北海道小樽市観光ガイド:運河とレトロな街並みが織りなす“浪漫あふれる港町”

小樽運河の写真 北海道
小樽運河の写真

小樽市ってどんな街?

北海道小樽市(おたるし)は、札幌市から電車で約30分の位置にあり、石狩湾に面した港町です。

明治・大正期に北海道の玄関口として栄えた歴史的背景を持ち、当時の倉庫群や洋風建築などが数多く保存されていることから、“レトロ”な街並みが醸し出す独特の風情が大きな魅力となっています。

旧北海道銀行本店の写真

運河沿いをゆったり散策しながら、古い倉庫をリノベーションしたカフェやガラス工芸のお店に立ち寄るのが、小樽観光の定番スタイル。

さらに、新鮮な海鮮やスイーツを堪能できるグルメ要素も充実しており、一年を通じて多くの旅行者が訪れる、北海道を代表する観光都市のひとつです。

また、近年では、映画やドラマのロケ地として採用される機会が多く、ロマンチックな夜景や軒先のガス灯、雪景色とのコントラストが訪れる人々の心を掴んでいます。

ショートトリップから1泊2日の小旅行まで、札幌や新千歳空港とのアクセスが良い小樽は、北海道観光ルートに欠かせない都市と言えるでしょう。

小樽市の歴史と文化の背景とは?

小樽市は、開拓期から明治・大正期にかけて北海道の海上交通・貿易の拠点として急速に発展しました。

鰊(にしん)漁や石炭・木材の積出港として繁栄し、港には倉庫や運河が整備され、銀行や商社が多数進出。豪華な洋風建築や石造りの倉庫群が建ち並ぶ近代都市へと成長しました。

小樽市の鰊御殿の写真

※写真は小樽市の鰊御殿

しかし、昭和中期以降は漁業資源の枯渇や交易の衰退、そして国鉄や自動車による物流の流れの変化で、港の役割は縮小していきます。

その後、歴史的建造物の保存や観光資源の活用が進められ、レトロな街並みを資産として再生。小樽運河周辺を中心に、ガラス工芸やオルゴールなど観光文化が花開き、国内外からの旅行者を魅了し続けています。

小樽市の主な観光スポットとは?

小樽運河の写真

小樽運河

小樽観光のシンボルといえば、やはり小樽運河です。

大正時代に商船の運搬効率を高めるために整備され、近代化遺産として現在も美しい石造倉庫群が運河沿いに残っています。

昼間は運河クルーズで水上散策を楽しんだり、倉庫を改装したレストランや雑貨店を巡ったりできます。

夕暮れ時にはガス灯が灯り、石造りの倉庫の壁面がオレンジ色に照らされてロマンチックな雰囲気に包まれるのが魅力。

冬には雪化粧とあわせて幻想的な風景が楽しめるため、四季折々で異なる表情を堪能できるスポットです。

小樽堺町通り商店街の写真

小樽堺町通り商店街

小樽堺町通り商店街は、小樽運河からほど近い場所に位置する、観光客に人気の歴史ある商店街です。

明治・大正時代の面影を色濃く残す建物が並び、レトロで趣のある街並みが魅力となっています。

全長およそ900メートルの通りには、ガラス工芸店やオルゴール専門店、スイーツショップ、海産物店など、個性豊かな店舗が軒を連ねており、小樽の名産品や手作りのお土産を楽しむことができます。

この通りでは、観光客向けに食べ歩きできるグルメも充実しており、新鮮な海の幸を使った海鮮丼や、和洋菓子、ソフトクリーム、揚げたてのかまぼこなど、北海道ならではの味覚を気軽に味わうことができます。

特に「北一硝子」や「小樽オルゴール堂」、「ルタオ」といった有名店は観光の目玉ともなっており、多くの人々が訪れます。

また、写真映えするスポットが多く、カップルや家族連れ、海外からの旅行者にも人気です。通り全体が観光に適したつくりになっており、ゆっくりと歩きながら買い物や食事、撮影を楽しむことができます。

JR小樽駅から徒歩10〜15分ほどとアクセスも良好で、小樽観光の定番スポットとして外せないエリアです。

小樽オルゴール堂の写真

旧日本郵船小樽支店・小樽オルゴール堂

運河周辺から少し歩くと、色内エリアや堺町通りなどに歴史的建造物が点在しています。

代表的なものとして、「旧日本郵船小樽支店」は明治期を代表する洋風建築で、内部は無料公開されており、当時の銀行・商社のようなクラシカルな造りを見学可能。

また、オルゴールやアンティーク雑貨で人気の「小樽オルゴール堂」は、古い倉庫をリノベーションした建物で、世界各国のオルゴールやオリジナルグッズを取り扱っています。

メルヘン交差点とも呼ばれる一帯はガス灯が立ち並び、夜のライトアップも見逃せません。

天狗山の写真

天狗山(小樽夜景)

小樽の夜景を一望したいなら、「天狗山」がおすすめ。

標高532mの山頂からは、小樽の街並みと海が一望でき、札幌方面や石狩湾の夜景が光の帯のようにきらめきます。

ロープウェイを利用して簡単にアクセスでき、展望レストランやスキー場も併設。冬季はスキー・スノーボードを楽しめるほか、夜景目当ての観光客で賑わいます。

夜景ランキングでも上位に挙げられるほどの美しさで、運河周辺とはまた違った小樽の夜の姿を体験できるスポットです。

小樽市の地元グルメ・特産品とは?

海鮮丼の写真

小樽といえばやはり海鮮

ニシン漁の歴史がある土地柄、寿司店や海鮮丼専門店が市内各所で軒を連ねています。

中でも運河周辺や堺町通り付近には、毎朝漁港から直送される魚介を使った寿司屋や居酒屋が多く、観光客にも人気。

ウニ、イクラ、ホタテ、エビなどの海鮮ネタはもちろん、名物の「ニシン漬け」や「オタルナイシウ」(ニシンの塩辛)などの郷土料理も堪能できます。

小樽三角市場の写真

三角市場でも海鮮丼を提供しているお店がいくつか入っていて観光客でにぎわっています。小樽駅からも徒歩2~3分程度なので是非行ってみてはいかがでしょうか?

スイーツ

甘党にはスイーツの街としての小樽もおすすめ。地元牛乳を使用した濃厚ソフトクリームや、フルーツを贅沢に使った洋菓子など、散策しながらテイクアウトで味わうのが観光客の楽しみ方。

ガラス工芸品と並んで、色とりどりのスイーツが並ぶショーケースは小樽らしいフォトジェニックスポットでもあります。

小樽ルタオ本店の写真

ルタオ

ルタオといえば「ドゥーブルフロマージュ」。2005年(平成17年)にテレビ番組で取り上げられたのをきっかけに、全国的な大ブームとなりました。今や小樽のスイーツといえばルタオと言われています。本店は小樽にあります。

あんかけ焼きそばの写真

あんかけ焼きそば

ここ数年でひそかなブームになっているのが小樽のあんかけ焼きそばです。各店個性的なあんかけ焼きそばを提供していますので、海鮮に飽きた方は是非!

小樽かま栄のかまぼこ

​かま栄は、1905年(明治38年)に小樽で創業した老舗のかまぼこメーカーです。 現在、小樽市内に4店舗、札幌市内に6店舗、新千歳空港店を含む計11店舗を展開し、道民に親しまれています。 ​

同社のかまぼこは、職人が一つひとつ手作業で製造していることが特徴で、機械では出せない微妙な厚みや食感を実現しています。

特におすすめなのが「パンロール」で、スケトウダラや豚挽肉、タマネギをコショウで味付けしたすり身を薄いパンで包んで揚げた商品です。

この商品は昭和37年(1962年)に開発され、以来、多くのファンに愛されています。 ただし、防腐剤を使用していないため消費期限が短く、真空パックにできないことから、店舗でのみ販売されています。 ​

小樽名物ぱんじゅうの写真

『ぱんじゅう』桑田屋

​『ぱんじゅう』は、小樽市に本店を置く和菓子店、桑田屋が製造・販売する名物の和菓子です。​このお菓子は、もち米を主成分とした生地で餡を包み、焼き上げたもので、その独特の食感と甘さが特徴です。​

季節ごとの味もあるので是非チェック!

小樽なるとの鶏の半身揚げの写真

「若鶏半身揚げ」若鶏時代なると本店

小樽名物のひとつ。半身揚げは、外はカリカリで中はジューシーな食感が特徴で、揚げたてを提供しています。

小樽市の祭り・イベント情報とは?

小樽雪あかりの路の写真

小樽雪あかりの路

小樽市では、一年を通じて歴史とロマンを感じるイベントが目白押し。代表的なのが「小樽雪あかりの路」。

2月の厳冬期に運河沿いや小樽市内各所で開催され、無数のキャンドルが雪のオブジェの中で灯る幻想的な催し物です。

夜の小樽運河や旧手宮線沿いに並ぶキャンドルの揺らめきは、まるで雪と光のアート作品を歩くかのような体験ができます。

小樽潮まつりの花火の写真

潮まつり

夏には「潮まつり」が開催され、港町らしい威勢のいい神輿やパレード、花火大会などで市内が活気に満ち溢れます。

また、秋にはワインや日本酒などの試飲イベント、地元産の果物や野菜を味わえる収穫祭など、多彩な食関連イベントも盛ん。冬・夏・秋と、訪れるシーズンに合わせたお祭りの雰囲気を味わえるのが小樽の魅力の一つです。

小樽市へのアクセス・交通手段とは?

JR小樽駅の写真

公共交通機関

小樽へは、札幌駅からJR函館本線を利用するのが一般的。快速「エアポート」や普通列車で約30分前後、車窓から石狩湾の海岸線を眺められるのも醍醐味です。

また、新千歳空港から直行の高速バスが出ており、所要時間は約1時間半(道路状況による)。

小樽市内観光をする場合、小樽駅やバスターミナルから主要スポットを巡回するバス路線が整備されており、「おたる散策バス」などの観光系路線バスが便利です。

自家用車・レンタカー

札幌市内から国道5号や札樽自動車道を使って約30〜40分、新千歳空港からも高速や一般道を利用して1時間〜1時間半ほどで小樽に到着可能。

運河周辺や堺町通りエリアは観光客が多く、駐車場を探すのに多少苦労することがあるため、なるべく朝早めの到着がおすすめ。

小樽市観光のモデルコース・回り方とは?

【1日コース】小樽運河とグルメを堪能するプラン

  1. 午前:JR小樽駅到着後、徒歩や市内バスで小樽運河へ向かう。運河沿いを散策しながら、倉庫群を改装したカフェや雑貨ショップを巡る。
  2. 昼食:寿司店や海鮮丼専門店で新鮮な魚介を味わう。大通りから少し外れた路地にも穴場的なお店が多いので、散策がてら探してみると◎。
  3. 午後:堺町通りへ移動し、「小樽オルゴール堂」やガラス工房、洋菓子店などを巡る。おやつにはソフトクリームやスイーツをテイクアウトし、食べ歩き。
  4. 夕方以降:天狗山ロープウェイを利用し、夜景を観賞。運が良ければ夕日から夜景へ移り変わる空の色彩のグラデーションを堪能できる。夜は市街地の居酒屋で海鮮や地酒を楽しみ、JRや車で札幌方面に戻る。

【2日コース】小樽の歴史と温泉まで欲張り満喫

  1. 1日目(午前):札幌駅からJRで小樽駅着。まずは「旧日本郵船小樽支店」や「日本銀行旧小樽支店金融資料館」など、歴史的建造物巡り。オシャレなカフェで一息入れるのも◎。
  2. 1日目(昼食):運河周辺で海鮮丼やお寿司を堪能。午後は運河クルーズや地ビール試飲、ガラス細工体験などを組み合わせ、街歩きを満喫。
  3. 1日目(夜):駅近くのホテルまたは朝里川温泉エリアの宿に宿泊。夕食は小樽の旬の海鮮を使ったコースや寿司屋などで贅沢に。
  4. 2日目(午前):朝の運河散策や市場での海鮮朝食もおすすめ。朝里川温泉街へ移動し、温泉と自然の静寂を楽しむ。
  5. 2日目(午後):余裕があれば天狗山へ移動して昼の絶景を眺めるか、逆に昼間は観光バスで北海道ワイン工場(余市方面)を訪れて試飲を楽しむプランも。夕方にJRで札幌や新千歳空港へ戻り、旅を締めくくる。

北海道小樽市観光ガイド:運河とレトロな街並みが織りなす“浪漫あふれる港町”のまとめ

小樽市は、歴史的な港町としてのロマンとレトロな街並み、そして美しい運河や海に囲まれた自然が魅力の観光都市です。

ガス灯がともる運河沿いや石造りの倉庫群が創り出す独特の雰囲気は、一年を通じて多くの旅行者を惹きつけています。豊富な海鮮やスイーツ、ガラス工芸やオルゴールなど、多彩な体験を組み合わせれば、短い滞在でも満足度の高い旅が実現できるでしょう。

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