北海道石狩市観光ガイド:豊かな自然と歴史を感じる「鮭」と「砂丘」のまち

石狩市のはまなすの丘公園の写真 北海道

石狩市ってどんな街?

石狩湾の写真

北海道石狩市(いしかりし)は、札幌市の北隣に位置し、石狩湾や石狩川など雄大な水域を抱える自然豊かなまちです。

市名の由来でもある「石狩川」は北海道最長の大河で、市域には豊かな湿地や干潟が広がり、多様な動植物が生息。

なかでも鮭(サケ)の遡上する川として古くから有名で、漁業や農業といった一次産業が地域の基盤として発展してきました。近年は札幌都市圏のベッドタウンとしての機能が加速し、住宅街と自然環境がバランスよく共存しているのが特徴です。

また、石狩といえば「石狩鍋」や鮭を用いた料理が有名で、秋には多くの観光客が鮭の遡上や地元グルメを求めて訪れます。

さらに、広大な砂丘地帯や砂浜を活かしたキャンプ・レジャースポットも豊富。札幌中心部から車で約30~40分というアクセスの良さから、日帰りはもちろん、週末や休日を利用した短期旅行にも適した“自然と食の宝庫”です。

石狩市の歴史と文化の背景とは?

石狩地方には、かつて先住民族であるアイヌの人々が漁猟や採取を通じて暮らしていました。

とりわけ石狩川下流域は、鮭の漁場としてアイヌ文化においても重要な位置を占めていた地域です。江戸時代後期になると、和人の移住が進み、石狩川の河口近くには「番屋(漁業の拠点)」が建てられ、鮭・ニシン・ホッケなどの水揚げが行われました。

明治に入ると札幌の都市開発が加速し、石狩地域も物流や産業を支える拠点として成長。大正・昭和期にかけては、農業・水産業とともに林業や砂利採取なども展開され、市街地が拡大していきました。

2005年には旧石狩市と厚田村・浜益村が合併し、現在の広大な石狩市が誕生。

石狩湾に面した豊かな海洋資源、石狩川流域の肥沃な土地、そして丘陵部の森林資源など、多様な自然環境と歴史・文化を生かしたまちづくりが進められています。

石狩市の主な観光スポットとは?

はまなすの丘公園・石狩砂丘

石狩市のはまなすの丘公園の写真

石狩湾沿岸には大規模な砂丘地帯が広がっており、その一角にあるのが「はまなすの丘公園」です。

5月下旬〜6月頃には、北海道の花として有名なハマナスが咲き誇り、ピンク色の花と青い海のコントラストが見事。また、砂丘には木道や遊歩道が整備されており、海岸線を眺めながら散策を楽しめます。

晴れた日には、遠く石狩湾の水平線に沈む夕日も美しく、ロマンチックなひとときを過ごすことができるでしょう。さらに、砂丘周辺では野生の鳥や小動物が姿を見せることもあり、自然観察にはうってつけの場所となっています。

厚田(あつた)・浜益(はまます)の海岸線

合併により石狩市となった旧厚田村・旧浜益村の海岸エリアは、雄大なオロロンラインのドライブコースとして有名。

美しい海岸線と断崖、岬が続く景観はまさに絶景で、夏には海水浴やキャンプを楽しむ家族連れで賑わいます。

たとえば、厚田ビーチセンター周辺では、キャンプやバーベキューが可能な施設が整備され、浜益エリアでも海釣りや磯遊びなど多彩なアクティビティが満喫可能。都市の喧騒から離れてのんびり過ごしたい人には格好のリゾートスポットといえるでしょう。

あいろーど厚田(厚田観光情報センター)

あいろーど厚田の写真

厚田の中心部には「道の駅あいろーど厚田」があり、合併以降の石狩市北部地域の観光拠点として注目されています。

館内には地元産の野菜や海産物、加工品などを揃えた物産コーナーが充実し、休憩スペースやカフェも併設。

周辺には海岸線の絶景を望む展望スペースやレストランもあり、ドライブの中継地点としても最適です。近くにある「厚田漁港朝市」や、地元の神社・名所も合わせて巡ってみると、よりディープな厚田体験が楽しめます。

番屋の湯

石狩の番屋の湯(ばんやのゆ)は、北海道石狩市にある日帰り温泉施設です。

石狩といえば豊かな海産物や石狩川など自然豊かな地域として知られていますが、番屋の湯は「番屋(漁師が共同で寝泊まりし、漁具などを保管する作業小屋)」をイメージした造りが特徴的で、石狩の海の雰囲気を感じられる場所として親しまれています。

石狩市の地元グルメ・特産品とは?

石狩鍋の写真

石狩市ならではのグルメといえば、まずは「石狩鍋」です。

鮭と野菜を味噌ベースのスープで煮込む北海道を代表する郷土料理で、石狩生まれとも言われています。市内の飲食店や食堂では、本場の石狩鍋を提供しているお店が多く、しみ込んだ鮭の旨味や野菜の甘みが絶妙な味わいを楽しめます。

その他、鮭の加工品(イクラや塩引き鮭など)や、ホッキ貝・ホタテなどの海鮮も豊富。季節によっては、サンマやニシンといった魚介類が水揚げされることもあります。

広大な農地を活かした玉ねぎやジャガイモ、トウキビ(とうもろこし)などの野菜類もおいしく、直売所や道の駅で手軽に購入可能。スイーツ好きには、地元産牛乳を使ったソフトクリームやクレープなどがおすすめです。

石狩市の祭り・イベント情報とは?

石狩市では、サケや自然をテーマにした季節のイベントが数多く開催されます。特に秋に行われる「石狩さけまつり」は、地元でとれる鮭の恵みを祝う一大イベント。

鮭の掴み取りや鮭料理の屋台、ライブステージなどが行われ、多くの観光客と地元民で賑わいます。また、石狩湾新港エリアの花火大会や夏祭り、冬季に厚田・浜益地区で行われる神社祭なども見逃せません。

さらに、海浜清掃やバードウォッチングを含むエコツーリズム的なイベントも随時企画され、石狩川流域や海岸線の環境保全に対する地元の想いを体感できます。

訪問時期に合わせて、観光協会や市の公式サイトでイベントカレンダーをチェックし、タイミングよく参加すると旅が一層充実するでしょう。

石狩市へのアクセス・交通手段とは?

バスのりばの看板の写真

公共交通機関

石狩市へは、主に札幌方面からのバスアクセスがメインとなります。

中央バス:札幌駅北口や麻生駅(地下鉄南北線終点)から、「石狩」「厚田」「浜益」方面行きの路線バスが運行しています。所要時間は行き先によって30分~2時間ほど。

JR:市内にJR駅はないため、JRを利用する場合は札幌駅で下車後、バスやタクシーに乗り換える形となります。

自家用車・レンタカー

札幌都心から石狩中心部までは約20~30kmほどと近距離で、国道231号線(通称:オロロンライン)や道道を利用すれば30~40分で到着可能。車でそのまま厚田・浜益方面へ足を伸ばせば、海沿いの絶景ドライブが楽しめます。

冬季は雪道・凍結などに注意が必要ですが、比較的除雪がしっかり行われるため、大きな問題がなければドライブはしやすい地域です。海岸線は風雪が強い日もあるため、こまめな道路情報や天候の確認を心がけてください。

石狩市観光のモデルコース・回り方の提案

【1日コース】石狩鍋と絶景海岸を満喫

午前:札幌駅または麻生駅からバスで石狩市街へ。まずは「石狩さけ科学館」に立ち寄り、鮭の生態や地元の歴史を学ぶ。

昼食:近隣の食堂やレストランで名物「石狩鍋」を堪能。鮭と野菜、味噌のコクが絶妙な逸品。

午後:車またはバスで「はまなすの丘公園」へ移動し、砂丘地帯を散策。天気が良ければ海浜を歩いて大自然を満喫。

夕方:再び市街地に戻り、石狩湾を望む海岸沿いで夕日を眺める。時間があれば海岸線ドライブを楽しんでから札幌方面へ帰路につく。

【1泊2日コース】厚田・浜益も巡る充実プラン

1日目(午前):札幌駅でレンタカーを借り、国道231号線(オロロンライン)を北上。道の駅「あいろーど厚田」に立ち寄り、軽食や特産品をチェック。

1日目(午後):厚田ビーチセンター周辺で海水浴(夏季)や散策を楽しみ、海岸沿いの景色を眺めながらドライブして浜益エリアへ。途中、漁港や岬で写真撮影を楽しむ。

1日目(夜):宿泊は厚田または浜益の民宿・ペンションなどで地元の魚介を味わう。星空や波音に包まれながらゆったりと過ごす。

2日目(午前):石狩市街地へ南下。「石狩さけ科学館」や石狩川周辺の風景を楽しみ、昼食に石狩鍋や海鮮を堪能。

2日目(午後):はまなすの丘公園や砂丘を散策。季節の花々や海辺の風を感じたら、レンタカーを返却し札幌へ戻る(バス利用でもOK)。

北海道石狩市観光ガイド:豊かな自然と歴史を感じる「鮭」と「砂丘」のまちのまとめ

北海道石狩市は、石狩川や石狩湾を舞台に、鮭をはじめとする水産物や豊かな自然環境、そして古くからの開拓史が息づく魅力的なエリアです。

“鮭のまち”ならではの石狩鍋や加工品はもちろん、夏の海水浴や秋の鮭の遡上、冬の静かな海岸風景など、季節ごとに異なる表情を楽しめます。

合併により広域化した市内では、厚田や浜益の絶景ドライブやキャンプなども人気を集めており、札幌中心部からのアクセスが良い点も大きな魅力です。

一方で、バス路線は本数が限られる場合があるため、移動にはレンタカーが便利。また、砂丘や海岸を散策する際は、風が強い日や潮位に注意し、歩きやすい靴と服装を準備しましょう。鮭と砂丘のまち・石狩が織りなす自然と食の豊かさを、存分に味わい尽くしてみてはいかがでしょうか。

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