札幌市東区観光ガイド:広大な公園と産業の歴史を体感できるまち

モエレ沼公園の写真 北海道

札幌市東区ってどんな街?

札幌市東区(ひがしく)は、市の東側に位置する行政区で、広大な面積と豊かな自然資源、さらに産業史を物語るスポットが融合した魅力あふれるエリアです。

札幌市を構成する10区の中でも比較的人口が多く、住宅街を中心に商業施設やオフィスエリア、工場地帯など多彩な顔を持っています。

札幌駅や大通駅といった中心部から地下鉄・バスでアクセスしやすい一方、郊外には大きな公園や農業体験施設も点在しており、「都市の利便性」と「緑豊かな空間」を同時に味わえるのが東区の魅力です。

区名の由来は文字通り「札幌の東側に位置する区」であること。明治時代以降、ここには多数の工場が進出し、札幌の産業発展を支えてきた歴史があります。

特にビールや食品関連の施設は今も多く、中でも「サッポロビール」の歴史を今に伝える建造物は、観光客のみならず地元民にとっても“東区のシンボル”的存在となっています。

また、近年は大規模再開発も進み、ショッピングモールやニュータウンのような住宅街も誕生。

札幌都心にほど近い利便性を持ちながら、少し足を伸ばせば「モエレ沼公園」や「サッポロさとらんど」といった大型レジャースポットにアクセスできる点が魅力です。

札幌市東区の歴史と文化の背景とは?

東区の歴史を語るうえで欠かせないのが、「札幌の産業発祥の地」であるという側面です。

開拓使時代、札幌の東部地域は豊平川や創成川、伏籠川(ふしこがわ)といった川に囲まれ、水運や農耕地としてのポテンシャルが高い地域でした。

明治・大正にかけては、北海道の玄関口である小樽や苫小牧方面から資材や原料を運び入れ、製造・加工する工場が次々と設立されます。

サッポロビール工場の写真

なかでもビールの醸造は北海道の寒冷な気候や良質な水源が活かされ、今では国内外に知られるブランドへと成長しました。

また、東区には古い神社や寺院、住宅地のなかに残る商店街など、昔ながらの地域コミュニティが息づく場所も少なくありません。

農業を営む地域も一部に残っており、夏の時期には直売所で採れたての野菜を買うことも可能です。こうした「都市」と「農村」がほどよい距離感で共存している点こそ、東区ならではの魅力といえるでしょう。

札幌市東区の主な観光スポットとは?

サッポロビール博物館の写真

サッポロビール博物館とサッポロビール園

東区を代表する観光名所といえば、まず思い浮かぶのが「サッポロビール博物館」です。

明治時代にレンガ造りで建設された醸造所の建物を活用しており、国の登録有形文化財にも指定されています。

館内ではサッポロビールの歴史や製造工程がわかりやすく展示されているほか、ビールの試飲コーナー(有料)もあるため、ビール好きにはたまらないスポット。

併設の「サッポロビール園」では、開放的なホールでジンギスカンや生ビールを楽しめます。北海道旅行の王道グルメを味わえることから、国内外の観光客で常に賑わう人気スポットです。

モエレ沼公園の写真

モエレ沼公園

世界的に有名な彫刻家イサム・ノグチ氏の設計によって造られた芸術性豊かな公園です。

広大な敷地内には「ガラスのピラミッド」や「モエレ山」、「海の噴水」といった特徴的な施設が点在し、それぞれが一体となって巨大な彫刻作品を形成しているというユニークなコンセプトを持っています。

季節ごとに異なるイベントや展覧会が開催されるほか、サイクリングやピクニックなどのアクティビティも楽しめます。

園内はとても広いので、時間に余裕を持って訪れることをおすすめします。周辺には無料駐車場が複数あり、レンタカーでのアクセスも便利です。

さとらんどの写真

サッポロさとらんど

「農と食」「自然体験」をテーマにした交流型施設が「サッポロさとらんど」です。

モエレ沼公園のすぐ近くに位置し、広大な農地や体験型施設、屋外遊具、バーベキューコーナーなどが整備されています。夏季には野菜の収穫体験や乗馬などのプログラムが行われ、子ども連れの家族には特に人気。

冬季には雪遊びのイベントやスノーモービル体験など、北海道らしいアクティビティを楽しめます。施設内には地元農家直送の新鮮野菜や乳製品などが販売されており、農業王国・北海道を肌で感じられるスポットです。

アリオ札幌周辺エリア

地下鉄東区役所前駅近くには「アリオ札幌」という大型ショッピングモールがあり、映画館や多彩なレストラン、ファッション・雑貨店が揃っています。

すぐ隣には「サッポロビール博物館」があり、観光とショッピングの両方を一度に楽しめるエリアです。休日には家族連れやカップルで賑わい、イベントが開催されることも。公共交通機関の利用もしやすい立地なので、ちょっとした空き時間に立ち寄るのにも便利です。

札幌市東区の地元グルメ・特産品とは?

東区は、ビールや食品関連の産業が盛んなこともあって、食に関するスポットが多彩です。

ジンギスカンの写真

先述のサッポロビール園で味わえるジンギスカンや生ビールはもちろんのこと、区内には道産素材を使ったラーメン店や焼肉店、地元民に愛されるベーカリーやスイーツ店などが点在しています。

また、農業体験施設「サッポロさとらんど」の直売所をはじめ、区内のスーパーやマルシェでは近郊農家の新鮮な野菜や果物を入手できます。

野菜ソムリエが営むカフェや、手づくりジャム・ピクルスを販売する工房などもあるため、“北海道の食”にこだわる方はぜひ探してみてください。

札幌中心部ほど混雑していない分、ローカルなグルメをゆったり堪能できるのが東区の魅力の一つです。

札幌市東区の祭り・イベント情報とは?

モエレ芸術花火大会の写真

北海道芸術花火

札幌市東区のモエレ沼公園で毎年夏に開催される大規模な花火イベントです。

音楽と花火を完全にシンクロさせた「花火エンターテインメント」として知られ、全国から花火師が集結し、1万発以上の花火が夜空を彩ります。イサム・ノグチが設計した独特のランドスケープを背景に、観客は広大な芝生エリアでゆったりと花火を鑑賞できるのが特徴です。

迫力ある演出と芸術性の高い構成で、毎年多くの来場者を魅了しています。札幌の夏を代表するイベントのひとつとして、家族連れやカップル、観光客にも人気です。

また、サッポロさとらんどでは四季折々のイベントが実施され、花火大会やイルミネーション、ファーマーズマーケットなど、多彩な催しを満喫できます。

夏祭りの写真

夏祭り

また札幌市東区の祭りと言えば、「伏古本町サマーフェスティバル」「美香保夏まつり」「新道東夏祭り」など、さまざまな夏まつりが開催されます。

会場となる公園や広場では、盆踊りやステージパフォーマンス、露店などが展開され、地元の方々と観光客が一緒になって楽しめるお祭りです。

イベント内容や開催日程は年ごとに異なる場合があるため、事前に公式サイトやSNSをチェックすると良いでしょう。

札幌市東区へのアクセス・交通手段とは?

地下鉄東区役所前の写真

公共交通機関

札幌駅や大通駅からは、地下鉄東豊線やバス路線を利用して東区内にアクセスするのが一般的です。

特に「栄町駅」や「元町駅」「東区役所前駅」周辺には商業施設や官公庁などが集まっており、最寄りバス停からモエレ沼公園やサッポロさとらんど方面へ向かう路線も充実しています。

また、「苗穂駅」はJR函館本線の駅で、市内中心部とのアクセスが良好。駅から徒歩圏内にサッポロビール博物館やアリオ札幌があるため、観光客にも使い勝手の良いエリアとなっています。

自家用車・レンタカー

レンタカーを利用する場合は、札幌中心部や新千歳空港から高速道路や幹線道路を使ってアクセスできます。

特にモエレ沼公園やサッポロさとらんどは、駐車場が広く用意されているため車での来場も便利。東区内は比較的道路幅が広く走りやすいエリアです。

札幌市東区観光のモデルコース・回り方とは?

【半日コース】ビールの歴史とショッピングを満喫

  1. 午前:JR「苗穂駅」または地下鉄「東区役所前駅」から徒歩で「サッポロビール博物館」へ。醸造の歴史や展示を見学し、希望があれば試飲コーナーも楽しむ。
  2. 昼食:「サッポロビール園」でジンギスカン+生ビールの王道スタイルを堪能。
  3. 午後:お隣の「アリオ札幌」でショッピングや映画を楽しみ、小腹が空いたらフードコートやカフェでひと休み。

【1日コース】自然と食を存分に味わう満足プラン

  1. 午前:レンタカーまたはバスを利用して「モエレ沼公園」へ。ガラスのピラミッドやモエレ山を散策し、芸術的な空間に浸る。
  2. 昼食:園内のカフェレストランを利用、またはお弁当を持参して芝生エリアでピクニック気分を楽しむ。
  3. 午後:「サッポロさとらんど」へ移動し、季節の農業体験やバーベキュー、冬なら雪遊びを満喫。
  4. 夕方以降:地下鉄やJRで苗穂駅や札幌駅へ戻り、ホテル周辺でディナー。体験型スポットを回った充実感とともにゆっくり一日を締めくくる。

札幌市東区観光ガイド:広大な公園と産業の歴史を体感できるまちのまとめ

札幌市東区は、ビールの醸造をはじめとする産業史に彩られたエリアでありながら、広大な公園や農業体験施設など豊かな自然にも恵まれています。

市中心部の便利さと田園・レジャーエリアが同居する絶妙なバランスは、道外や海外からの観光客にとって新鮮な発見となるでしょう。観光ルートをうまく組み合わせることで、歴史や文化、食、自然を効率良く楽しむことができます。

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