宮城県大崎市ってどんな街?
宮城県大崎市(おおさきし)は、県北西部に位置し、2006年の市町村合併(古川市・鳴子町・三本木町・松山町・鹿島台町・岩出山町・色麻町の一部などが合併)によって誕生した広域自治体です。
面積は宮城県内でも有数の広さを誇り、「鳴子温泉郷」や豊かな農地、棚田、加護坊山などの自然景観が広がるエリアとして知られています。

また、かつての奥州藤原氏や伊達氏の支配を経て培われた歴史文化が多く残り、世界農業遺産に認定された「大崎耕土」に代表される水と土壌の恵みが地域を支えています。
交通面では、東北新幹線の「古川駅」を中心に仙台や東京方面からのアクセスも良好で、温泉や自然散策、農業体験など、多様な観光要素が揃う「水と緑のふるさと」といえるでしょう。
宮城県大崎市の歴史と文化の背景とは?
大崎地域は古くから肥沃な土地と豊かな水系に恵まれ、稲作を中心とした農業が盛んに行われてきました。
中世から近世にかけては、奥州藤原氏や伊達氏がこの地を治め、城下町や宿場町が整備されたことにより、政治・経済・文化の中心として発展。明治以降は、鉄道や道路の整備に伴い農業産出量が飛躍的に増加し、米どころとしての地位を確立しました。
近年では、2017年に世界農業遺産(GIAHS)に認定された「大崎耕土」の存在が国内外から注目を集め、伝統的な水管理システムや共同体の仕組み、景観を守りながら持続的な農業を実践している点が評価されています。
一方で、鳴子温泉郷のような観光地も古くから人気が高く、温泉や自然を求める旅行者が絶えません。
宮城県大崎市の主な観光スポットとは?

鳴子温泉郷
大崎市を代表する観光エリアといえば、まず「鳴子温泉郷」を外せません。鳴子温泉・東鳴子温泉・中山平温泉・川渡温泉など、泉質の異なる温泉地が集中しており、“日本一の泉質数”とも称されます。
硫黄泉や食塩泉、アルカリ泉など多種多様な湯を湯めぐりできる楽しさが魅力で、四季を通じて温泉街が賑わいます。伝統的な鳴子こけしの工房や土産店も点在し、作品見学や作り手との交流を楽しめるのも大きな魅力です。

鳴子峡(なるこきょう)
鳴子温泉郷の近くにある「鳴子峡」は、深さ約100mのV字型渓谷が約2.6kmにわたり続く絶景スポット。
特に秋の紅葉は全国的にも有名で、鮮やかな赤や黄のコントラストが峡谷を彩り、毎年多くの観光客が訪れます。
陸羽東線「鳴子温泉駅」や「中山平温泉駅」から渓谷へ徒歩でアクセス可能なほか、車の場合は国道47号沿いにある展望台からも雄大な渓谷を見下ろすことができます。
遊歩道や吊り橋などが整備されているため、カメラ片手にじっくり散策してみるのがおすすめです。

岩出山(いわでやま)・感覚ミュージアム
かつて伊達政宗公が一時本拠地としていた岩出山(いわでやま)地区には、政宗公ゆかりの史跡や寺社が点在。岩出山城址からは町並みや遠景を見渡すことができ、武家屋敷の面影を探す街歩きも楽しめます。
また、「感覚ミュージアム」は光や音、触覚など五感をテーマにした体験型のミュージアムで、大人から子どもまで遊び感覚で科学や芸術を学べるスポット。
観光やドライブの途中に立ち寄り、ユニークな展示を堪能してみるのはいかがでしょうか。

加護坊山(かごぼうやま)・棚田
大崎市の南部・松山地域にある「加護坊山」(標高224m)は、その周辺に棚田や果樹園などが広がる田園景観が美しいことで知られています。
春には桜や菜の花、夏は新緑、秋はコスモスや紅葉が彩りを添え、のどかな農村風景に癒やされるスポット。
山頂付近には展望台が整備されており、晴れた日には遠く蔵王連峰や船形山まで見渡せるパノラマを楽しむことができます。地元の直売所や農家カフェで、新鮮野菜や果物を味わうのもいいでしょう。
宮城県大崎市の地元グルメ・特産品とは?

大崎耕土の米・鳴子の米粉
大崎地域は、世界農業遺産「大崎耕土」に代表される米どころ。減農薬や有機栽培など、こだわりの農法で育ったお米は旨みと粘りが強く、地元の飲食店や旅館で味わえる白ご飯は格別の味わいです。
また、鳴子の米粉を使ったパンケーキや麺類などヘルシーな米粉グルメも増加中。もちもちとした独特の食感を楽しむことができます。

こけし・温泉まんじゅう
鳴子温泉郷がある大崎市は、東北こけしの代表的な産地。丸みを帯びた頭部と重厚な筆致の胴模様が特徴の「鳴子こけし」は、職人が代々受け継ぐ伝統工芸です。
工房見学を行うお店も多く、作り手の技術を目の前で見られることが魅力。
併せて、温泉街では温泉まんじゅうや地酒、笹かまなどお土産の選択肢も豊富。湯上がりにほかほかの温泉まんじゅうを味わうのは、鳴子ならではの楽しみです。
宮城県大崎市の祭り・イベント情報とは?

鳴子温泉神社例大祭(夏〜秋)
鳴子温泉街では、夏から秋にかけて各神社の例大祭や山車巡行、花火大会などが行われ、地元の人々や温泉客で大いに賑わいます。
町内会が各種出店やパフォーマンスを企画し、伝統的な太鼓や笛の音が響く中、神輿が温泉街を練り歩く光景は迫力満点。宿に泊まり込んでゆっくり祭りを楽しむのもおすすめです。
大崎市収穫祭・農業イベント
秋には米や野菜、果物の収穫シーズンを迎え、大崎市内の各地域で収穫祭や農業祭が開催されることがあります。
新米を使ったおにぎり試食や郷土料理の屋台、地元芸能の披露など、地域の人々との触れ合いを楽しみながら食材の魅力を再発見できる貴重な機会。
観光客にも大変人気があり、日にちによっては早めの駐車場確保が肝要です。
宮城県大崎市へのアクセス・交通手段とは?
公共交通機関
新幹線:東京駅から東北新幹線で古川駅まで最速約2時間。古川駅から陸羽東線やバスを利用し各エリアへ移動。
在来線:仙台駅から陸羽東線「小牛田駅」乗り換えなどで古川駅や岩出山駅、鳴子温泉駅へ行くルートがある。
バス:鳴子温泉や各観光地へは市内バスや観光シーズンに合わせた臨時バスが運行される場合もあるため時刻表を要確認。
自家用車・レンタカー
高速道路:東北自動車道「古川IC」「三本木IC」「長者原SAスマートIC」などから市内各エリアへ。鳴子温泉や山間部へは国道47号を利用するのが一般的。
駐車場事情:観光地(鳴子峡、鳴子温泉街など)や週末のイベント時には駐車場が混雑するため、早めに到着するか平日を選ぶとスムーズ。
宮城県大崎市観光のモデルコース・回り方とは?
【1日コース】鳴子温泉と渓谷美を堪能
- 午前:仙台駅から新幹線で古川駅へ(約15分)、陸羽東線に乗り換え鳴子温泉駅へ(約50分)。温泉街を散策し、日帰り入浴施設でほっこり。
- 昼食:温泉街の食堂で地元の山菜や米粉料理を楽しむ。こけし工房や土産店で伝統工芸を体感。
- 午後:陸羽東線か車で「鳴子峡」へ移動し、遊歩道や展望台から迫力ある峡谷美を満喫。紅葉シーズンは混雑に注意。
- 夕方以降:再び鳴子温泉駅から古川駅へ、そして新幹線で仙台・東京方面へ帰路に。
【2日コース】米どころと歴史散策も満喫
- 1日目(午前):東京などから新幹線で古川駅着。レンタカーを借り、まずは岩出山地区へ向かい、岩出山城址や感覚ミュージアムを見学。
- 1日目(午後):鳴子温泉へ移動し、宿にチェックイン。日が沈む前に湯巡りを楽しみ、夕食は地元産米や郷土料理を堪能。
- 2日目(午前):朝食後、陸羽東線または車で鳴子峡へ紅葉や新緑を見に行き、写真撮影や散策を満喫。
- 2日目(午後):再び古川駅方面へ戻り、途中で棚田や加護坊山などの田園風景を楽しむドライブ。時間があれば、直売所や農家カフェに立ち寄って地元の味を再発見。夕方までに古川駅へ戻り、新幹線で帰路へ。
宮城県大崎市観光ガイド:温泉と棚田、美食が彩る“水と緑のふるさと”のまとめ
宮城県大崎市は、世界農業遺産の「大崎耕土」と豊かな自然、そして鳴子温泉郷をはじめとする多彩な観光資源が魅力のエリアです。
四季折々の景観が楽しめる棚田や山々、渓谷などの自然美とともに、歴史ある温泉でのんびりと癒やされる贅沢。農業と食文化に根ざした町の温かいホスピタリティに触れ、地元産米や山菜、こけしや漆器など伝統工芸を体感するチャンスが盛りだくさんです。