長崎県長崎市観光ガイド:異国情緒と歴史、海が織りなす“港と坂のまち”

グラバー園の写真 長崎市

長崎県長崎市ってどんな街?

長崎県長崎市(ながさきし)は、日本の南西端、九州の西部に位置し、開港都市として世界への窓口となってきた歴史を持つ“異国情緒と坂のまち”です。

江戸時代には日本唯一の対外貿易港として出島にオランダや中国の商人が出入りし、西洋文化やキリスト教が早期に伝わりました。

現在もグラバー園や大浦天主堂などの洋風建築が残り、和洋折衷の風景や夜景が見どころとして多くの観光客を迎えています。

グラバー邸の写真

また、太平洋戦争末期の原子爆弾投下という悲劇を乗り越え、平和都市として世界に向け平和メッセージを発信。

グルメ面ではちゃんぽんやカステラ、トルコライスなど多彩な食文化を持ち、港町ならではの海産物も豊富。歴史×異国文化×食を一度に堪能できる魅力が、長崎市を“国際都市”として輝かせています。

長崎県長崎市の歴史と文化の背景とは?

長崎は戦国〜江戸期、日本が鎖国体制下にあった時代にも海外貿易を継続した“特例の港”として発展し、出島にオランダ商館を置いて西洋の科学や文化を取り入れました。

さらに、中国人居留地(唐人屋敷)やポルトガルとの交流(天正遣欧少年使節など)を通じ、キリスト教や南蛮文化の影響が色濃く残っています。

明治維新後には造船業が興隆し、近代日本の重工業をリード。太平洋戦争末期には原子爆弾が投下され、悲惨な被害を受けた一方で、戦後は平和推進都市として復興と共に世界各国との絆を深めています。

令和現在でもグラバー園やオランダ坂などに象徴されるように、“異国情緒×国内随一の歴史”が長崎固有の個性を形づくっています。

長崎県長崎市の主な観光スポットとは?

グラバー邸の写真

グラバー園

「グラバー園」は、幕末〜明治期に活躍したスコットランド商人トーマス・グラバーの旧邸など、洋風建築を集めた野外博物館。

国指定重要文化財の旧グラバー住宅をはじめ、石畳の坂や季節の花々が美しく、長崎港を見下ろす景色が絶景。夜間ライトアップも行われ、ロマンチックな雰囲気を楽しめます。

大浦天主堂の写真

大浦天主堂

「大浦天主堂」は、日本最古の木造ゴシック様式教会として有名で、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一部。

中のステンドグラスや荘厳な空気に触れ、かつてのキリシタンの歴史を感じることができます。

平和公園の写真

平和公園

「平和公園」は、1945年8月9日に投下された原子爆弾の悲劇を伝え、世界平和を祈念する場所。公園中央の平和祈念像は、“右手は原爆の脅威、左手は平和”を象徴し、深いメッセージを放ちます。

周囲には各国から寄贈された平和像が並び、原爆被害を思い起こさせる重要な空間となっています。

長崎原爆資料館の写真

長崎原爆資料館

近くにある「長崎原爆資料館」では、被爆の実相や犠牲者の遺品、写真、映像資料を通じて核兵器の恐怖と平和の尊さを学べます。

重いテーマではありますが、長崎を訪れるならぜひ時間を取って平和への想いを深めたいスポット。

出島の写真

出島

江戸時代、鎖国下の日本で唯一の“西洋への窓”となった「出島」は、人工島として築かれたオランダ商館の居留地。

現在は当時の建物を可能な限り復元し、展示・資料館として一般公開中。門や家屋、倉庫、石橋など、江戸時代の国際貿易の面影を感じるレトロな町並みが再現されています。

館内ではオランダとの貿易品や医療器具、書物などの資料を通じて、当時の学問や生活様式を学べる。敷地は広くないが、建物ごとに解説も詳しく、じっくり見ると2〜3時間かかるほどの情報量。カフェや土産コーナーもあり、休日には多くの観光客で賑わいます。

稲佐山展望台の夜景の写真

稲佐山展望台・夜景

長崎港を一望できる「稲佐山(標高333m)」は、“世界新三大夜景”とも称される絶景を楽しむ展望スポット。山頂へは稲佐山ロープウェイやバス、車でアクセス可能。

夜には港や市街の灯りが宝石のように輝き、横浜・神戸と並ぶ日本三大夜景に数えられるほどの感動を味わえます。

展望台にはレストランやお土産ショップもあり、夕方から夜にかけてロマンチックな雰囲気が漂う。日中は長崎の街と海を見晴らし、夜には煌めく光景を撮影できるため、カップルや写真愛好家に大人気。

長崎県長崎市の地元グルメ・特産品とは?

長崎ちゃんぽんの写真

長崎ちゃんぽん

長崎グルメの代表格「長崎ちゃんぽん」は、中国福建省出身の料理人が創作したと言われる麺料理で、豚骨や鶏ガラの出汁に野菜や海鮮、豚肉がたっぷり。

太麺とまろやかなスープの組み合わせが特徴で、野菜不足を一気に解消できるとも言われる。

長崎名物皿うどんの写真

皿うどん

一方、「皿うどん」は同じ具材をカリッと揚げた細麺の上に餡かけをかけたもの、または太麺を炒めて皿に盛るタイプがあり、店ごとに差がある。

どちらも老舗の中華レストランや市内の食堂で提供され、地元のソウルフードとして愛されている。

カステラの写真

カステラ

「カステラ」は南蛮貿易で伝わった点心菓子として長崎を代表する土産。

今も老舗和菓子店が各種カステラを製造し、ざらめ入りや抹茶味、チョコ味などバリエーション豊富。

試食コーナーや実演販売が見られる店舗も多いので、お土産探しに最適。

トルコライスの写真

トルコライス

「トルコライス」は、ピラフ・スパゲティ・カツ(とんかつやチキンカツ)を一皿に盛り、デミグラスソースやカレーソースをかけたボリューム満点の洋食メニュー。

昭和生まれの学生向けメニューが進化し、長崎市内の喫茶店や洋食店で独自アレンジが見られる。

長崎県長崎市の祭り・イベント情報とは?

長崎ランタンフェスティバルの写真

長崎ランタンフェスティバル(春節)

毎年旧正月(春節)を祝う「長崎ランタンフェスティバル」は、約1,500万個以上のランタンと大型オブジェが街を照らす華やかなイベント。新地中華街や周辺エリアが中国風の装飾に包まれ、龍踊りや雑技ショーなどが催される。

夜に町中を歩けば、色彩豊かなランタンとともに異国ムードを満喫。例年1月下旬〜2月上旬に開催で、期間中は市内ホテルの予約が埋まりやすいので早めの確保がおすすめ。

長崎くんちの写真

長崎くんち

「長崎くんち」は、370年以上の歴史をもつ諏訪神社の秋季大祭。

毎年10月7〜9日に行われ、奉納踊として龍踊や鯨の潮吹き、太鼓山など多彩な演し物が境内や市内各所で披露される。歴史的にオランダや中国など外来文化が取り入れられ、カラフルな衣装や異国風の踊りが特徴的。

桟敷席や特設会場で観覧できるが、チケットは競争率が高め。周辺道路も混雑するため、公共交通機関の利用・早めの動きが肝要。

長崎県長崎市へのアクセス・交通手段とは?

長崎駅の写真

公共交通機関

JR長崎本線:博多駅〜長崎駅(特急“かもめ”約2時間)。

西九州新幹線:武雄温泉〜長崎(約30分、博多〜武雄温泉間はリレーかもめ特急)。

長崎空港:羽田・成田・中部・伊丹・那覇など国内線就航。空港リムジンバスで長崎市内へ約40分。

自家用車・レンタカー

高速道路:長崎自動車道「長崎IC」下車。博多方面から約2時間。

駐車場事情:市街地は坂や狭道が多く、コインパーキングも限られ混雑しがち。路面電車やバス利用をメインにすると観光がスムーズ。

長崎県長崎市観光のモデルコース・回り方とは?

【1日コース】坂本龍馬とちゃんぽん

  1. 午前:博多駅などからJR特急で長崎駅(約2時間)。駅の観光案内所でマップを入手し、まずは路面電車やバスでグラバー園へ移動。歴史的洋館と港の眺めを楽しむ。
  2. :同エリアの中華料理店や新地中華街で“ちゃんぽん”や“皿うどん”を堪能。
  3. 午後:大浦天主堂を見学した後、路面電車で出島へ移動。江戸期の貿易交流の様子を資料や復元建物から学ぶ。
  4. 夕方:長崎駅周辺で土産にカステラや角煮まんじゅうを買い、特急またはバスで帰路。

【2日コース】夜景&平和巡り

  1. 1日目(午前):東京・大阪などから飛行機で長崎空港、リムジンバスで長崎駅着。市内ホテルにチェックイン。昼は駅周辺か中華街でトルコライス、ちゃんぽんランチ。
  2. 1日目(午後):平和公園や原爆資料館を訪れ、被爆の実相と平和の尊さを学ぶ。夕方は稲佐山ロープウェイで夜景を堪能し、ホテル泊。
  3. 2日目(午前):出島やグラバー園、大浦天主堂を巡り、港町と異国文化の歴史に触れる。
  4. 2日目(午後):路面電車で市内を巡りつつ、再度名物料理(カステラパフェ、カステラトーストなど)を楽しみ、夕方に空港バスやJRで帰宅。

長崎県長崎市観光ガイド:異国情緒と歴史、海が織りなす“港と坂のまち”のまとめ

長崎県長崎市は、開港都市として異国文化を取り入れてきた歴史と、太平洋戦争の原爆被害を乗り越えた“平和へのメッセージ”を世界に発信する街。

江戸時代の出島や大浦天主堂、グラバー園に代表される洋風建築群や、稲佐山の夜景などの異国情緒あふれる景色、そして伝統的ちゃんぽんやカステラなどのグルメが多様な魅力を形成しています。

また、路面電車で巡るコンパクトな市街地や、長崎ランタンフェスティバル、長崎くんちなど四季折々の華やかなイベントも観光客をひきつける要素。アクセス面ではJR特急や西九州新幹線、飛行機や高速バスなど手段が豊富で、週末旅や連休の旅行先としても最適です。

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