
静岡県焼津市は、駿河湾に面した港町で、日本有数の水揚げ量を誇る焼津漁港を中心に発展してきました。新鮮なマグロやカツオをはじめとする海の幸が名物で、海鮮グルメを目当てに多くの観光客が訪れます。さらに、江戸時代の宿場町や古民家集落、文学ゆかりの記念館など、歴史と文化も楽しめる街です。今回は、港町の賑わいと自然・文化が調和する焼津市をご紹介します。
静岡県焼津市の観光スポットを巡る
海辺で迎える一日の始まり ― 朝の焼津の顔

焼津市での旅をより豊かなものにするなら、早朝の港町風情を味わうことを強くおすすめします。たとえば、釣り人が糸を垂れる焼津漁港の岸壁に立つと、ゆっくりと明るくなっていく海と空のグラデーション――静けさに包まれる水面――その中で港町がそっと目を覚ます瞬間を感じられます。
また、朝早くに焼津さかなセンターへ行くと、今しがた水揚げされた魚が並ぶ活気ある市場の様子を体感できます。市場内部ではセリの音、行き交う人々、魚をさばく職人の動きなど、視覚・聴覚・匂いすべてが「海のまち・焼津」を語ります。市場裏の休憩スペースでは、漁師さんたちと顔を合わせながら刺身定食を楽しむことも可能です。
焼津市には、港町らしい観光地から、文化や歴史を感じられるスポットまで幅広く揃っています。
焼津漁港

「焼津漁港」は、日本有数のマグロとカツオの水揚げ港として知られています。市場周辺には食堂や直売所が立ち並び、新鮮な魚介類をその場で味わうことができます。
港町ならではの活気を感じられる観光スポットです。
焼津さかなセンター

「焼津さかなセンター」は、約70店舗が集まる海鮮市場で、マグロやカツオ、干物、珍味などがずらりと並びます。食事処も充実しており、観光客に人気の立ち寄りスポットです。
お土産探しにも最適です。
小泉八雲記念館(旧小泉八雲寓居地)

文豪・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が一時期滞在した焼津には、記念館が整備されています。彼が愛した海辺の風景や、日本文化に触れた足跡を知ることができます。
文学と歴史を味わえる文化的スポットです。
花沢の里

「花沢の里」は、国の重要伝統的建造物群保存地区に指定された山間の集落です。茅葺き屋根や石畳の道が残り、江戸時代の宿場町の雰囲気を色濃く伝えています。
歴史散策におすすめの名所です。
海の恵みと手仕事に出会う体験

焼津といえば海鮮が有名ですが、「手仕事の体験」も加えると旅の印象がさらに深まります。
例えば、焼津の魚河岸では魚さばき体験を行っている店舗もあります。プロの魚さばきを目の前で見学し、自ら包丁を手に挑戦してみると、新鮮な魚の扱いに慣れていく過程が旅の記憶に刻まれます。挑戦後はその場で自分が捌いた魚を使った定食を味わえ、達成感と舌鼓の両方を味わえます。
さらに、小泉八雲記念館では、八雲が手にしたペンや原稿の複製展示だけでなく、文学朗読会が開かれる日もあります。静かに文学の世界に浸りながら、彼が焼津から受けた影響を感じるひとときも格別です。
静岡県焼津市で自然を楽しむ
焼津市は、駿河湾や山々に囲まれた自然豊かなエリアでもあります。
焼津神社と大井川の自然

「焼津神社」は、古代から続く由緒ある神社で、源頼朝や戦国武将との縁も深いとされます。周囲は自然豊かで、散策しながら歴史を感じられます。
地元の人々にも愛される神社です。
浜当目海岸

「浜当目海岸」は、透明度の高い海水と黒潮の影響を受けた豊かな海が広がります。海水浴や釣りが楽しめるほか、夕日スポットとしても人気があります。
駿河湾の絶景を堪能できる海岸です。
高草山ハイキング

「高草山」は、標高501mの山で、山頂からは駿河湾や伊豆半島、富士山まで一望できます。初心者にも歩きやすい登山道が整備されており、自然と絶景を楽しめます。
アウトドア好きに人気のハイキングコースです。
静岡県焼津市のご当地グルメを堪能
焼津市は、漁港を中心とした海鮮グルメが豊富で、観光の大きな魅力になっています。
焼津マグロ料理

焼津といえばマグロ。刺身、寿司、丼、ステーキなど多彩な料理で提供されます。特に「マグロ丼」は観光客に人気で、漁港周辺の食堂で気軽に味わえます。
鮮度抜群の贅沢グルメです。
カツオ料理

初鰹・戻り鰹の季節には、刺身やタタキなどでカツオを堪能できます。焼津ならではの鮮度の良さで、魚好きにはたまらない一品です。
旬の味をぜひ現地で味わいたいグルメです。
魚河岸シャリ丼

焼津の新名物として注目される「魚河岸シャリ丼」は、酢飯の上に好きなネタを自由に乗せて楽しめるスタイル。市場ならではの体験型グルメとして人気があります。
観光客に喜ばれる新しい味覚です。
波と緑の四季折々の表情

焼津の自然は四季に応じて大きく表情を変えます。
- 春:花沢の里では里山の菜の花や新緑が彩り、古い茅葺家屋との対比が心に残ります。花沢の里は早春の訪問がおすすめです。
- 夏:浜当目海岸では透明な海と青空が鮮やかに広がり、夕方には海に沈む夕日がロマンティックな風景を演出します。
- 秋:高草山の山頂からは駿河湾越しに富士山がくっきりと見える日があり、秋の空気とのコントラストが抜群です。紅葉に染まった山道も美しく、ハイキングに最適です。
- 冬:焼津神社の周辺の自然林では冬枯れの木立が風情を増し、凛とした空気の中で神社参拝を静かに楽しむことができます。灯りの中で参道を歩く時間は感慨深いものがあります。
静岡県焼津市の祭り・イベント
焼津市では、漁港や伝統文化にちなんだ祭りやイベントが盛んに行われています。
焼津みなとまつり

「焼津みなとまつり」は、漁港を舞台に行われる祭典で、マグロの解体ショーや屋台、ステージイベントが人気です。海の街ならではの活気を体感できます。
観光客に大人気のイベントです。
荒祭(あらまつり)

「荒祭」は、焼津神社で行われる伝統行事で、豪快な神輿の練り歩きが特徴です。地域の誇りとして継承されており、観光客もその迫力を間近で感じられます。
勇壮な雰囲気の伝統祭礼です。

モデルコース:朝から夜まで海と文化を巡る一日旅
早朝:焼津漁港で日の出とともに釣り人や市場の始動を見学。透明な空気と海の香りで目を覚ます。
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午前:焼津さかなセンターで魚さばき体験と朝食。市場の活気を肌で感じながら、新鮮な海の幸を堪能。
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昼:花沢の里へ移動し、茅葺の古民家を眺めながら里山散策。昼は集落近くの古民家カフェで地産のお茶と和菓子セットを楽しむのもおすすめです。
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午後:高草山へハイキング。山頂からの駿河湾の絶景と富士山遠望を満喫。麓で地元野菜を使ったランチも◎。
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夕方〜夜:焼津神社を参拝後、散策路で夕焼けや夜景を楽しむ時間。最後に灯りの下で誉められること請け合いの写真を撮りつつ、〆に港町の居酒屋でカツオたたきやマグロ料理を味わう。
まとめ

静岡県焼津市は、焼津漁港やさかなセンター、小泉八雲記念館、花沢の里など、港町ならではの観光と文化を楽しめるエリアです。自然では高草山や浜当目海岸があり、海と山の絶景を体感できます。グルメはマグロやカツオを中心とした海鮮料理が充実し、みなとまつりや荒祭といったイベントも盛ん。海と歴史、食文化が融合した焼津市で、活気ある街歩きを楽しんでみてください。

