
神戸市兵庫区は、港町として発展してきた歴史を背景に、新鮮な食材が集まる市場文化が根付いたエリアです。なかでも「神戸市中央卸売市場本場」は、市民や観光客にも人気の市場で、早朝から活気にあふれています。海の幸や地元食材を扱う店舗を巡りながら市場グルメを味わえば、神戸の食文化を体感できるでしょう。今回は、兵庫区で楽しむ市場めぐりとして、中央卸売市場と地元グルメをご紹介します。
神戸市兵庫区ってどんなところ?
兵庫区の市場とその周辺は、一日の時間帯によって異なる風情を映し出します。朝の活気、昼のにぎわい、夕刻の余韻、夜の静けさ、それぞれが市場文化に味わいを加えます。
- 早朝:中央卸売市場本場では、業者や仕入れ客がせわしく行き交い、せりの声や市場特有の活気に満ちています。鮮魚や青果が並び始める場面は、まさに「食の息吹」を感じさせます。一般客にも人気の海鮮丼や寿司店が営業を始める時間帯で、地元の生活感あふれる朝食体験にも最適です。
- 昼間:商店街(湊川商店街や東山商店街)は揚げたてコロッケや焼き鳥、惣菜店の匂いが漂い、買い物や食べ歩きが楽しい時間帯です。市場グルメとセットで巡ると充実感が高まります。
- 夕方:日が傾き始める頃には、淡い光の中で和田岬や港町の風景が趣深く映えます。市場を後にして歴史スポット(兵庫大仏、湊川神社など)へ静かに足を伸ばすのも、しっとりした楽しみ方です。
- 夜:夜の市場周辺は静けさが戻り、街灯に照らされた商店街、境内がライトアップされた神社などが近隣にあり、夜の散策にも趣があります。市場とはまた違った“下町の夜の顔”を感じられます。

兵庫区は神戸市の西部に位置し、港湾施設や工業エリアとともに、市場や下町情緒を感じられる商店街が点在しています。漁港に近い立地から、古くから新鮮な魚介が集まり、食文化が発展してきました。市場を中心にした生活の営みは今も健在で、観光客にとっても「神戸の食の台所」を感じられる魅力的なスポットです。
文化・体験に触れるスポット
地域の文化や歴史に触れながら、食文化との関わりを感じられるスポットも多数あります。
- 兵庫大仏(能福寺):市場からも程近い能福寺にある兵庫大仏は、重厚な存在感があり、港町・兵庫区の歴史深さを象徴します。散策途中の立ち寄りにおすすめ。
- 湊川神社:楠木正成を祀る神社として、地元では長く親しまれています。市場散策の後、歴史と信仰の側面にも目を向ける散策ルートとして人気です。
- 和田岬の港町風景:古くからの漁港エリアで、岸壁や倉庫、漁船など、港町の趣ある風景が残されています。写真愛好家にも好まれる風情あるスポットです。
- 地元商店体験:湊川商店街・東山商店街では、鮮魚・青果・惣菜などの店舗を巡って店主との会話や買い物を楽しむ、「暮らしの体験」もまた魅力です。揚げ物から焼き鳥、手作り総菜まで多彩な味に出会えます。
中央卸売市場の魅力

神戸市中央卸売市場本場は、1937年に開設された歴史ある市場です。水産物や青果、精肉など幅広い食材が集まり、卸売業者だけでなく一般客も利用できます。
場内には鮮魚店や八百屋が並び、旬の食材が所狭しと並ぶ様子は圧巻。観光客にも人気で、朝から買い物を楽しむ人々の姿でにぎわいます。特に水産物の品揃えは豊富で、明石や瀬戸内から揚がる新鮮な魚介類を手に入れることができます。
市場で味わうグルメ体験
中央卸売市場を訪れたら、場内や周辺の食堂で新鮮な市場グルメを味わえます。早朝から営業する店も多く、散策の合間に立ち寄るのに最適です。

寿司や海鮮丼
市場直送の魚介を使った寿司や海鮮丼は、新鮮さとボリュームで満足度抜群。朝ごはんとして楽しむ人も多く、観光客に人気のメニューです。

天ぷらや煮魚
旬の魚を使った天ぷらや煮魚の定食は、素材の旨みを引き立てる一品。市場ならではのリーズナブルな価格で楽しめるのも魅力です。

うどん・ラーメン
昔ながらのうどんやラーメンも人気。市場関係者に長年愛されてきた庶民的な味わいは、どこか懐かしさを感じさせてくれます。
下町情緒を感じる商店街めぐり
兵庫区には、市場と並んで庶民の食文化を支える商店街が数多く残っています。地元の雰囲気を感じられるのも魅力です。

湊川商店街
昔ながらの商店や惣菜店が軒を連ねるエリア。揚げたてのコロッケや焼き鳥を頬張りながら歩く「食べ歩き」が楽しめます。

東山商店街
鮮魚店や八百屋が多く並び、安くて新鮮な食材が揃う場所。地元の人に混じって買い物を体験すれば、暮らしの一部を垣間見ることができます。
自然と歴史を感じる散策ルート
市場→商店街→歴史スポットをつなぐルートは、食・歴史・風景を同時に楽しめる散策に最適です。
- ルート例:
- 中央卸売市場 朝の活気を体感
- 湊川商店街・東山商店街 食べ歩き&買い物
- 兵庫大仏(能福寺) 歴史の風格を味わう
- 湊川神社 信仰と歴史に触れる参拝
- 和田岬 港町の風景と暁の情景を眺望
このように循環的に歩くと、兵庫区の複合的な魅力(食・歴史・港町らしさ)を深く感じられます。
季節ごとの市場の楽しみ方

市場は季節ごとに並ぶ食材が変わるのも魅力です。
• 春:桜鯛や筍など、旬の魚介や山菜が豊富。
• 夏:アナゴや鱧、夏野菜を使った料理が人気。
• 秋:松茸やサンマなど、食欲の秋にふさわしい味覚。
• 冬:フグやカニなど高級食材も登場し、鍋料理に最適。
訪れる時期によって異なる味覚を楽しめるため、何度訪れても新しい発見があります。
市場と合わせて訪れたい観光スポット
市場巡りとセットで、兵庫区ならではの観光スポットを訪れれば旅の満足度がさらに高まります。

和田岬の港町風景
古くからの漁港の面影を残すエリアで、海辺を散策すれば港町らしい景観を楽しめます。

兵庫大仏(能福寺)
日本三大大仏のひとつに数えられる存在感ある仏像。市場からも近く、歴史を感じられる人気スポットです。

湊川神社
楠木正成を祀る歴史ある神社で、地元の人々に親しまれる参拝スポット。市場散策と合わせて訪れると歴史文化も体感できます。
アクセスと便利情報

神戸市中央卸売市場へはJR兵庫駅から徒歩約10分。三宮や元町からも電車で15分程度とアクセス良好です。場内は午前中が特に活気にあふれており、早い時間に訪れるのがおすすめ。買い物をした食材を持ち帰る観光客も多いため、保冷バッグを準備すると便利です。
モデルコース提案

・日帰りプラン
午前に中央卸売市場を訪れ、鮮魚や青果を見ながら買い物と食事を楽しむ。午後は湊川商店街で食べ歩きをし、最後に兵庫大仏や湊川神社に立ち寄って帰路へ。
・1泊2日プラン
1日目は市場と商店街めぐりを中心に、夜は神戸市街で港町グルメを堪能。2日目は和田岬の港や神社を訪れ、地域の歴史と文化を体感。
モデルコース:市場グルメと歴史巡りお散歩プラン
日帰りプラン(一例)
- 午前:中央卸売市場を訪れ、寿司/海鮮丼/天ぷらなどで朝食。市場の雰囲気と活気を楽しみながら買い物も。
- 午前後半:湊川商店街で惣菜や焼き鳥の食べ歩き。地元の味を気軽に満喫。
- 昼頃:東山商店街で野菜や魚介の買い物をしつつ、食材の鮮度にも触れる。
- 午後:能福寺(兵庫大仏)へ移動。参拝と落ち着いた庭園や回廊を散策。
- 遅めの午後:湊川神社で歴史と地域の文化に触れる参拝。境内に漂う静けさが心地よい。
- 夕方:和田岬へ足を延ばして港町の情景をのんびり散策。海風と建物の景観が調和する時間帯。
- 夜:神戸中心部で港湾の夜景を眺めつつ、地元グルメ(居酒屋やレストラン)で締めくくる。
1泊2日プランの場合
1日目は市場と商店街を中心に食文化を満喫。夕方~夜は港の灯りを楽しみつつ、宿泊。
2日目は和田岬周辺をゆったり散策し、神戸らしい海辺文化を味わいながら帰路へ。
まとめ

神戸市兵庫区は、中央卸売市場を中心に市場文化と地元グルメを体感できるエリアです。新鮮な食材や市場グルメを味わい、商店街や歴史スポットを巡れば、港町神戸の食と文化を一度に楽しめます。アクセスの良さも魅力で、日帰りでも気軽に訪れられる市場旅としておすすめです。