北海道千歳市観光ガイド:空の玄関口と大自然が融合する水のまち

新千歳空港の写真 北海道

千歳市ってどんな街?

北海道千歳市(ちとせし)は、札幌市の東南約40kmに位置し、新千歳空港を擁する“北海道の空の玄関口”として有名な都市です。

年間を通じて国内外から多くの観光客が訪れ、そのまま道内各地へ飛び立つための中継地点というイメージを持たれがち。しかし実は、支笏湖(しこつこ)の豊かな自然環境や、水産業・農業・工業など多彩な産業、そしてグルメやレジャー施設が充実した旅の目的地としての魅力が詰まっています。

支笏湖の写真

市名の由来ともなった「千歳川(旧・シコツ川)」や、“日本最北の不凍湖”である支笏湖が象徴するように、水資源に恵まれたまちとして古くから発展。澄んだ湧水や豊かな森林に育まれた自然景観は、札幌都市圏から車で1時間足らずとは思えないほどのダイナミックさを誇ります。

空港周辺や市中心部にはショッピングモールやホテル、アウトレットパークなどが並び、レジャーとショッピングの両方を楽しめるのも千歳観光の大きな魅力です。

千歳市の歴史と文化の背景

千歳地域には、先住民族のアイヌが太古より狩猟・採取生活を営んでいました。

アイヌ語で「シ・コッ(大きな谷)」や「シコツ(大きな窪地)」が転じて「シコツ川」と呼ばれ、それが後に“千歳川”へと和風化されたと伝えられています。

明治以降の開拓政策のなかで本州各地から移民が流入し、農業や林業を主体とする集落が形成。第二次世界大戦前後には軍事基地の建設や飛行場の整備が進み、戦後は自衛隊基地の拡張とともに現在の新千歳空港の原型が誕生しました。

1988年に開港した「新千歳空港」は、国内外の航空ネットワークの拠点として急成長し、周辺にはホテルや観光施設が集積。

さらに、支笏湖の観光地としての開発やアウトレットパークの開業も重なり、千歳市は観光と商業、産業が融合した道内有数の都市へと発展しています。

千歳市の主な観光スポットとは?

支笏湖の写真

支笏湖(しこつこ)

千歳市を象徴する観光名所が、支笏湖です。周囲約40km、最深部は360m超にも及ぶカルデラ湖で、日本最北の不凍湖として冬期でも凍結しないのが特徴。驚くほどの透明度を誇り、道内でも屈指の美しい湖面が広がります。

夏にはカヌーやボート、SUP(スタンドアップパドルボード)などのアクティビティを楽しめ、秋には紅葉、冬には神秘的な湖畔の雪景色が広がり、季節ごとに異なる表情を堪能できます。

支笏湖温泉街には旅館やホテルが点在し、疲れを癒やす湯治目的の観光客も多数。周辺には遊歩道や展望スポットが整備され、爽やかな空気のもとでトレッキングやサイクリングを楽しむにも最適です。

新千歳空港ターミナル

新千歳空港の写真

北海道観光のスタート地点となる「新千歳空港」は、実はそのまま観光スポットとしても充実度が高いエリアです。ターミナルビル内には多彩なショップやレストランが集まり、“空港限定”のスイーツやラーメン、海鮮丼など道産グルメを楽しめます。

また、映画館や温泉施設、キャラクターショップ(ロイズチョコレートワールド、ドラえもんわくわくスカイパークなど)も揃っており、フライトまでの待ち時間を余すことなく満喫可能。

ショッピングモールさながらの活気があり、“空港そのものを楽しむ”観光スタイルが定着しつつあります。

千歳アウトレットモール・レラ

空港から車で約10分の位置にある「千歳アウトレットモール・レラ」は、国内外のブランドファッションからスポーツ用品、生活雑貨まで幅広く取り扱うアウトレット施設。オープンエアの通りを散策しながらショッピングを楽しめ、飲食店やカフェも豊富に揃っています。

季節ごとのセールやイベント、北海道ならではの限定ショップも見逃せません。さらに新千歳空港から無料シャトルバスが運行されているため、飛行機の待ち時間を活用して訪れる観光客も多いです。

※しかし、ここ数年では経営不振が続き2024年11月1日「大規模商業施設」としての事実上の運営を終えました。ピーク時では140を超えるテナントが入ってにぎわっていましたが、現在では4店舗の運営となっております。

サーモンパーク千歳(千歳川のビュースポット)

サーモンパーク千歳の写真

道の駅「サーモンパーク千歳」は、千歳川沿いに位置する大型観光施設。鮭の遡上が見られる“サケのふるさと千歳水族館”や、子ども向けの遊具エリア、フードコートなどが集まり、ファミリー層にも人気です。秋には多くの鮭が川を上ってくる様子が見られ、水中観察窓からは鮭の群れを間近に観察できます。

また、千歳川の清流が織りなすのどかな風景を楽しみながら、地元食材を活かした軽食やスイーツを味わえるのもポイント。札幌方面からも車で約40分とアクセスが良く、道の駅としてドライブ途中の休憩にも最適なスポットです。

千歳水族館(ちとせすいぞくかん)

千歳水族館の写真

道の駅「サーモンパーク千歳」に隣接する水族館です。北海道の豊かな自然や千歳川に生息するさまざまな淡水魚を中心に展示を行っており、特にサケの展示が充実していることで知られています。

千歳水族館は、千歳川を中心とした北海道の淡水生物の生態系を紹介することをテーマとしています。

特に秋から冬にかけて遡上してくるサケやマスといったサケ科の魚を間近で観察することができるため、サケの産卵行動や千歳川の自然環境について学ぶのに適した施設です。

千歳市の地元グルメ・特産品とは?

千歳市のグルメといえば、まずは豊富な水資源を活かした“清流の恵み”です。

支笏湖周辺や千歳川流域では、天然のサケやマスなどが漁獲され、鮭の加工品やイクラなどが地元の名産として親しまれています。

千歳水族館や道の駅などでは、鮭の燻製やイクラ醤油漬けなどのお土産を購入することが可能。また、空港周辺の農業地帯では、ホクホクのジャガイモや甘み豊かなトウキビ(とうもろこし)などが作られ、地元直売所やスーパーで手軽に入手できます。

さらに、地ビールやクラフトビールを中心とした醸造所も増えており、新千歳空港内や市内のレストランなどで地元ならではのビールが楽しめるのも魅力。

北海道を代表する名物料理(海鮮丼、ジンギスカンなど)を出す店も多く、飛行機の待ち時間やドライブ途中でサクッと道産グルメに舌鼓を打てるのが千歳ならではの贅沢といえます。

千歳市の祭り・イベント情報とは?

支笏湖氷濤祭りの写真

千歳市では、四季を通じて多彩な祭りやイベントが開催されます。代表的なのが、冬に行われる「千歳・支笏湖氷濤まつり(ひょうとうまつり)」です。

厳冬期に支笏湖温泉街で開催されるイベントで、大きな氷像がライトアップされ、夜には幻想的な光景が広がります。寒さをものともせず多くの観光客が訪れる、支笏湖の冬の風物詩です。

また、夏には「千歳市民夏まつり」や千歳神社の例大祭などが行われ、市街地を中心に盆踊りや花火大会、露店などで賑わいを見せます。

秋にはサーモンパーク千歳で“秋味覚フェア”が催され、新鮮なサケや季節の食材を楽しむグルメイベントも。さらに、新千歳空港では季節限定のフェアや期間限定ショップが随時オープンするため、訪れる時期に合わせてイベント情報をチェックしておくと良いでしょう。

千歳市へのアクセス・交通手段とは?

JR新千歳空港の写真

公共交通機関

千歳市への玄関口は何といっても「新千歳空港」。国内外からの便が多数就航し、札幌駅や主要都市へのアクセスも便利です。

空港から千歳市街や支笏湖方面へは、主にバスやレンタカーを利用します。

JR千歳線:新千歳空港駅と千歳駅を結んでおり、札幌駅まで最速約37分。千歳駅周辺にはバス路線が集まり、市内観光の乗り継ぎ拠点として便利です。

バス:千歳駅〜支笏湖、千歳駅〜アウトレットモール・レラなどの路線が運行。空港シャトルバスや高速バスも充実しているため、時刻表を事前に確認してください。

自家用車・レンタカー

レンタカーで動きたい場合は、新千歳空港周辺に大手レンタカー会社が多く集まり、到着後すぐに借りられる環境が整っています。支笏湖までは空港から車で約40分、札幌中心部へも高速道路や国道を使えば1時間弱で到着可能。

冬季は積雪や凍結に注意が必要ですが、都市部と主要観光地は除雪が行き届きやすいため、こまめな天候チェックを行いつつスタッドレスタイヤ装着の上で走行すれば、比較的スムーズに移動できます。支笏湖周辺など山あいの道路は急カーブや斜面があるため、より一層の安全運転が求められます。

千歳市へのモデルコース・回り方とは?

【1日コース】支笏湖の自然と市内グルメを堪能

午前:新千歳空港またはJR千歳駅に到着後、レンタカーまたはバスで支笏湖へ移動。湖畔散策や遊覧船、カヌー体験などお好みのアクティビティを楽しむ。

昼食:支笏湖温泉街のレストランやカフェで地元の魚料理や名物スープカレーなどを味わう。時間に余裕があれば温泉でひと休みも◎。

午後:千歳市街へ戻り、サーモンパーク千歳で鮭の観察や地元土産探し。秋なら鮭の遡上シーズンを間近で見られる可能性大。

夕方以降:ショッピングを楽しみたいならアウトレットモール・レラへ立ち寄り、フライトまでの時間を有効活用。空港に戻って夕食やスイーツを満喫してから帰路へ。

【2日コース】空港からの広域観光&支笏湖ステイ

1日目(午前):新千歳空港到着後、まずは空港ターミナル内を散策。キャラクターショップやレストランでランチ・スイーツを楽しみ、地元のお土産をチェック。

1日目(午後):アウトレットモール・レラへ移動してショッピング。ファッションやスポーツブランド、北海道土産の新作などを巡る。夕方以降は千歳市街のホテルや支笏湖温泉街の旅館に宿泊。

2日目(午前):支笏湖にて朝日を眺めながらの散策や、早朝の澄んだ湖面を楽しむアクティビティ。

2日目(午後):千歳市街に戻り、サーモンパーク千歳や地元食堂でランチ。時間があれば支笏湖周辺をドライブし、湖の絶景スポットを巡る。夕方ごろ空港へ移動し、帰路につく。

北海道千歳市観光ガイド:空の玄関口と大自然が融合する水のまちのまとめ

北海道千歳市は、新千歳空港という交通の要衝に位置しながら、支笏湖や千歳川といった自然が創り出す絶景・アクティビティ、そしてサーモンパークやアウトレットモールなどの充実したレジャー施設を持ち合わせた観光都市です。

シンプルな乗り継ぎ地点としてだけでなく、“千歳そのものを目的地にする” 魅力が満載。夏は緑に包まれた支笏湖でリゾートを、冬は雪景色と温泉、空港でのショッピングやグルメを楽しむなど、訪れる季節やスタイルによって多彩な旅を実現できます。

一方で、支笏湖周辺の山道や冬季の積雪路などは安全運転が必須。海や山のアクティビティをする際も、天候や装備をしっかり確認し、自然を尊重した行動が求められます。

空港や市内を中心に観光情報センターや道の駅など情報収集できる場も整っているので、賢く利用して旅を充実させましょう。大自然と都市機能が融合する千歳市で、ぜひ自分なりの北海道ストーリーを体感してみてください。

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