北海道江別市観光ガイド:赤レンガの歴史と学園都市の魅力が交差するまち

江別駅の看板の写真 北海道

江別市ってどんな街?

北海道江別市(えべつし)は、札幌市から東へ約20kmほどの場所に位置する都市で、石狩平野の一角を担う広大な土地と豊かな自然が魅力です。

札幌都心から車やJRで30分前後とアクセスが良く、近年はベッドタウンとしての機能を強化しつつも、“赤レンガのまち” として培ってきた歴史や、大学キャンパスが点在する“学園都市” の雰囲気を併せ持つ個性豊かなエリアです。

その昔、江別一帯には「屯田兵」の開拓が進められ、農業を中心としたまちづくりが進行しました。

屯田兵のイラスト

現在も一部で農地が広がり、米や野菜など北海道ならではの食材が生産されています。さらに、明治・大正期に煉瓦(れんが)工場が相次いで建てられ、多くの赤レンガ建造物が残る独特の景観が見られるのも特徴です。

学術・産業・自然がバランスよく融合した江別市は、札幌近郊ではありながら、また違った表情を見せてくれる観光エリアといえるでしょう。

江別市の歴史と文化の背景とは?

江別市の歴史は、明治期の開拓に端を発します。

特に「屯田兵制度」による入植が大きな転換点となり、大規模な農地造成とインフラ整備が進行しました。

野幌屯田兵第二中隊本部の写真

江別で盛んに製造されていた煉瓦は、札幌市内の重要建築や道内各地の建物に使用され、その品質と生産量の多さから「赤レンガのまち」として名を馳せます。

今でも市内には昔ながらのレンガ造りの建造物や工場跡が点在し、当時の繁栄を感じさせる風景が残っています。

もう一つの大きな文化的特徴は、学園都市 としての側面です。江別市内には複数の大学・短大・専門学校が集まり、若い学生が生活する学術の拠点となっています。

そのため、学生向けの飲食店や安価で個性豊かなカフェ、地元産の食材を活かした学食イベントなど、ほかのまちにはないユニークなカルチャーが育まれているのも興味深い点です。

江別市の主な観光スポットとは?

野幌森林公園(のっぽろしんりんこうえん)

江別市・札幌市厚別区・北広島市にまたがる道内屈指の広大な森林公園で、約2,000ヘクタールもの敷地を誇ります。

公園内には原始林に近い自然が保護されており、ハイキングコースを歩けば、季節ごとに移ろう草花や樹木、野鳥のさえずりを楽しめるのが魅力。

併設されている「北海道博物館」では、アイヌ文化や北海道開拓の歴史・自然環境について学ぶことができます。また、冬季にはスキーやスノーシュートレッキングなどのアクティビティに挑戦できるスポットとしても人気です。

北海道開拓の村

北海道開拓の村の写真

同じく野幌森林公園の一角に位置し、明治〜大正期の貴重な建造物を移築・復元した野外博物館です。古い商家や農家、学校、駅舎などが再現されており、当時の暮らしぶりを肌で感じることができます。

旧開拓使時代の建築様式や人々の生活道具に触れながら、江別のみならず北海道全体の開拓史を学べる貴重な施設です。

季節によっては馬車の乗車体験や昔遊びなどのイベントも開催されるため、家族連れや歴史好きに特におすすめのスポットといえます。

北海道百年記念塔

百年記念等の写真

この記念塔は、札幌市厚別区に位置する野幌森林公園内に建設されましたが、その壮大な姿は江別市をはじめ周辺地域の風景にも溶け込み、地域のカントリーサインや校歌、校章にも取り入れられるなど、地元のシンボルとして親しまれてきました。

老朽化と解体問題

塔は複雑な構造のため、雨水の浸入や腐食が進行し、近年は安全面の懸念から立入禁止となっています。維持修理には莫大な費用(維持費30億円前後)が必要とされ、最終的には解体が決定されました。

煉瓦造りの建物と工場跡巡り

江別市はかつて煉瓦産業が盛んで、市内にはその名残を感じさせる建物が点在しています。代表的なスポットとしては、現在は複合商業施設として再生された“レンガ工場跡”や、歴史的価値のある赤レンガ建造物など。

最近では、これらの煉瓦文化を活かした再開発プロジェクトも進んでおり、古い工場跡や倉庫をリノベーションしてカフェやギャラリーとして活用する例も見受けられます。

煉瓦の風合いを残したノスタルジックな空間で食事やショッピングを楽しむのは、江別観光の大きな魅力のひとつです。

大学キャンパスエリア

道内でも珍しいほど大学が集中する江別市。

  • 酪農学園大学
  • 北海道情報大学
  • 北翔大学

などが市内にあり、各大学には学外者も立ち寄れるカフェテリアやレストランを備えています。

大学祭の時期には一般参加が可能なイベントも開かれ、学生が企画するステージショーや模擬店、研究発表などを楽しむことができます。

学術的な雰囲気と若い活気が融合するキャンパスエリアは、一般的な観光地とは一味違う刺激を与えてくれるはずです。

江別市の地元グルメ・特産品とは?

江別といえば、まず思い浮かぶのが小麦や米などの農産物。肥沃な石狩平野で育った小麦を使ったパンや麺類、米を活かした和菓子や地酒など、バラエティ豊かなグルメが楽しめます。

パンの写真

市内には地元産の食材を取り入れたレストランやベーカリーが多数あり、特にパンやスイーツは“江別らしさ”を感じられる逸品ぞろいです。

また、酪農学園大学があることから乳製品のイメージも強く、牛乳やチーズ、ヨーグルトなどを使ったメニューを提供するカフェも見られます。

街の中心部や大学周辺には学生向けのリーズナブルな食堂も点在し、ボリュームたっぷりの定食や個性的なラーメンなどに出会えることも。

農家の直売所で旬の野菜を購入したり、“のんびりした空気”の中で食を楽しむのも江別観光の醍醐味です。

江別市の祭り・イベント情報とは?

江別市では、煉瓦文化や農業・学園都市の特色を活かしたイベントが年間を通じて開催されます。

中でも注目なのが、毎年夏に行われる「えべつやきもの市」です。

レンガや陶芸文化に親しんできた土地柄もあって、多くの窯元や作家が集結し、個性あふれるやきもの作品が並ぶ光景は壮観。

また、ワークショップや体験コーナーも設けられ、子どもから大人まで手軽に陶芸に触れられるとあって人気を博しています。

そのほかにも、秋には地元産の食材を使った収穫祭的なイベントや、冬には雪と煉瓦を活かしたライトアップ企画などが開催されることがあります。

大学祭シーズン(主に秋頃)には、各大学ごとの学園祭も見逃せません。ライブステージや模擬店、学生の研究・作品展示など、一般開放されるプログラムが盛りだくさんなので、旅程に合えばぜひ参加してみましょう。

江別市へのアクセス・交通手段とは?

野幌駅の写真

公共交通機関

江別市へのアクセスは、主にJRを利用するのが便利です。

札幌駅からJR函館本線で「江別駅」や「大麻(おおあさ)駅」まで約20〜30分と近く、1時間に複数本の電車が運行しているため、日帰り観光にも適しています。駅周辺には路線バスも充実しており、市内各地や野幌森林公園方面への移動も比較的スムーズです。

自家用車・レンタカー

車での観光を検討している場合は、札幌中心部から国道12号(札幌江別通)や道央自動車道「江別西IC」「江別東IC」を利用するルートがあります。

市内や周辺エリアには広い駐車場を備えた商業施設や観光スポットも多く、ドライブ旅行との相性は良好です。ただし、冬季は積雪や凍結による道路事情の悪化が予想されるため、スタッドレスタイヤや十分な安全対策を確保して移動してください。

江別市の観光モデルコース・回り方

【半日コース】煉瓦と学園の雰囲気を気軽に楽しむ

午前:JR「江別駅」着。レンガ造りの建物や工場跡を活用した複合施設を巡り、写真撮影やカフェ休憩を楽しむ。

昼食:江別産小麦を使ったパンやピザの店などで軽めのランチ。

午後:バスまたはタクシーで「酪農学園大学」周辺へ移動し、キャンパス内の学食やカフェでスイーツを堪能。学生街の雰囲気も味わえる。

帰路:再びJRで札幌へ戻り、他エリアの観光へつなげる。

【1日コース】自然・歴史・グルメをしっかり満喫

午前:JR「森林公園駅」または「新札幌駅」からバスを利用し、「野幌森林公園」へ。ハイキングコースを散策し、大自然のなかで森林浴。

昼食:園内または近隣の施設で軽食をとり、「北海道博物館」を見学してアイヌ文化や北海道の開拓史を学ぶ。

午後:同敷地内の「北海道開拓の村」で歴史的建造物を見学。馬車乗車体験などイベントがあればぜひ参加。

夕方以降:バスで江別駅方面へ移動し、レンガ造りの街並みを散策。夕食は地元食材を使ったレストランやベーカリーカフェでのんびり過ごす。

北海道江別市観光ガイド:赤レンガの歴史と学園都市の魅力が交差するまちのまとめと注意点

北海道江別市は、煉瓦文化が根づいた歴史的景観と、学生の街ならではの活気が絶妙に共存するユニークなまちです。

自然豊かな野幌森林公園や開拓期の建造物群など、見応えある観光スポットが点在しながら、札幌駅から電車で30分ほどというアクセスの良さも大きな魅力。大学キャンパスでの学祭や陶芸イベントなど、ほかの観光地にはない体験を楽しめるチャンスがあるのも江別ならではでしょう。

ただし、冬季は積雪や凍結が原因で交通網が乱れやすく、バスの運行本数やダイヤにも変動が生じることがあります。特に国道12号線では札幌へ向かう車線、江別へ向かう側の両方の車線で渋滞が起きる事がありますのでご注意ください。

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