佐賀県唐津市は、美しい海岸線と歴史ある街並みが調和する観光都市です。中でも「虹の松原」は日本三大松原のひとつに数えられ、約5kmにわたって広がる松並木は唐津の象徴。ドライブや散策でその絶景を楽しめるほか、玄界灘の雄大な海を望むスポットも点在しています。今回は、唐津市で海を中心に楽しむ旅の魅力をご紹介します。
唐津市ってどんなところ？
唐津市は佐賀県北西部に位置し、玄界灘に面した海と山に囲まれた街です。古くから「唐津焼」や唐津城で知られる歴史文化があり、また海の幸に恵まれた漁業の街としても栄えてきました。福岡市から電車や車で1時間ほどとアクセスも良く、日帰り観光地としても人気です。
時間帯で変わる唐津の風景
唐津は、朝の静かな湾岸、昼間の活気ある街の風情、夕日の輝き、夜の幻想的な灯りというように、時間帯によって異なる表情を見せます。
- 早朝：呼子漁港の近くでは、漁船が帰港し、イカの活き造りなど新鮮な魚介が朝市に並ぶ情景。市場の活気とともに、海沿いの朝の空気が清らかです。
- 昼間：虹の松原沿いのドライブロードや城下町エリアは、人々の散策や買い物で賑わい、海岸線や歴史ある街並みを楽しむひととき。
- 夕方：玄界灘に面した浜崎海岸や虹の松原では、美しい夕景が楽しめます。松林と海がつくるシルエットがドラマティックです。
- 夜：唐津城や呼子の街灯が水面に映える幽玄な風景、閑静な商店街の灯りの中で静かなひとときを感じられます。夜景での散策もおすすめです。
文化・体験に触れるスポット
唐津は海・歴史・工芸・祭りなど、多彩な文化体験が魅力的です
- 唐津城（舞鶴城）：1608年初代藩主・寺沢広高が築城。天守からは唐津湾と市街地を含む360度の眺望が楽しめます。
- 呼子のイカ活き造り：日本全国でも有名なイカ料理スポット。市場や港近くの飲食店で、透き通る新鮮なイカを味わえます。
- 唐津焼（Karatsu Ware）：桃山時代から続く伝統の陶芸。街中には窯元やギャラリーが点在し、手びねりや絵付けの体験も可能。
- 虹の松原：江戸時代に防風・防砂のために植林された約5kmの松林。散策やドライブ、撮影スポットとして人気です。
- 七ツ釜（Nanatsugama Caves）：玄界灘の荒波によって形成された7つの洞窟。船で近づいて鑑賞可能。自然の造形美が見事です。
- 唐津くんち：毎年11月2〜4日に開催される歴史ある祭り。14基の曳山（hikiyama）が市内を練り歩き、豪華絢爛な山が人気。
- Kawamura美術館：明治大正期の日本画家・青木繁らの作品など、近代日本画の名作を収蔵。静かな時間を鑑賞とともに過ごせます。
- 名護屋城博物館：秀吉による朝鮮出兵の拠点・名護屋城跡に立地。歴史資料や出土品を展示し、日韓交流の歴史にも触れられます。
虹の松原を散策する
虹の松原は唐津湾沿いに広がる松林で、江戸時代に防風林として整備されたのが始まり。現在では約100万本ものクロマツが連なり、青い海と緑のコントラストが美しい景観をつくり出しています。
- ドライブコース：国道202号線沿いを車で走れば、松原と海を同時に楽しめる爽快ルート。
- ウォーキング：松林の中に整備された小道を歩けば、潮風を感じながら森林浴気分を味わえる。
- フォトスポット：松原越しに見える唐津湾の海と砂浜は撮影に最適です。
海辺の絶景ドライブスポット
虹の松原からさらに足を延ばすと、唐津の海岸線には絶景スポットが続きます。
- 呼子方面：新鮮なイカで有名な港町へと続くドライブコース。途中の加部島大橋からは海の大パノラマを楽しめます。
- 七ツ釜：玄界灘の荒波がつくり出した奇岩群で、遊覧船や展望台から眺められる。
- 浜崎海岸：夕日の名所として人気のスポット。
海沿いを走るだけで、玄界灘の雄大さと唐津の自然の力強さを体感できます。
自然と歴史を感じる散策ルート
海と山、歴史の遺構を巡る散策ルートで、唐津の風土をじっくり体感できます。
- 虹の松原散策・海岸ドライブ：松林に囲まれた海岸線をゆったりと歩いたり、車や自転車で巡ると潮風と松の香りの中で自然美を満喫できます。
- 城下町散歩〜唐津城登城：唐津駅から城への坂道に歴史の痕跡が残り、本丸→展望デッキへ続くルートは季節ごとに景色が異なりおすすめ。
- 呼子〜七ツ釜自然探訪：呼子の町歩きから小さな船で七ツ釜を巡り、玄界灘の海の力と洞窟の迫力を感じる自然体験ルート。
- 陶芸体験とギャラリー巡り：唐津焼の窯元を訪ね、作陶体験や展示鑑賞を通じて伝統文化を肌で感じられる散策。
- 山・森・滝のトレッキング：見帰りの滝（Mikaeri no Taki）や鏡山（Kagami-yama）方面へ足を延ばせば、森林や滝、山から望む唐津湾の景観も楽しめます。
- 古墳巡り：谷口古墳（Taniguchi Kofun）：4世紀頃築造の前方後円墳。国の史跡に指定されており、古代史ロマンを感じさせる場所です。
唐津の歴史と文化も楽しむ
海を楽しむ旅に歴史文化を組み合わせるのもおすすめです。
- 唐津城：唐津湾を見渡す名城で、別名「舞鶴城」とも呼ばれる。
- 唐津焼：桃山時代から続く伝統工芸で、ギャラリーや窯元巡りが楽しめる。
- 唐津くんち：ユネスコ無形文化遺産に登録された祭りで、豪華絢爛な曳山が街を練り歩きます。
唐津グルメを堪能
海に面した唐津は、新鮮な魚介グルメの宝庫です。
- 呼子のイカ活き造り：透き通る新鮮なイカは必食。
- サザエやアワビ：地元漁港で味わえる贅沢な海鮮。
- 佐賀牛料理：海鮮だけでなく、ブランド牛グルメも楽しめます。
海辺の食堂や市街地のレストランで、唐津ならではの味覚を堪能しましょう。
季節ごとの楽しみ方
- 春：松原の新緑と唐津城の桜。
- 夏：海水浴やマリンアクティビティ。
- 秋：唐津くんちで街全体が賑わう。
- 冬：透き通ったイカやブリなど旬の魚介を楽しむ。
アクセスと便利情報
福岡市からJR筑肥線で唐津駅まで約90分、車でも高速道路を使えば1時間半ほどで到着します。虹の松原は唐津駅から徒歩圏内にあり、市内観光とあわせて巡りやすい立地です。車を利用すれば呼子や七ツ釜など周辺スポットも効率的に訪問できます。
モデルコース提案
日帰りプラン
- 午前：唐津城見学 → 虹の松原ドライブ＆散策
- 昼食：呼子でイカ活き造りランチ
- 午後：七ツ釜遊覧船 → 浜崎海岸で夕日観賞
- 夜：福岡方面へ帰路
1泊2日プラン
- 1日目：唐津市到着 → 唐津城 → 唐津焼ギャラリー見学 → 虹の松原散策 → 宿泊
- 2日目：呼子港で朝市 → 加部島大橋ドライブ → 七ツ釜観光 → 海鮮ランチ → 帰路へ
モデルコース：海・歴史・文化を満喫する唐津一日旅
唐津を効率よく満喫する1日のモデルプランをご提案します。
- 早朝：呼子漁港へ。イカ活き造りや市場の朝の雰囲気を味わう（開店時間に注意）。
- 午前：七ツ釜を遊覧船で巡る自然体験。その後、呼子町内を散策。
- 昼：虹の松原沿いの海見カフェやレストランでドライブランチ。
- 午後：唐津城へ。城内見学・展望台で湾と市街の眺望を楽しむ。徒歩で城下町を散策し、唐津焼のギャラリーや窯元を訪ねる。
- 夕方：鏡山展望台や見帰りの滝へ足を伸ばし、山から眺める夕景と自然を堪能。
- 夜：唐津市街へ戻り、唐津くんちの曳山展示館（年度外なら常設展示）や地元居酒屋で海鮮料理や佐賀牛を味わいつつ夜の町歩きで締めくくる。
まとめ
唐津市は、虹の松原をはじめとする美しい海岸線と、呼子や七ツ釜といった絶景スポットに恵まれた街です。ドライブや散策で自然を満喫しつつ、唐津城や唐津焼といった歴史文化も堪能できます。さらに呼子のイカをはじめとする海鮮グルメは旅を彩る大きな魅力。福岡からのアクセスも良く、日帰りから宿泊まで多彩なプランで楽しめる海の旅先です。
