北海道釧路市観光ガイド:霧の港と湿原が彩る、“道東の玄関口”を満喫

釧路湿原の写真 北海道

釧路市ってどんな街?

北海道釧路市(くしろし)は、道東地域の太平洋側に位置する港湾都市で、海と大地の恵みを活かした産業と独自の文化が発展してきました。

霧の釧路市の写真

海霧が発生しやすい気候から「霧の町」と呼ばれることも多く、港周辺に立ちこめる幻想的な霧の風景はこの街ならではの光景。

港町として長年にわたり漁業・製紙業が栄え、市内中心部には歴史的建造物や魚介を楽しめる飲食店が数多く点在しています。

    また、釧路市といえば日本最大の湿原である「釧路湿原」の存在を忘れてはなりません。

    ラムサール条約にも登録されている大自然の宝庫で、丹頂鶴をはじめとする希少な動植物の生息地として世界的にも注目されています。

    観光客にとっては「道東の玄関口」とも呼ばれる都市でありながら、近郊には国立公園や温泉地も多く、四季を通じて多彩な旅の魅力を味わえるエリアです。

    釧路市の歴史と文化の背景とは?

    釧路市の歴史をさかのぼると、先住民族のアイヌの人々が太古からこの地で狩猟・漁労・交易を行っていました。

    明治以降は本州からの移住者による開拓が進み、特に昭和初期にかけては漁業や製紙業を中心とした産業都市として急速に発展。漁港周辺には加工場や市場が立ち並び、新鮮な魚介類が全国各地へ出荷されるようになりました。

      一方で、釧路湿原をはじめとする豊かな自然環境は、この地域の風土と人々の暮らしに深く根付いています。

      古くはアイヌ文化と結びつき、自然崇拝や動植物との共生などが重要な要素とされていました。現代でも、丹頂鶴の保護活動や湿原の保全プロジェクトなどが積極的に行われており、人と自然が調和する独特のまちづくりが特徴です。

      釧路市の主な観光スポットとは?

      釧路湿原の写真

      釧路湿原国立公園

      釧路観光のハイライトともいえる「釧路湿原国立公園」は、日本最大の湿原エリアとして知られています。

      広大な原野と蛇行する川、ヨシ原や沼地、そして多様な動植物が織りなす生態系は圧巻の一言。JR釧路駅からほど近い場所にもビジターセンターや展望台が設置されており、車やバスで各展望スポットを巡るのが一般的です。

        細岡展望台(ほそおかてんぼうだい):別名「サテライト展望台」とも。湿原を一望できるビューポイントで、沈む夕日や早朝の霧に包まれた風景が美しい。

        釧路湿原ノロッコ号:夏季限定で運行する観光列車。車窓から湿原のパノラマを楽しむことができ、地元スイーツの車内販売なども評判。

        カヌー体験:釧路川をゆったり下るカヌーツアーは、水面に近い目線で自然を満喫できる人気アクティビティ。

        フィッシャーマンズワーフの写真

        和商市場(わこういちば)・釧路フィッシャーマンズワーフMOO

        釧路港で水揚げされる魚介類を中心に、道東ならではの新鮮食材が集まる「和商市場」は、市民や観光客に長く愛される台所的存在です。

        名物は、好きな海鮮を自分で盛り付ける「勝手丼」。白飯を購入し、各店舗の刺身コーナーを巡りながらお好みの魚介をトッピングして、自分だけの海鮮丼をつくるスタイルが人気を博しています。

        また、和商市場のすぐ近くにある「釧路フィッシャーマンズワーフMOO」は、レストランや土産物店が入る複合施設。

        夜になるとライトアップされ、港町らしいロマンチックな夜景を楽しむことができます。2階にはビアレストランやバーカウンターもあり、観光客だけでなく地元民の憩いの場としても活用されています。

        幣舞橋の写真

        幣舞橋(ぬさまいばし)と夕日

        釧路の市街地を横断する釧路川に架かる「幣舞橋(ぬさまいばし)」は、日本の夕陽百選にも選ばれる絶景スポットです。

        橋の欄干には有名彫刻家による「四季の像」が配置され、夕日に染まる姿は旅のフォトジェニックなポイントとして人気。

        幣舞橋周辺には公園やカフェ、ホテルなどが立ち並び、夕暮れ時には多くの人が足を運びます。散歩がてら橋を渡り、港の方向を眺めながら絶景タイムを過ごすのもおすすめです。

        釧路市の地元グルメ・特産品とは?

        和商市場の写真

        釧路市は北海道内でも屈指の魚介の街。サンマや秋サケ、ホッケ、イワシなど、季節ごとに多彩な海の幸が食卓を彩ります。

        道東ならではの郷土料理としては「さんまんま」(サンマとご飯を巻いた食べやすいおにぎり風)や、魚のすり身を使った「たんたん鍋」などが挙げられます。

          また、炭火焼きにこだわった居酒屋が多く、ホッケの開きやイカの一夜干しなどのシンプルなメニューでも抜群の旨味が楽しめるのが釧路流。

          さらに、鮮度抜群の刺身や寿司も人気で、特にカンパチやヒラメ、カレイなどの白身魚が絶品です。和商市場だけでなく、市内の小さな食堂や居酒屋でもリーズナブルに地魚を堪能できるのが釧路の嬉しいポイント。

          食事のシメには「釧路ラーメン」も外せません。細ちぢれ麺にあっさりとしたスープが特徴で、地元民には深く愛されています。

          また忘れちゃいけないのが「スパカツ」です。釧路スパカツは、北海道釧路市の洋食店「レストラン泉屋」が発祥です。1960年に創業した老舗洋食店で、釧路のソウルフードとして知られています。

          釧路市の祭り・イベント情報とは?

          釧路市では四季を通じて多彩なイベントが開催され、地域の伝統と現代のエンターテインメントが融合した独自の祭りが楽しめます。

          代表的なのが、冬季に行われる「釧路氷まつり」。雪像や氷像が並ぶメイン会場ではライトアップや音楽イベントが行われ、寒い冬に幻想的な雰囲気を醸し出します。

            夏には「釧路港まつり」や「霧フェスティバル」が開かれ、パレードや花火大会、ステージパフォーマンスなどで大いに盛り上がります。

            霧フェスティバルでは、海霧をテーマにした幻想的な光と音の演出が展開され、来場者を神秘的な世界へと誘います。秋にはサケの遡上シーズンに合わせた「釧路サンマ祭り」など、旬の魚を味わうグルメイベントも見逃せません。

            釧路市へのアクセス・交通手段とは?

            JR釧路駅の写真

            公共交通機関

            釧路市への玄関口は「たんちょう釧路空港」で、東京(羽田)や名古屋(中部)、大阪(伊丹)など各地からの直行便が就航しています。空港から市街地へは車やバスで約30分〜40分ほど。

            JRを利用する場合は、札幌駅から特急「スーパーおおぞら」で約4時間、帯広駅からは約1時間半で釧路駅に到着します。

              市内や近郊の観光スポットを巡る際は、路線バスやタクシーを活用しますが、広範囲を効率的に巡るならレンタカーが便利。釧路湿原や阿寒湖方面などの郊外観光地へも自由度が高まり、時間の節約になります。

              自家用車・レンタカー

              道東の観光を広範囲に楽しむ場合は、レンタカーの利用が一層おすすめ。釧路空港やJR釧路駅周辺にはレンタカー店が集中しており、そこで車を借りてから釧路湿原や阿寒湖、さらには根室・中標津方面なども気軽にドライブするプランが立てられます。

              ただし、冬季の路面凍結や降雪は運転の大きなリスクとなるため、スタッドレスタイヤ装着や運転に十分慣れた方の同伴が望ましいでしょう。

              釧路市のモデルコース・回り方とは?

              【1日コース】釧路湿原と港町グルメを満喫

                午前:JR釧路駅または釧路空港からレンタカーもしくはバスで「釧路湿原国立公園」へ。細岡展望台で湿原パノラマを堪能し、「釧路湿原ノロッコ号」に乗車するのもおすすめ。

                昼食:市街地に戻り、「和商市場」で勝手丼を作ってお腹を満たす。新鮮魚介たっぷりのオリジナル丼を楽しもう。

                午後:幣舞橋を散策し、港町の風情を感じる。釧路フィッシャーマンズワーフMOOを訪れ、ショッピングやカフェタイムを楽しむ。

                夕方〜夜:幣舞橋付近で夕日を眺める。夜は居酒屋で海鮮料理や炭火焼きを堪能し、ロマンチックな港の雰囲気に包まれながら宿へ。

                【2日コース】釧路・阿寒湖欲張りプラン

                1日目(午前):釧路空港着後、レンタカーを借りて市内観光へ。まずは「釧路湿原」でカヌーツアーを体験し、大自然をアクティブに満喫。

                1日目(午後):和商市場で昼食をとった後、幣舞橋周辺やフィッシャーマンズワーフMOOを散策。夕日を見届けたら、夜は炭火居酒屋や寿司店でグルメを堪能し、釧路市内に宿泊。

                2日目(午前):早朝に阿寒湖方面へドライブ。マリモ展示観察センターを見学し、遊覧船やカヌーで湖の美しさを味わう。

                2日目(午後):阿寒湖温泉街で昼食(アイヌコタンで伝統料理をいただくのも◎)を済ませ、アイヌ工芸品や土産物をチェック。温泉でひと息ついたら空港または釧路市街へ戻り、旅を締めくくる。

                北海道釧路市観光ガイド:霧の港と湿原が彩る、“道東の玄関口”を満喫のまとめ

                釧路市は、“霧の港町”と“湿原の大自然”という2つの大きな魅力を兼ね備えた道東の中心地です。漁港を活かした新鮮魚介グルメや、広大な湿原と丹頂鶴に代表される豊かな生態系が、どの季節でも訪れる人を魅了してやみません。

                市内観光とあわせて、阿寒湖や摩周湖、さらには知床方面へのアクセスもしやすいため、道東観光の拠点として利用するのも賢い選択肢でしょう。

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