白石区ってどんな街?
札幌市白石区(しろいしく)は、札幌市のほぼ東部に位置する行政区で、歴史ある地名と住宅街の落ち着いた雰囲気が魅力です。
市内では比較的人口の多い区のひとつで、JRや地下鉄、主要道路が通り交通の便が良いため、ベッドタウンとして発展してきました。
近年は、白石区独自のローカル文化や自然を取り入れた暮らしやすさが見直され、移住や観光の拠点として注目を集めています。

※写真は仙台藩白石城
区名の「白石」は、江戸時代に仙台藩(現・宮城県)から派遣された移住開拓者が故郷を偲んで名づけたとされる説が有力です。
漢字の響きから「白い石」が多かった土地だと誤解されることもありますが、実際には東北地方の地名を受け継いだものと言われています。
鉄道や幹線道路が整備されるにつれて市街地が広がり、現在では住宅街を中心に公園や学校、商業施設が点在するファミリー向けエリアとして知られています。
観光地としては、札幌中心部や小樽、富良野などの“有名どころ”ほどの派手さはありませんが、桜並木が美しい川沿いのサイクリングロードや、多目的スポーツ施設のある公園、小さなカフェやラーメン店など“地元感”あふれるスポットが密かに人気。
都市の喧騒から少し離れたところで、のんびり過ごしたい人におすすめのエリアです。
札幌市白石区の歴史と文化の背景とは?
白石区のルーツを遡ると、明治期に開拓使の政策により、東北地方からの移民がこの地に入植したことが始まりといわれています。
地名の由来は前述のとおり仙台藩にゆかりがあり、古くは「白石村」と呼ばれていました。
屯田兵制度や鉄道の発展に伴って農村から市街地へと変化を遂げ、戦後は札幌都市圏の急成長とともに住宅街が広がっていった歴史があります。
区内には神社や寺院が点在し、地域の方々によって守り継がれている伝統行事も少なくありません。
また、かつては工場や倉庫などの産業施設が多かったエリアも再開発が進み、倉庫をリノベーションしたギャラリーや地元向けのイベントスペースが誕生する動きも見られます。
こうした“古き良き時代の面影”と“新たな都市開発”がバランスよく混在している点が白石区の特徴であり、訪れる人にとっては新鮮な発見があるでしょう。
札幌市白石区の主な観光スポットとは?

白石サイクリングロード
白石区の代表的な景観スポットとしてぜひ訪れてほしいのが、旧国鉄の廃線跡を利用して整備された「白石サイクリングロード」です。
正式には「札幌市白石こころーど」という愛称で呼ばれ、区内を南北に貫くように走っています。周辺は歩道や自転車専用道として整備されており、季節の花や並木の景色を楽しみながら散歩やランニング、サイクリングを満喫することができます。
春には桜が咲き誇り、地域の人々が花見を楽しむ姿も。桜のトンネルをくぐり抜けるようなルートはSNS映えも抜群で、ローカルの方だけでなく隣接区から訪れる人も多いスポットです。
沿道には子ども向けの遊具やベンチスペースが点在し、お弁当を持参してのんびり過ごすのもおすすめ。街中の大通公園や円山公園とはまた違った、落ち着いたお花見が楽しめます。

白石区役所周辺エリア
観光というとやや地味な印象かもしれませんが、地下鉄東西線「白石駅」周辺には、区民ホールや図書館が集まる複合施設があり、地元カルチャーに触れられる小さなイベントや展示が開かれることがあります。
白石区役所が隣接する「複合庁舎」周辺では、季節ごとのロビー展示やフリーマーケット、地域おこしの催しが開催されることも。
タイミングが合えば、地元ならではの手作り市や子ども向けワークショップを楽しめるかもしれません。

川下公園
川下公園(かわしもこうえん)は、北海道札幌市白石区にある総合公園で、特に初夏に咲くライラックの名所として知られています。
園内には約200種以上、1,700本を超えるライラックが植えられており、「ライラックの森」ではその多彩な花々を楽しめます。
遊具広場やパークゴルフ場、テニスコート、野球場といったスポーツ施設のほか、屋内の「リラックスプラザ」では温水プールや浴室も完備。
自然の中で四季を感じながら、子どもから高齢者まで幅広い世代が楽しめる、札幌市民に親しまれる憩いの場となっています。

白石神社
白石駅やJR白石駅から少し離れた住宅街の一角にある「白石神社」は、区名にも通じる「白石」ゆかりの神社です。
明治初期に創建され、地域の人々の信仰を集めてきました。
境内はこぢんまりとしているものの、四季折々の風情が感じられ、初詣や夏祭り、七五三など地元ならではの行事が行われています。
大規模観光地の神社とは違い、静かで穏やかな空気が流れるため、観光の合間に立ち寄って一息つくのにも最適です。
札幌市白石区の地元グルメ・特産品とは?

白石区は商業地というより住宅地のイメージが強いため、大型商業施設や観光地化した飲食店は少なめです。
しかし、それゆえに地元密着のラーメン店やカフェ、ベーカリーなどが点在し、隠れた名店を発見する楽しみがあります。
昔ながらの味噌ラーメンの老舗から、こだわりのスープが人気を博す新進気鋭の店まで、札幌ラーメン文化が息づくエリアでもあるのです。
また、小さいながらも個性的なカフェや和菓子店、パン屋さんなどもあり、住宅街に溶け込むように営業しています。
散策がてら見つけた店で、地元でしか味わえないスイーツや惣菜パンを味わうのは、観光雑誌にはあまり載っていない“通”な楽しみ方。
テイクアウトしたグルメをサイクリングロード沿いのベンチや公園でのんびり食べれば、ちょっとしたピクニック気分も味わえます。
札幌市白石区の祭り・イベント情報とは?
白石区には、大きく全国的に知られるような祭りはないものの、地域密着型のイベントや町内会の夏祭りが充実しています。
とりわけ「白石区ふるさとまつり」や各種地域のお祭りでは、屋台や盆踊りが行われ、地元の子どもから大人まで一緒に楽しむ姿が見られます。
観光客にはあまり馴染みがないかもしれませんが、そういった行事に参加すれば、札幌市民の日常を体感できるはずです。
また、冬になると雪にちなんだイベントが開かれることもあります。
近隣の豊平川や厚別川の河川敷、公共施設ではスノーアクティビティや雪像づくり体験会が企画されることもあるため、冬の北海道らしい風景や地域交流を楽しみたい方は、時期に応じて最新情報をチェックしておきましょう。
札幌市白石区へのアクセス・交通手段とは?

公共交通機関
白石区へは、地下鉄東西線「白石駅」またはJR千歳線・函館本線「白石駅」を利用するのが一般的です。
札幌駅からJRで白石駅までは5分程度、地下鉄東西線「大通駅」から白石駅までは10分ほどでアクセス可能。路線バスも多数走っており、区内の各エリアや隣接する厚別区・豊平区・中央区などとの行き来に便利です。
自家用車・レンタカー
市内中心部と白石区を結ぶ主要道路は数多く、特に国道12号線や36号線、米里行啓通(よねさとこうけいどおり)などが走っているため、車での移動は比較的スムーズ。
道央自動車道(札幌ICや大谷地IC)からのアクセスもしやすい立地です。
区内には月極駐車場やコインパーキングの数が多く、ショッピングセンターも大きな駐車場を備えているため、観光の際も目的地近くで駐車スペースに困ることはあまりないでしょう。
札幌市白石区観光のモデルコース・回り方とは?
【半日コース】桜のサイクリングロード散策とカフェ巡り
- 午前:地下鉄東西線「白石駅」で下車。駅周辺のベーカリーやカフェでテイクアウト用のパン・コーヒーを入手。
- 白石サイクリングロード散策:季節が合えば桜や花々を見ながら、のんびりウォーキングやサイクリングを楽しむ。途中にあるベンチや休憩スペースで軽食をとるのも◎。
- 昼食:サイクリングロード沿い、または駅周辺のラーメン店・定食屋で地元の味を堪能。
【1日コース】歴史とスポーツの白石を満喫
- 午前:JR「白石駅」周辺を散策し、住宅街に点在する神社やお寺を訪れて、区の歴史に触れる。タイミングが合えば白石神社へ参拝。
- 昼食:路地裏のラーメン店やカフェを探して、地元グルメを堪能。ベタな観光地にはない“隠れ家的”なお店との出会いを楽しもう。
- 午後:白石公園へ移動し、野球場や多目的コートなどを見学。運動好きな人はバドミントンなどのスポーツ体験もおすすめ(施設予約や空き状況を要確認)。
- 夕方以降:再び駅周辺へ戻り、地元スーパーや商店街でお土産探し。札幌中心部とは一味違うローカルな雰囲気を満喫したら、JRや地下鉄で帰路へ。
札幌市白石区観光ガイド:歴史が息づくまちで、川沿いの桜とローカル文化を満喫のまとめ
札幌市白石区は、観光客が多く押し寄せる“メジャー観光地”ではないものの、ローカルな日常と自然が調和する魅力的なエリアです。
サイクリングロード沿いの桜並木や、公園でスポーツを楽しむ地元民の姿は、忙しい旅の合間に心を和ませてくれます。大きな商業施設や華やかな観光名所ではなく、あえて地域の小さなお店や行事に触れることで、札幌市内の“リアルな暮らし”を感じる旅ができるでしょう。