
特に「とちぎ山車会館」では、毎年11月に行われる“とちぎ秋まつり”の豪華絢爛な山車を常設展示し、江戸型人形やからくり人形の仕組みなどを学べる。山車の迫力を間近に感じられ、祭りの歴史を映像や資料で体感できる。

近くには「横山郷土館」という明治期の洋館と和館が合わさった建築があり、元銀行家の邸宅を改装した歴史的建物として内装や庭園を見学可能。
大正ロマン風の雰囲気が楽しめるフォトスポットにもなっている。

太平山(お花見・ハイキング)
市の南部には太平山(標高341m)があり、桜やあじさい、紅葉など四季の花景色が人気のハイキングスポット。
あじさい坂や展望台を歩きながら、関東平野の眺望を楽しめる。春は“太平山桜まつり”が賑わい、山頂付近には花見客で大混雑するほど。
謙信平などビューポイントが点在し、天気が良ければ筑波山や東京スカイツリーまで見渡せる。山頂には茶屋や神社があり、下山後には近くのドライブインや食事処で“だんご”や地元B級グルメを味わいたい。

出流山(いづるさん)満願寺
栃木市の西部には、「出流山(いづるさん)満願寺」という天台宗の古刹があり、奈良時代に創建されたと伝わります。
山腹には大小の石仏や滝、また洞窟内に観音様を祀るなど、神秘的な雰囲気が漂う修行の地として知られ、“出流山信仰”が今も続きます。
春には桜、新緑や紅葉シーズンには美しい自然と相まって、多くの参拝客や写真愛好家が訪れる。
近くの出流原弁天池は湧水が湧く癒やしスポットで、透明度が高く四季折々の風景を映す鏡のような水面が人気。古刹巡りと自然散策を同時に楽しめる穴場的エリア。
栃木県栃木市の地元グルメ・特産品とは?

栃木名物じゃがいも入り焼きそば
栃木市を含む栃木県南部では、“じゃがいも入り焼きそば”がB級グルメとして有名。
太めの麺と甘辛ソースにじゃがいものホクホク感が融合し、独特の食感が楽しめる。市内の食堂やお好み焼き店で提供されることが多く、リーズナブルでボリューミー。
ソースや具材は店によって微妙に異なるため、食べ比べするファンもいる。じゃがいも自体は乱切りや角切りで入っていることが多く、意外な組み合わせにハマる人が続出。

かんぴょう
栃木市周辺ではかんぴょう(干瓢)の生産が日本一で、巻き寿司の具材として有名。地元スーパーや道の駅でかんぴょうを使った加工品(かんぴょう巻き、佃煮など)を購入できる。

いちご
いちご王国として知られる栃木県全域同様に、栃木市内でもいちご狩りスポットが点在し、冬〜春シーズンに旬の甘い苺を楽しむ観光農園がある。予約制の場合が多いので、事前確認がおすすめ。
栃木県栃木市の祭り・イベント情報とは?

とちぎ秋まつり
「とちぎ秋まつり」は、“ユネスコ無形文化遺産”に登録された豪華な山車の巡行が目玉。
江戸の技術を受け継いだ“からくり人形”を載せた山車が市内を練り歩き、迫力ある祭囃子が響き渡る。3年に1度開催の本祭では十数基の山車が集結し、華麗な競演を繰り広げる。
期間中、蔵の街エリアは多くの観光客で大混雑となるが、山車同士がすれ違う際の伝統的儀式や夜間ライトアップされた山車の美しさは必見。
迫力ある祭りの熱気に包まれることで、栃木市の歴史と人々の想いを肌で感じられる。

うずまの鯉のぼり(春)
巴波川(うずまがわ)では、春(4月〜5月頃)に「うずまの鯉のぼり」が開催され、川面に数百匹のカラフルな鯉のぼりが泳ぐ光景が繰り広げられます。
蔵の街の歴史的建物を背景に、風を受けてなびく鯉のぼりはフォトジェニックで、市民や観光客が散策や舟遊びを楽しみながら眺める様子が見られます。
期間中はイベントやスタンプラリーが併催される場合もあり、特に休日は多くのファミリーでにぎわいます。町並みと鯉のぼりのコントラストを堪能しつつ、季節の移ろいを感じる絶好の機会。
栃木県栃木市へのアクセス・交通手段とは?

公共交通機関
東武日光線:浅草駅〜栃木駅(特急約70分、普通約1時間40分)。さらに新栃木駅〜日光方面へ接続。
JR両毛線:小山駅〜栃木駅(約20分)、足利・桐生方面へ連絡。
路線バス:市内各所や太平山へ便あり。
自家用車・レンタカー
東北自動車道:栃木IC利用(東京方面から約1.5時間)。
北関東自動車道:太田IC〜佐野IC〜栃木ICなどで繋がり各方面へ。
駐車場事情:蔵の街・太平山とも公共駐車場あり。祭りや花見シーズンは早めに駐車した方が無難。
栃木県栃木市観光のモデルコース・回り方とは?
【1日コース】蔵の街×太平山
- 午前:浅草駅から東武日光線の特急または普通列車で栃木駅着。駅前でレンタサイクル or 徒歩で蔵の街へ向かい、巴波川沿いを散策。舟遊びに乗って川面から蔵や町家を堪能。
- 昼:じゃがいも入り焼きそばなど地元B級グルメや和食を楽しみ、とちぎ山車会館見学で歴史に触れる。
- 午後:バスまたは車で太平山へ移動。あじさい坂や謙信平を散策し、季節の花や展望を満喫。下山後、山麓の茶屋で団子や地元スイーツを味わう。
- 夕方:再び栃木駅に戻り、浅草方面へ帰路。余裕があれば夕方の蔵の街を散策し、ライトアップを楽しむのも◎。
【2日コース】温泉&出流山
- 1日目(午前):東京駅などから新幹線→小山駅乗換→JR両毛線で栃木駅(約1.5〜2時間)。市内ホテルに荷物を預け、蔵の街を散策。
- 1日目(午後):ランチにじゃがいも入り焼きそばやかんぴょう巻きを味わい、“うずまの鯉のぼり”シーズンなら写真撮影などを楽しむ。夜は居酒屋で地酒や郷土料理を堪能。
- 2日目(午前):レンタカーまたはバスで出流山満願寺へ移動し、霊場巡りや自然散策を満喫。近隣の出流原弁天池で湧水の美しさを体感。
- 2日目(午後):時間があれば温泉施設や農産物直売所に立ち寄り、いちごやかんぴょうなど地元食材を購入。夕方に栃木駅へ戻り、都心へ帰路につく。
栃木県栃木市観光ガイド:蔵の街と巴波川が織りなす“小江戸と自然のまち”のまとめ
栃木県栃木市は、江戸時代からの舟運と商人文化が息づく“蔵の街”と、太平山や出流山を中心とした自然・霊場巡りができる“山里エリア”を併せ持つ“小江戸と豊かな自然が織りなすまち”です。
巴波川沿いの白壁蔵や舟遊びでタイムスリップ気分を味わいつつ、じゃがいも入り焼きそばやかんぴょうなどご当地グルメを堪能。さらに太平山の桜や出流山満願寺など季節の風景に浸れるスポットも豊富です。
都心から電車で約1〜2時間とアクセスも良く、日帰りからのんびり1泊までプランを組みやすい点が魅力。ぜひ栃木市を訪れ、江戸の風情を受け継ぐ“小江戸”と自然・山里の風景、そして温かい下町人情を思う存分楽しんでみてください。