恵庭市ってどんな街?
北海道恵庭市(えにわし)は、札幌市と千歳市のほぼ中間に位置し、両都市のベッドタウンとしても発展している“自然豊かなまち”です。
石狩平野の南部にあり、街の中央を流れる「恵庭川」や大小さまざまな川・滝の存在が象徴するように、水資源に恵まれており、ガーデニング文化や花づくりが盛んなことでも有名。北海道の“花と緑のまち”として毎年多くの観光客を惹きつけています。
さらに、札幌市から車で約40分、新千歳空港からも約20分とアクセスが良いのが魅力。市内には住宅街や商業施設が集まる一方、郊外に出れば牧歌的な風景や農地が広がり、四季折々で雰囲気がガラリと変わります。
北海道大学や道内企業の農場実習・研究拠点もあるなど、農業・食・観光が融合する多面的な魅力を誇る都市です。
恵庭市の歴史と文化の背景とは?
恵庭市が位置する石狩平野は、アイヌの人々が古くから狩猟や漁を営んできた地域のひとつ。アイヌ語で「エエンイワ(尖った山の間)」などが市名の由来と考えられています。
明治時代になると開拓使や本州各地からの移住者が農業を中心に集落を形成し、大正・昭和期には小作農から大規模農家へと発展。稲作や畜産が盛んになりました。
戦後の高度成長期には、札幌都市圏の拡大や工業団地の整備に伴い、人口が増加。ガーデニング文化が広がり、家庭で花づくりを楽しむ住民が増えたことから、市民と行政が一体となった“花と緑のまちづくり”に力を入れるようになりました。
今日の恵庭市は、こうした農業の基盤とガーデン文化が融合した風景が見られるほか、近隣の支笏湖・千歳方面などとあわせて、道央観光ルートの一角を担う地域となっています。
恵庭市の主な観光スポットとは?

えこりん村
恵庭市を代表する体験型観光スポットが「えこりん村」です。
ここは農業やガーデニング、動物ふれあい体験など、多彩なアクティビティが集まるエリア。広大な敷地内には、四季折々に美しい花畑や温室、農場があり、子ども連れから大人まで楽しむことができます。
- 所在地: 〒061-1421 北海道恵庭市牧場281−1
- 電話番号: 0123-34-7800
- URL:https://www.ecorinvillage.com/

恵庭渓谷(白扇の滝・ラルマナイの滝など)
恵庭市の東部、支笏湖方面に位置する「恵庭渓谷」は、幾筋もの川がつくり出す美しい渓流とダイナミックな滝が点在するエリアです。
中でも有名なのが、
- 「白扇の滝」
- 「ラルマナイの滝」
- 「三段の滝」
の3つで、それぞれ趣が異なる絶景が楽しめます。秋には紅葉、冬には氷瀑の風景など、四季ごとに変わる自然美が魅力。
遊歩道や展望台が整備されているので、散策しながらマイナスイオンたっぷりの森を体感できるでしょう。
所在地: 〒061-1422 北海道恵庭市盤尻
恵庭市ガーデン群
花と緑のまちとしてのシンボルが、市内に点在する「オープンガーデン」。
市民有志や園芸愛好家が個人の庭を期間限定で一般開放し、華やかな花壇やハンギングバスケット、ガーデン雑貨などを見学できます。
北海道ならではの草花やアレンジを参考にできるほか、作り手さんとの会話を楽しめるのもオープンガーデンならではの魅力。
また、市が管理する「えにわ花のまちづくりセンター」では、ガーデニング講座やイベントなども実施し、訪問客に向けて恵庭の花文化を発信しています。
春から秋にかけて恵庭を訪れれば、美しく手入れされた庭園を巡る“フラワーツーリズム”を満喫できるでしょう。
サッポロビール北海道工場
恵庭市内にある「サッポロビール北海道工場」は、ビール好きには外せないスポットの一つ。
製造工程を見学しながら、北海道の大麦やホップを活かしたビールづくりの歴史と技術を学べます。見学後は試飲コーナーで工場直送のフレッシュなビールを味わえるのが醍醐味。
敷地内にはレストランが併設されていることも多く、ジンギスカンやビールに合うおつまみを楽しみながらの食事が可能。事前予約制の場合が多いので、公式サイトなどで見学スケジュールをチェックしておきましょう。
恵庭市の地元グルメ・特産品とは?

恵庭市のグルメといえば、まずは豊かな農産物。
トマトやジャガイモ、トウキビ(とうもろこし)などが代表的で、道の駅や直売所で新鮮野菜をお得に購入できます。
また、山あいや牧場が近いことから、牛乳やチーズ、ヨーグルトなど乳製品も人気。地元産のハーブやスパイスを使った加工品や手作りスイーツ、焼き菓子なども多彩です。
さらに、近年注目を集めているのが「えびすかぼちゃ」や「ゆりね(百合根)」などの特産品。市内の飲食店では、こうした地元農産物を活かしたオリジナルメニューが提供されることもあり、旬の時期に合わせてグルメ巡りを楽しめます。
ガーデン観光の合間に、カフェやレストランでゆったりとしたランチタイムを過ごすのも恵庭ならではの楽しみ方です。
恵庭市の祭り・イベント情報とは?
恵庭市では、四季を通じて花と緑、水をテーマにしたイベントが数多く開催されます。
代表的なのが6月頃に行われる「えにわ花とくらし展」。
市内外からガーデニング愛好家や作家が集い、花苗販売や寄せ植え教室などが行われ、多彩なフラワー作品が並びます。また、夏には「恵庭まつり」が開催され、盆踊りや花火大会、屋台グルメなどで地元の人々と観光客が一緒に盛り上がります。
さらに、秋には「恵庭市産業フェスティバル」が開かれ、野菜の収穫祭や地元企業のブース、子ども向けのイベントなどが行われるため、家族連れにも好評。
冬場は雪景色を活かしたイルミネーションや雪まつりが企画されることもあるので、訪問時期に合わせて公式サイトやSNSをチェックしておくと、見逃せない体験ができるかもしれません。
恵庭市へのアクセス・交通手段

公共交通機関
恵庭市への主なアクセス方法は以下の通りです。
JR千歳線:札幌駅から恵庭駅までは快速エアポートで約25~30分、新千歳空港駅からは約10分と非常に便利。恵庭駅周辺には市役所や商店街が集まり、バス路線も充実しているため、市内観光の拠点として活用可能です。
バス:札幌駅や大谷地バスターミナルからの路線バスが運行しており、時間帯や行き先によっては車内で高速道路を利用する場合があります。時刻表を確認のうえ計画を立てるとスムーズです。
自家用車・レンタカー
恵庭市は国道36号や道央自動車道が通り、札幌市・千歳市・苫小牧市など周辺都市からのアクセスがしやすいのがポイント。車で札幌中心部から約40分、新千歳空港から約20分と、観光ドライブには最適な立地です。
支笏湖方面へも恵庭市から直接アクセスできる道路があり、渓谷巡りやレジャースポットを巡るルートを組み立てやすいでしょう。
冬季は積雪・路面凍結に注意が必要ですが、主要道路はしっかり除雪されることが多いため、こまめな天候・道路情報のチェックを行いながら運転すれば大きな問題はありません。
恵庭市観光のモデルコース・回り方は?
【1日コース】花と渓谷でリフレッシュプラン
午前:JR恵庭駅または車で「えこりん村」周辺へ移動。農場やガーデンを散策し、動物とのふれあいや温室見学でほのぼのした時間を過ごす。

昼食:えこりん村内のレストランやカフェで牧場直送食材を使ったランチ。ソフトクリームやスイーツも味わっておきたい。
午後:恵庭渓谷エリアへドライブ。白扇の滝やラルマナイの滝を巡り、散策路をのんびり歩きながらマイナスイオンを体感。
夕方以降:恵庭市街地に戻り、ローカルな食堂や居酒屋で地元野菜やジビエ料理、地ビールなどを堪能。JRや車で札幌・千歳方面へ帰路につく。
【1泊2日コース】ガーデン&支笏湖を贅沢に楽しむ
1日目(午前):新千歳空港または札幌駅でレンタカーを借り、恵庭市へ。まずは「オープンガーデン」を巡り、市民が手がける花の庭を見学。季節ごとに異なる花々を楽しむ。
1日目(午後):ランチはえこりん村などでガーデン観光と共に軽食。午後は恵みの湯や周辺施設で温泉&リラクゼーションを満喫。夜は市街の宿泊施設に滞在。
2日目(午前):早朝、恵庭渓谷で朝の清涼感を味わいながら滝巡り。三段の滝やラルマナイの滝で写真撮影を楽しむ。
2日目(午後):支笏湖方面へ移動し、ボート・カヌー・温泉などのアクティビティを堪能。夕方には札幌や空港方面へ移動し旅を締めくくる。
北海道恵庭市観光ガイド:花と水があふれる「ガーデンのまち」で自然と食を満喫のまとめ
恵庭市は、札幌や新千歳空港といった大都市・交通拠点の近郊にありながら、花と水と緑に囲まれた癒しのスポットが豊富にそろう魅力的なまちです。
えこりん村などの体験型施設やオープンガーデンを巡る“フラワーツーリズム”をはじめ、恵庭渓谷の滝巡りで自然のパワーをもらったり、地元の農産物や乳製品を味わったりと、都市近郊リゾートともいえる多彩な旅のスタイルが実現できます。
一方、公共交通はJR千歳線がメインですが、渓谷や郊外のスポットを巡るには車があると断然便利。冬季は積雪路や凍結が起きるため、観光前に気象情報をチェックし、安全運転を心がけることが大切です。
花の季節、紅葉の季節、そして雪景色と、それぞれ違う顔を持つ恵庭の自然とグルメを、ぜひ自分の好きなタイミングで味わってみてはいかがでしょうか。