岩手県盛岡市観光ガイド:自然と歴史、美食が彩る“杜と水の都”

岩手県

岩手県盛岡市ってどんな街?

岩手県の県庁所在地である盛岡市(もりおかし)は、北上川や中津川など複数の川が交わる地点に位置し、自然豊かな景観と城下町の歴史が融合した“杜と水の都”として知られています。

周囲を奥羽山脈や北上山地に囲まれ、四季折々で表情を変える自然が美しく、古くから“岩手山”をはじめとする雄大な山々を仰ぎ見るまちとして発展してきました。また、東北新幹線の停車駅として交通アクセスが良く

新幹線はやぶさの写真

東京からは最速約2時間10分ほどとアクセスが容易。

さらに、盛岡冷麺やじゃじゃ麺、わんこそばといったご当地麺や地元食材を活かしたグルメが豊富で、食の楽しみも充実。

歴史や文化にふれる観光スポットとあわせて、ゆったりとした時間を過ごせる東北の玄関口として国内外から多くの旅行者を惹きつけています。

岩手県盛岡市の歴史と文化の背景とは

盛岡市の歴史を遡ると、江戸時代に南部氏(盛岡藩)の城下町として発展したのが大きな転機となります。

現在の盛岡城跡公園(岩手公園)に当たる場所に盛岡城が築かれ、城下町が形成されることで政治・経済・文化の中心地に。

近代になると、明治政府の政策や鉄道の敷設によって流通がさらに活性化し、東北地方を支える都市へと成長を続けました。

南部鉄器の写真

一方で、繊細な技術が求められる鋳物(南部鉄器)や漆器(秀衡塗)などの伝統工芸が古くから盛んに行われ、これらのものづくり文化や南部藩の武家文化が今も残されています。

町中には古い商家や武家屋敷が点在し、中心市街地には近代以降の洋風建築や老舗喫茶などが混在する、独特の風情をたたえた街並みが魅力です。

岩手県盛岡市の主な観光スポットとは?

盛岡城跡公園の写真

盛岡城跡公園(岩手公園)と城下町散策

盛岡観光の代表的スポットが、盛岡城跡公園(岩手公園)です。

南部氏が築いた盛岡城の石垣や櫓台が残り、園内は四季折々の花や緑が美しい都市公園として整備されています。春には桜が咲き誇り、秋には紅葉が彩りを添えるなど、シーズンごとに異なる風景が楽しめます。

公園周辺や中津川沿いには、武家屋敷の面影を感じる小径や老舗料亭、明治以降に建てられた洋風建築物などが点在。

町歩きしながら、地元のカフェでくつろいだり、工芸品店や和菓子店でショッピングを楽しむのも良いでしょう。

石割桜の写真

石割桜・旧盛岡銀行本店(岩手銀行赤レンガ館)

市内中心部にある「盛岡地方裁判所」の敷地内には、天然記念物に指定されるほど有名な「石割桜」があります。巨大な花崗岩を割って根を張るエドヒガン桜で、春になると石から咲くように見える姿が見事。

岩手銀行赤レンガ館の写真

また、裁判所から徒歩圏内には、1911年(明治44年)に建てられた「旧盛岡銀行本店」(通称:岩手銀行赤レンガ館)という洋風建築が残っています。

赤レンガと白い石のコントラストが映えるこの建物は、辰野金吾の流れをくむ設計が特徴。内部は見学が可能で、銀行の金庫室や歴史資料が展示されており、レトロな雰囲気に包まれながら盛岡の近代史を体感できます。

中津川の写真

中津川・開運橋散策

盛岡市街を流れる中津川は、清流として知られ、川沿いには遊歩道が整備されています。市街地にいながらホタルや鮎が見られるほど自然環境が守られており、散策コースとして市民や観光客に親しまれています。

特に開運橋(かいうんばし)付近からの眺めは開放的で、天気が良ければ岩手山や盛岡城跡公園方面を一望可能。川沿いには桜並木もあり、春の開花時期には花見スポットとしても賑わいます。

盛岡手作り村の写真

手づくり村・南部鉄器工房

盛岡の伝統工芸を体感したい方には、「手づくり村」や市内の工房を訪ねるのがおすすめ。染め物や南部鉄器、漆器などの制作工程を見学・体験できる施設があり、自分だけの一品を作ることも可能。特に南部鉄器は歴史が深く、キッチンウェアとして海外でも高い評価を受けています。

好みのデザインの急須やフライパンを購入し、使い込むほど味わいが増す“本物の工芸品”を手にすることで、盛岡のものづくりの魂に触れることができます。

盛岡手作り村
https://tezukurimura.com

岩手県盛岡市の地元グルメ・特産品とは?

三大麺(わんこそば・盛岡冷麺・盛岡じゃじゃ麺)

盛岡を代表するグルメとして挙げられるのが“三大麺”です。

わんこそばの写真

わんこそば:小さな椀にそばが次々と注がれ、「はい、じゃんじゃん!」という掛け声とともに何杯食べられるか挑戦する楽しさが特徴。

冷麺の写真

盛岡冷麺:牛骨や鶏ガラベースのあっさりスープに、コシのある麺とキムチ・フルーツ・茹で卵などが盛り付けられた爽やかな麺料理。

盛岡じゃじゃ麺の写真

盛岡じゃじゃ麺:中華麺に特製肉味噌、きゅうりなどを混ぜ合わせて食べるジャージャー麺風の一品。最後に卵スープを作って飲む締め方も盛岡流。

市内の食堂や専門店、老舗店で味わうことができるため、麺好きならハシゴして三種類を制覇するのも楽しみ方のひとつ。

南部せんべいの写真

南部せんべい・お菓子

盛岡周辺では、伝統的な「南部せんべい」が名物お菓子として広く愛されています。小麦粉やゴマ、落花生などを生地に練り込んで丸く焼き上げたシンプルながら香ばしい一品。

種類も多様化しており、厚焼きタイプやバター味、チョコレートコーティングなど新しいアレンジも登場。ま

た、地元パティスリーが手がけるりんごを使ったケーキやロールケーキ、和洋菓子なども人気で、お土産やティータイムに重宝します。

岩手県盛岡市の祭り・イベント情報とは?

さんか踊りの写真

盛岡さんさ踊り

毎年8月上旬に開催される「盛岡さんさ踊り」は、勇壮華麗な太鼓や笛のリズムに乗せて、大勢の踊り手が市内中心部をパレードする夏祭りです。

3日間にわたり太鼓の連続演奏のギネス記録が認められるほど、圧巻の大人数が繰り出す太鼓と華やかな衣装が街を染め上げます。観光客の飛び入り参加も可能な場合が多く、和太鼓のリズムとともに盛岡の真夏の夜を楽しめる一大イベントです。

チャグチャグ馬コの写真

チャグチャグ馬コ

初夏の風物詩「チャグチャグ馬コ」は、五穀豊穣を祈願して装飾を施した馬が数十頭連なり、滝沢市の鬼越蒼前神社から盛岡市中心部の盛岡八幡宮まで行進する行事。

カラフルな装束や鈴の音が響き、“チャグチャグ”という音を由来とする名が示すように、音と色彩に溢れた伝統行事です。市内を通過する際には多くの観客が写真撮影や声援を送る光景が見られます。

岩手県盛岡市へのアクセス・交通手段とは?

JR盛岡駅の写真

公共交通機関

新幹線:東京駅から東北新幹線で盛岡駅まで最速約2時間10分。

飛行機:羽田・伊丹・札幌など主要空港から「いわて花巻空港」へ。空港から盛岡駅まで連絡バスで約50分。

バス:東京・仙台などから夜行・高速バスが運行されている。

自家用車・レンタカー

東北自動車道「盛岡IC」から市街地へ約10〜15分。市中心部は駐車場が整っているが、祭りやイベント時には混雑が予想されるため早めの行動がおすすめ。

岩手県盛岡市観光のモデルコース・回り方とは?

【1日コース】市内散策とグルメを満喫

  1. 午前:新幹線で盛岡駅到着後、駅周辺のコインロッカーに荷物を預け、まずは盛岡城跡公園へ徒歩またはバスで移動。天守台や石垣を見学しつつ、季節の花や紅葉を楽しむ。
  2. 昼食:公園周辺や中津川沿いの食事処で、盛岡三大麺(わんこそば・盛岡冷麺・盛岡じゃじゃ麺)からお好みの一品をチョイス。
  3. 午後:石割桜や岩手銀行赤レンガ館を巡り、レトロな建築を見学。時間があれば手づくり村や南部鉄器工房を訪問し、伝統工芸を体験するのも◎。
  4. 夕方以降:盛岡駅周辺に戻り、居酒屋や郷土料理店で地元の日本酒・名物料理を堪能。夜行バスや新幹線で帰路につくか、ホテルに宿泊して翌朝の散策を楽しむ。

【2日コース】祭り&自然も味わう欲張りプラン

  1. 1日目(午前):新幹線で盛岡駅へ。ホテルに荷物を預け、「盛岡さんさ踊り」(8月上旬開催)など祭りシーズンであれば昼間のステージイベントや市街地の様子をチェック。
  2. 1日目(午後):駅周辺でわんこそば挑戦。午後はバスまたは車で手づくり村か岩手公園周辺を散策し、夕方から夜にかけての祭り本番を楽しむ。
  3. 1日目(夜):祭りの余韻を感じながら温泉宿やシティホテルに宿泊。
  4. 2日目(午前):早起きして市街地の静かな雰囲気を散歩。石割桜や城下町の風情を満喫し、カフェでモーニング。
  5. 2日目(午後):レンタカーなどで滝沢方面・鬼越蒼前神社付近へ足を伸ばすと、チャグチャグ馬コのルートを少し感じられるかも。夕方には盛岡駅へ戻り、新幹線で帰路へ。

岩手県盛岡市観光ガイド:自然と歴史、美食が彩る“杜と水の都”のまとめ

岩手県盛岡市は、「桜と城、歴史と文化」「三大麺を筆頭とした食の楽しみ」「豊かな自然環境」が三位一体となった奥深い魅力を持つ都市です。石割桜、南部鉄器、祭りや郷土料理など、ここでしか味わえない体験が満載。

東京から新幹線で約2時間程度というアクセスの良さも手伝い、日帰りや週末トリップでも充実した時間が過ごせるのが大きな魅力。

タイトルとURLをコピーしました