札幌市中央区ってどんな街?
札幌市中央区(ちゅうおうく)は、その名の通り札幌市の中心部に位置する行政区です。
北海道庁や札幌市役所をはじめ、商業施設やオフィスビル、高層マンションが立ち並び、ビジネス・観光の拠点として発展してきました。

一方で「大通公園」や「円山公園」といった緑豊かな場所が点在し、都市機能と自然が心地よく調和しているのが特徴です。
札幌市の玄関口であるJR札幌駅や地下鉄・市電(路面電車)の主要路線が通っているため、道外や道内各地からアクセスしやすいのも魅力のひとつ。
四季折々のイベントが開催される大通公園や、グルメ・ショッピングを満喫できるすすきの・狸小路商店街など、多彩なエリアがぎゅっと詰まっています。
観光初日はまず中央区を押さえておけば、札幌の大まかな雰囲気と魅力を一気に味わえるでしょう。
札幌市中央区の歴史と文化の背景とは?
明治時代、開拓使により本格的に街づくりが始まった札幌。中心部には札幌本庁舎や官公庁が集中し、公共施設や道路、鉄道が整備されるとともにビジネスや商業が発展してきました。

特に大通公園は、当初は「火防線(ひよけせん)」として街を区切る防火帯の役割を担っていましたが、次第に市民が憩う緑地公園として整備され、現在のようなイベント会場としても活躍するシンボリックな場所に。
同時に「すすきの」周辺には飲食店や歓楽街が形成され、夜の札幌を彩る一大グルメスポットへと発展。
また、円山(まるやま)エリアにはアイヌ文化を含む北海道の自然や歴史を伝える史跡・神社があり、観光客が“北海道の原点”に思いを馳せられる貴重なエリアとして人気を集めています。
近代的な街並みと、北海道の開拓史・先住民族の文化が見事に織り交ざっているのが中央区の大きな特徴と言えるでしょう。
札幌市中央区の主な観光スポットとは?

大通公園
札幌市の“心臓部”とも呼べる大通公園は、東西約1.5kmにわたって緑の帯が広がる都会のオアシスです。
春にはライラックやチューリップが彩り、夏にはビアガーデンや花壇が賑わい、秋には紅葉とともにオータムフェストなどのグルメイベントが開かれます。
冬の「さっぽろ雪まつり」は世界的にも知られ、多くの人が訪れる札幌を代表するイベントのひとつです。
公園内のテレビ塔は展望台になっており、眼下に広がる大通公園と札幌市街を一望できる絶好のビュースポットとして人気を誇ります。

すすきの・狸小路商店街
北海道を代表する歓楽街として知られる「すすきの」は、夜のグルメやエンターテインメントが充実しているエリアです。
海鮮居酒屋、ジンギスカンやスープカレーの専門店、バー、カラオケなど、バリエーション豊かな店舗が所狭しと並び、道外や海外からの観光客も多く訪れます。お腹いっぱいグルメを堪能した後は、ネオン輝く街並みを歩きながら北海道の夜を満喫するのも一興です。

また、すすきののすぐ隣には「狸小路商店街」があり、約1kmにわたるアーケードの下に土産物店や雑貨店、飲食店、ゲームセンターなどがずらりと並びます。雨や雪の日でも快適にショッピングを楽しめるため、観光客にも地元民にも愛され続ける老舗の商店街です。

北海道神宮
円山のふもとには「北海道神宮」があり、開拓三神などが祀られています。
初詣や春の桜シーズンには多くの参拝客・観光客で賑わい、神社境内と円山の自然が作り出すパワースポットのような空気感が魅力です。
円山公園
大通公園から少し西に足を伸ばすと、中心部にいながら豊かな森と山が楽しめる「円山公園」が広がります。敷地内には桜やモミジ、野鳥などの生息環境が保全されており、季節ごとに自然観察を楽しむ人も多いエリアです。
円山公園周辺にはカフェやレストラン、スイーツ店が点在し、“オシャレな住宅街”としても知られています。散策がてら人気のパン屋や雑貨店を巡るのも、ゆったりとした大人の観光スタイルにぴったりです。

円山動物園
札幌市の円山動物園は、北海道札幌市中央区に位置する歴史ある動物園です。札幌市民は一度は訪れた事がある動物園です。
市内中心部からアクセスも良く、自然豊かな円山公園に隣接しており、四季折々の風景の中で動物たちの姿を楽しむことができます。
園内では、ホッキョクグマ、アムールトラ、エゾシカなど北海道ならではの動物はもちろん、アフリカゾウやライオン、チンパンジーなど世界各地の動物も飼育されています。動物福祉や環境教育にも力を入れており、動物本来の行動が見られるような展示方法が特徴です。
また、親子で楽しめる施設やイベントも充実しており、地元の人々だけでなく観光客にも人気のスポットです。冬季でも見どころが多く、雪と動物たちの共演も北海道ならではの魅力となっています。

大倉山ジャンプ競技場・宮の森ジャンプ競技場
大倉山ジャンプ競技場
札幌市中央区にある大倉山ジャンプ競技場は、1972年の札幌冬季オリンピックをはじめ、数々の国際大会が開催されてきた日本有数のスキージャンプ台です。
標高307mの場所に設けられたラージヒルは、最大斜度37.5度、K点120mを誇り、現在もワールドカップの舞台として使用されています。
展望ラウンジからは、ジャンプ台とともに札幌市街を一望でき、観光地としても人気。併設の「札幌ウィンタースポーツミュージアム」では、スキージャンプやボブスレーの体験シミュレーションも可能です。
宮の森ジャンプ競技場
宮の森ジャンプ競技場は、大倉山の近くにあるノーマルヒル専用のスキージャンプ台で、こちらも1972年札幌オリンピックの会場の一つとして使用されました。
K点90mのジャンプ台は、技術重視の競技に適しており、国内外の選手のトレーニングや大会開催に利用されています。
周囲は静かな住宅街と自然に囲まれており、落ち着いた環境の中でジャンプ競技を間近に見ることができます。大倉山とあわせて、札幌が世界有数のスキージャンプ都市であることを象徴する施設のひとつです。

札幌市時計台・旧道庁(赤れんが庁舎)
札幌を象徴する歴史的建造物として外せないのが、「札幌市時計台」と「旧北海道庁舎(赤れんが庁舎)」です。
時計台は明治期に建てられた洋風建築で、周囲が高層ビルに囲まれる中、そのクラシカルな姿が目を引きます。館内見学も可能で、札幌の歴史を学べる展示が設けられています。
一方、旧道庁(赤れんが庁舎)はアメリカ風ネオ・バロック様式の建物で、その愛らしい外観とともに敷地内には庭園や池が配され、四季折々の草花や紅葉、雪景色と赤レンガのコントラストがフォトスポットとして人気。
無料で館内を見学できるため、北海道の政治・行政の歴史に興味がある方はもちろん、建築に興味がある方にもおすすめです。

ココノススキノ
ココノススキノは、2023年に札幌・すすきのエリアに新しく誕生した複合商業施設で、「新しいすすきのの顔」として注目を集めています。
地上18階建てのビルには、飲食店、映画館、ホテル、温浴施設などが集結しており、観光・グルメ・エンタメを一度に楽しめるスポットです。
1〜4階には多彩な飲食店やショップが入り、北海道の味覚や最新のトレンドグルメを堪能可能。5〜6階には「TOHOシネマズすすきの」があり、話題の映画を快適に観賞できます。上層階には「ホテル京阪 札幌すすきの」や、旅の疲れを癒やす温浴施設「湯宿 旅籠こめ川」もあり、宿泊・癒やしも充実。
「観光・地元・ビジネス」全てのニーズに応える、すすきのの新しいランドマークとして、道内外から多くの人々が訪れています。
札幌市中央区の地元グルメ・特産品とは?

中央区は“札幌グルメ”の最先端が集結する地域でもあります。
海鮮丼や寿司をはじめとした北海道の魚介類、ラム肉のジンギスカン、ホクホクのジャガイモを使った料理、札幌ラーメンやスープカレーなど、多彩なジャンルを一気に楽しめるのが魅力。
特にすすきの周辺は、夜はもちろん昼営業を行う店舗も多いため、旅の食事処には困りません。

また、札幌市中央卸売市場が近い立地ということもあり、新鮮な食材を取り扱う飲食店が市内でもトップクラスに揃っているのが強み。
市場付近には海鮮食堂や専門店が連なり、ウニやイクラといった贅沢な食材を手頃な価格で堪能できます。
デパ地下やお土産ショップには、チョコレートやスイーツ、乳製品など北海道の名産が一堂に並んでいるので、旅の思い出として持ち帰るお土産探しも楽しいエリアです。
札幌市中央区の祭り・イベント情報とは?

さっぽろ雪まつり
中央区を舞台に繰り広げられる大規模なイベントとしては、国内外から毎年数百万人が訪れる「さっぽろ雪まつり」が最も有名です。
2月上旬ごろに大通公園などをメイン会場に、巨大な雪氷像やライトアップが登場し、夜にはプロジェクションマッピングも行われるなど、北海道の冬を象徴する一大イベントとなっています。

YOSAKOIソーラン祭り
YOSAKOIソーラン祭りは、毎年6月に札幌市で開催される、北海道を代表する大規模な踊りの祭典です。1992年にスタートし、今では国内外から約200チーム・数万人の踊り手が参加する一大イベントへと成長しました。
参加チームは鳴子(なるこ)を手に、自由で個性的な衣装や振り付けで踊り、札幌の街がエネルギーと熱気に包まれます。
メイン会場の大通公園をはじめ、札幌市内各所で演舞が行われ、観客も一体となって楽しめるのが魅力。ダイナミックな踊りとチームごとの創造力が光る、「見る人も踊る人も熱くなる」北海道の初夏の風物詩です。

札幌大通ビアガーデン
夏の「札幌大通ビアガーデン」も人気で、大通公園が大勢のビール愛好家で埋め尽くされる光景は圧巻です。

さっぽろオータムフェスト
さっぽろオータムフェストは、毎年9月中旬から10月初旬にかけて札幌・大通公園で開催される、北海道最大級のグルメイベントです。2008年に始まり、道内各地の旬の食材や地元グルメが一堂に集まる“北海道の食の祭典”として、多くの観光客や地元民に親しまれています。
会場は大通公園の複数ブロックにわたって展開され、それぞれの会場で「ラーメン」「海鮮」「ジンギスカン」「地ビール」「ご当地グルメ」などテーマ別にブースが立ち並びます。農産物の直売やワインの試飲、スイーツ販売などもあり、“食べ歩き天国”ともいえる楽しさ。
食欲の秋にぴったりなイベントで、北海道の広大な大地が育んだ“うまいもん”を一気に楽しめる、札幌の秋の風物詩です。

ミュンヘン・クリスマス市
毎年11月下旬から12月25日まで、札幌市中心部の大通公園2丁目で開催される、ドイツ風の本格的なクリスマスマーケットです。札幌とドイツ・ミュンヘン市の姉妹都市提携を記念して2002年にスタートし、今では冬の札幌を彩る定番イベントとなっています
会場には、木製の可愛らしいヒュッテ(屋台)が並び、ドイツ直輸入のオーナメントや雑貨、ホットワイン、ソーセージなどが販売され、まるでヨーロッパのクリスマス市に来たような雰囲気が味わえます。
イルミネーションと雪景色が融合する幻想的な空間は、カップルや家族連れ、観光客に大人気。札幌のホワイトクリスマスをロマンチックに楽しめる、心温まる冬の風物詩です。

さっぽろホワイトイルミネーション(大通会場)
さっぽろホワイトイルミネーションは、1981年に始まった日本初のイルミネーションイベントで、冬の札幌を象徴する光の祭典です。メイン会場となる大通公園では、11月下旬からクリスマス頃にかけて、幻想的な光のオブジェや電飾が一帯を彩ります。
大通公園の各丁目ごとに異なるテーマのイルミネーションが展開され、雪と光が織りなすロマンチックな景色は、訪れる人々を魅了します。光のトンネルやフォトスポットも多数あり、恋人同士や観光客に大人気の冬イベントです。
また、同時期に開催される「ミュンヘン・クリスマス市」とあわせて楽しめるのも魅力で、札幌の冬を五感で楽しむ特別な体験ができます。
札幌市中央区へのアクセス・交通手段とは?

公共交通機関
札幌市中央区へのアクセスはJR・地下鉄・市電・バスと、多彩な交通手段が揃っています。
とりわけJR札幌駅は北海道各地への玄関口として機能し、空港連絡列車「快速エアポート」を使えば新千歳空港〜札幌駅間を約37分で移動可能。
中心部は碁盤の目状に道路が整備されているため、観光客にとって道がわかりやすいのもポイントです。
- 地下鉄南北線・東西線・東豊線:大通駅やすすきの駅、円山公園駅など、主要スポットへの最寄り駅が揃っている。
- 市電(路面電車):すすきのを起点に円山方面をぐるっと回るループ路線が便利。街並みを楽しみながら移動できる。
- バス:観光名所を巡回するバスも運行されており、大通公園〜円山動物園などを結ぶ路線もある。
自家用車・レンタカー
札幌市中心部は公共交通網が充実しているため、レンタカーを使わなくても十分に観光しやすいエリアです。ただし、道内を広範囲に巡る計画がある場合は、札幌市外への移動において車が役立ちます。
中央区内にはコインパーキングや商業施設の駐車場が点在していますが、立地によっては満車の場合も多く、駐車料金も都心相応に割高となりがちです。
札幌市中央区観光のモデルコース・回り方とは?
【半日コース】大通公園と周辺スポットを気軽に巡る
- 午前:JR札幌駅または地下鉄大通駅からスタート。まずは「大通公園」を散策し、季節の花壇やイベントを見学。テレビ塔の展望台に登って札幌市街を一望する。
- 昼食:大通駅周辺の商業施設や地下街でランチを確保。海鮮丼やスープカレー、ラーメンなど、お好みの札幌グルメを味わう。
- 午後:徒歩または市電を使って「狸小路商店街」をブラブラショッピング。途中でカフェに立ち寄り、スイーツを楽しむのも◎。
【1日コース】円山&中心部を網羅する充実プラン
- 午前:地下鉄東西線「円山公園駅」で下車し、円山公園や北海道神宮へ。森林浴を楽しみながらパワースポットを巡る。
- 昼食:円山エリアのオシャレなカフェやレストランでランチ。パン屋やスイーツ店などを散策するのもおすすめ。
- 午後:地下鉄で大通駅へ移動。「札幌市時計台」や「旧道庁(赤れんが庁舎)」を見学後、すすきの周辺へ足を伸ばしてカフェ休憩やショッピング。
- 夜:すすきのの居酒屋やラーメン店で北海道グルメを堪能。食後は夜景を眺めつつ、お酒やスイーツを楽しむのも良い。
札幌市中央区観光ガイド:都市と自然が調和する“北海道の中心”を満喫まとめ
札幌市中央区は、“北海道の中心” と言うにふさわしい多彩な魅力にあふれるエリアです。
都市の便利さと自然の癒やし、美しい建築物や歴史、そしてグルメ天国としての一面がぎゅっと凝縮されています。1日ではとても回りきれないほど見どころが多いため、目的(自然散策、ショッピング、グルメなど)をしぼってからプランを立てるのがおすすめです。