治見市は、美濃焼の産地として知られる焼き物の街です。市内には「美濃焼ミュージアム」や「市之倉さかづき美術館」など陶芸文化に触れられる施設が多く、工房での陶芸体験も人気。また、国宝の庭園を誇る「虎渓山永保寺」や、洋風建築が印象的な「多治見修道院」など、歴史と文化を感じられる名所もあります。さらに、猛暑の町としても有名で、夏には「うながっぱ」のキャラクターが街を盛り上げるなどユニークな一面も持つ多治見市をご紹介します。
多治見市の観光スポットを巡る

時間帯で変わる多治見の表情
多治見の街は、朝・昼・夕・夜それぞれに異なる魅力を放ちます。
早朝、陶芸の町の立ち上がりを感じるには格好の時間帯です。市之倉の工房街では、土練りの音や陶土の匂いが漂い始め、作業場のシャッターがゆっくり開く様子を間近に見ることができます。また、織部の里公園では朝の光が降り注ぐ茶室や庭園は格別の静けさに包まれ、瞑想のような時間を過ごせます。
昼は市街地が活気づきます。美濃焼カフェでは、美しい器に盛られた料理やスイーツが観光客の目を惹き、市内の屋台や定食屋にも賑わいが戻ります。土岐川堤の桜並木や修道院葡萄畑では、昼間の柔らかな光に包まれた自然と歴史が調和します。
夕暮れになると、虎渓山永保寺の庭園に夕日が差し込み、本堂の影と水面の反射が美しいコントラストを描き出します。琥珀色に染まる苔庭や回遊路を、ゆったりとした気持ちで歩けるのはこの時間帯の贅沢な体験です。夜は多治見陶器まつりやおりべまつりの時期であれば、ライトアップされた陶器の展示や屋台の灯りが街に柔らかな輝きを与えます。美濃焼ミュージアムの企画展によっては、夜間開館やナイトギャラリーも実施されることがあり、昼間とは違う陶芸の世界が楽しめます。
多治見市には、美濃焼を中心とした文化施設や歴史的な名所が揃っています。
美濃焼ミュージアム

「美濃焼ミュージアム」は、美濃焼の歴史と技術を紹介する施設で、古代から現代までの焼き物を展示しています。常設展だけでなく企画展も充実し、陶芸文化の奥深さを学べます。
陶芸ファン必見のスポットです。
市之倉さかづき美術館

「市之倉さかづき美術館」は、日本一の生産量を誇る「さかづき(盃)」をテーマにした美術館です。繊細で美しい作品が並び、隣接する工房で陶芸体験も楽しめます。
器の芸術性に触れられる施設です。
虎渓山永保寺

「虎渓山永保寺」は、夢窓疎石によって作庭された池泉回遊式庭園が国宝に指定されている寺院です。庭園は日本庭園の傑作とされ、四季折々の景観が訪れる人を魅了します。
心静かに過ごせる名刹です。
多治見修道院

「多治見修道院」は、大正時代に建てられたロマネスク様式の修道院で、レンガ造りの重厚な建築が特徴です。現在も修道士が暮らし、静謐な雰囲気に包まれています。
洋風建築好きに人気のスポットです。
陶芸と地元暮らしを体感する体験プラン

多治見は陶芸産地としての誇りを活かした体験が豊富です。
市之倉さかづき美術館では、盃づくりの体験が人気。初心者でも講師の丁寧な指導により、手のひらサイズの小さな盃が完成し、焼き上がりを待つドキドキ感も旅の記憶に残ります。
美濃焼ミュージアム併設の工房では、タタラづくりや絵付け体験などもあり、香りや手触りの違いを確認しながら器づくりを楽しめます。体験後には自分の作品でカフェのスイーツを味わうサービスもあり、器と料理が結びつく文化を五感で堪能できます。 修道院葡萄畑では、秋にぶどう収穫体験が開かれ、摘みたてのぶどうをその場で味わうほか、ワインづくりの説明やテイスティングに参加できる機会もあります。自然と農業、文化と味覚が融合する体験は他に代えがたいものです。
多治見市で自然を楽しむ
市街地を少し離れると、自然に恵まれたエリアが広がります。
織部の里公園

「織部の里公園」は、古田織部にゆかりのある場所で、陶芸体験施設や資料館が整備されています。公園内は緑豊かで散策にも適しています。
歴史と自然を両方味わえるスポットです。
土岐川堤の桜並木

市内を流れる土岐川沿いには、春になると桜並木が咲き誇ります。市民の花見スポットとして親しまれ、夜桜のライトアップも楽しめます。
春に訪れたい自然景観です。
修道院葡萄畑

多治見修道院の周辺には広大なぶどう畑が広がり、四季を通じて美しい風景を見せます。秋にはワイン用のぶどう収穫体験が行われることもあります。
自然と農業の調和が魅力です。
多治見市のご当地グルメを堪能
多治見市は、焼き物文化だけでなく、ユニークなグルメも楽しめます。
美濃焼カフェのグルメ

市内には、美濃焼の器で料理やスイーツを提供するカフェが多くあります。美しい器と料理が調和し、写真映えするグルメ体験ができます。
器と料理のコラボを楽しめます。
多治見焼きそば

「多治見焼きそば」は、市内の食堂で提供されるB級グルメで、濃厚ソースとモチモチ麺が特徴です。地元民に愛される庶民的な味です。
観光の合間に立ち寄りたい一品です。
ワインと地元料理

多治見修道院で作られるワインは、市内のレストランやイベントで味わえます。地元食材を使った料理とのペアリングも人気です。
大人の観光にぴったりのグルメです。
四季の自然美と花の彩り

多治見の自然は四季ごとにさまざまな彩りを見せてくれます。
春、土岐川堤の桜並木は散策やお花見にぴったり。夜桜ライトアップでは川面に移る花弁と光のコントラストが幻想的です。
夏は織部の里公園や修道院葡萄畑で緑が濃くなり、清涼感あふれる風景が広がります。公園の木陰では読書や昼寝、小さなピクニックスペースが人気です。
秋は修道院葡萄畑の紅葉と収穫、虎渓山永保寺の苔彩と紅葉の組み合わせが絶好の撮影タイミング。寺院の石段に積もる落ち葉は情趣があります。冬は寒さに凛とした美しさがあり、静かな庭園や美濃焼ミュージアムの展示室では、ゆったりと文化に浸る時間が楽しめます。暖かいお茶を陶器で味わう幸せも格別です。
多治見市の祭り・イベント
多治見市では、陶芸や地域文化を発信するイベントが盛んに行われています。
多治見陶器まつり

「多治見陶器まつり」は、毎年春と秋に開催されるイベントで、美濃焼を中心とした陶器が市内各所で販売されます。掘り出し物を探す楽しみも魅力です。
陶芸好きに大人気のイベントです。
おりべまつり

「おりべまつり」は、古田織部を顕彰するイベントで、パレードやステージ、特産品販売などが行われます。市民と観光客が一体となって盛り上がるお祭りです。
地域文化を体感できる催しです。
モデルコース:心と感性が満たされる一日旅

早朝:織部の里公園で朝の散策と静かな庭園の時間。その後、美濃焼ミュージアム併設工房でタタラ成形体験。
午前:市之倉さかづき美術館で盃づくり体験。昼下がりの陶器カフェで自分の作品に初挑戦した料理を味わう。
昼:虎渓山永保寺へ移動し、池泉回遊式庭園で静かな時間を過ごす。ランチは永保寺周辺の郷土料理店で定食。
午後:多治見修道院と葡萄畑へ。ぶどうの収穫や自然散策を楽しみつつ、ワインのテイスティング体験。
夕方:土岐川堤まで移動し、桜や水辺の景色を散策。秋なら紅葉、春なら花見がおすすめ。夜:陶器まつりやおりべまつりの開催時なら、ライトアップと屋台で市の賑わいを味わう。夜間ギャラリーやミュージアムが開館していれば、文化の余韻でゆったり過ごす。
まとめ

岐阜県多治見市は、美濃焼ミュージアムや市之倉さかづき美術館をはじめとする陶芸文化の発信地であり、虎渓山永保寺や多治見修道院など歴史的名所も揃っています。自然では織部の里公園や土岐川の桜並木が魅力で、グルメは多治見焼きそばや美濃焼カフェ、修道院ワインが人気。さらに陶器まつりやおりべまつりなどイベントも豊富で、歴史・自然・食・文化を総合的に楽しめる街です。

