広島県尾道市は、「坂の町」「寺の町」として知られる独特の景観と文化を持つ街です。細い坂道や石段が入り組んだ町並みの中には、多くの古刹が点在し、どこか懐かしい情緒が漂います。その中心となる「千光寺」は、市街と瀬戸内海を一望できる絶景スポットとして人気。寺巡りと坂道散策を組み合わせれば、尾道の魅力を余すことなく体感できるでしょう。今回は、千光寺を中心にした尾道の坂道と寺巡りの旅をご紹介します。

尾道市ってどんなところ?
尾道市は広島県東部、瀬戸内海に面した港町です。古くから海運で栄え、文学や映画の舞台としても有名で、多くの芸術家や文人に愛されてきました。市街地は山と海に挟まれ、坂道や石段が続く独特の街並みを形成しています。こうした地形は寺社や古民家と調和し、観光地として訪れる人々に「懐かしさ」と「新鮮さ」を同時に感じさせるのが魅力です。

千光寺の魅力
尾道の代表的な観光スポットである千光寺は、標高約140mの千光寺山中腹に位置しています。本堂からは尾道水道や瀬戸内海の島々、市街地の街並みを一望でき、その景観は「尾道三山八景」にも数えられるほど。
境内には岩に建てられた舞台造りの本堂や、願い事を込めて石を投げる「玉の岩」、縁結びのご利益があるとされる「愛染明王堂」など、多彩な見どころがあります。参拝と同時に自然や歴史を体感できるのが千光寺の大きな魅力です。

坂道と寺巡りの楽しみ
尾道の魅力は、千光寺だけでなく、坂道に点在する数々の寺院を巡ることでより深く味わえます。
- 天寧寺:三重塔が特徴的で、尾道のシンボル的存在。
- 西國寺:仁王門や大きな石段があり、古刹として格式の高い寺院。
- 浄土寺:国宝の本堂と多宝塔を有し、歴史的価値の高い寺院。
これらの寺院は坂道や細い路地でつながっており、散策そのものが尾道らしい体験です。歩きながら猫と出会えるのも楽しみのひとつで、坂道と寺社、そして猫のいる風景は尾道を象徴する情景として観光客に人気です。

文学と芸術に彩られた街
尾道は文学や映画の舞台としても知られています。志賀直哉の小説『暗夜行路』や大林宣彦監督の「尾道三部作」など、多くの作品に尾道の風景が登場しました。坂道や寺院、そして瀬戸内海の景観が物語や映像に独特の詩情を与えています。
街を歩けば文学碑や映画のロケ地に出会うことができ、芸術的な側面からも尾道を楽しむことができます。

尾道グルメを堪能する
寺巡りと坂道散策の合間には、尾道ならではのグルメを楽しむのも魅力です。
- 尾道ラーメン:背脂が浮かぶ醤油ベースのスープが特徴で、全国的に有名。
- 海鮮料理:瀬戸内海で獲れる新鮮な魚介を使った料理。
- 和菓子・スイーツ:寺社参拝の合間に立ち寄れる老舗和菓子店やカフェも点在。
港町らしい食文化を味わいながら散策すれば、旅の満足度が一層高まります。

季節ごとの楽しみ方
尾道は四季を通じて魅力的な景観を見せます。
- 春:桜と寺社、瀬戸内海の組み合わせが絶景。
- 夏:坂道の散策と海風を感じながら港町を歩く。
- 秋:紅葉と歴史的建造物が織りなす風景。
- 冬:澄んだ空気と穏やかな尾道水道の景観を楽しむ。
訪れる時期によって異なる表情を見せるため、リピーターも多いのが尾道の特徴です。

アクセスと便利情報
尾道市へはJR山陽本線「尾道駅」が玄関口で、広島市や岡山市からのアクセスも良好です。千光寺へはロープウェイで山頂まで登り、そこから坂道を下りながら寺社を巡るルートが人気。徒歩でもアクセス可能で、登山気分を楽しみたい人にもおすすめです。

モデルコース提案
日帰りプラン
午前にロープウェイで千光寺に向かい、境内から絶景を堪能。その後は坂道を下りながら天寧寺や浄土寺を参拝し、昼食に尾道ラーメンを楽しむ。午後は文学のこみちを散策し、夕方に港の景色を眺めて帰路へ。
1泊2日プラン
1日目は千光寺と坂道散策を中心に過ごし、夜は海鮮料理や港町の居酒屋で食事。2日目は浄土寺や西國寺を訪れ、尾道の歴史と文化をじっくり堪能するプラン。

尾道市の坂道と寺巡り:千光寺から眺める絶景の街並みのまとめ
尾道市は、坂道と寺院、そして瀬戸内海の景観が調和する魅力的な街です。千光寺からの絶景をはじめ、坂道に点在する寺院や文学・映画ゆかりのスポットを巡れば、尾道らしさを余すことなく体感できます。グルメや季節ごとの風景も組み合わせれば、日帰りでも宿泊でも充実した旅となるでしょう。
