苫小牧市ってどんな街?
北海道苫小牧市(とまこまいし)は、北海道の南西部、太平洋沿岸に位置する工業・港湾都市です。
札幌からは車またはJRで約1時間、新千歳空港からは車で30分ほどの距離にあり、北海道の物流拠点としても重要な役割を担っています。
フェリーターミナルが整備され、本州方面(主に仙台や名古屋、大洗など)との海路が発着することから、「海の玄関口」としても知られている街です。
苫小牧市の魅力は、なんといっても“広大な自然”と“海の恩恵”を同時に味わえる点。
日高山脈から続く緑豊かな丘陵地帯や、国立公園の一部となる湖沼が近くにあり、海岸線では新鮮な魚介類を味わうことができます。
また、工業都市としての歴史が深く、港湾施設や大規模工場の夜景を観光資源として楽しむ人も。都会的な便利さと北海道らしいダイナミックな自然が共存する、そんな魅力あふれる街が苫小牧です。
苫小牧市の歴史と文化の背景とは?
苫小牧の歴史を振り返ると、アイヌ語で「マコマイ(濃い湿地)」に由来する地名が示す通り、元々は湿地や原生林が広がるエリアでした。
明治以降、本州からの移住が進み、製紙業や製材業などの産業が発達。明治時代後期に港の整備が始まると、苫小牧港は北海道の太平洋側における重要な港湾として急速に発展しました。

昭和以降になると、日本の高度成長期に合わせて石油化学や鉄鋼、紙パルプといった大規模工場が次々と操業を開始。
工業都市として栄えつつ、港湾施設の拡張とフェリー航路の就航により、本州〜北海道を結ぶ交通の要衝へと成長しました。一方、日高山脈や支笏湖など周辺の自然資源を活かした観光やレジャーも盛んで、「工業」と「自然」が調和する独特の文化が根づいています。
苫小牧市の主な観光スポットとは?

樽前山(たるまえざん)と支笏湖(しこつこ)
苫小牧市のシンボル的存在でもある「樽前山」は、標高1,041mの活火山です。
頂上付近は森林限界を超えており、荒々しい噴火口と太平洋まで見渡せる絶景が同居するダイナミックな景観が楽しめます。初心者でも比較的登りやすいコースが整備されているため、夏から秋にかけてのハイキングにぴったり。
また、樽前山の北側に位置する「支笏湖」は、日本有数の透明度を誇るカルデラ湖。
湖畔ではカヌーやボート、冬季にはワカサギ釣りなど、四季を通じて多彩なアクティビティを満喫できます。付近の温泉施設に立ち寄って、登山やアウトドアの疲れを癒やすのもおすすめです。
支笏湖の情報は千歳市のページにもご紹介しております。

ウトナイ湖
苫小牧市の東部にある「ウトナイ湖」は、ラムサール条約に登録されている渡り鳥の楽園です。白鳥やガン、カモ類など数多くの野鳥が飛来し、バードウォッチャーにとって外せないスポット。
湖畔には「ウトナイ湖サンクチュアリ(日本野鳥の会)」のネイチャーセンターがあり、季節や時期に合わせた自然観察会やイベントが開催されています。
散策路も整備されているので、家族連れでも手軽に野鳥観察や湖畔の風景を楽しめるでしょう。

マルトマ食堂と港エリア
苫小牧といえば“ホッキ貝”が名物ですが、そのホッキをはじめとする魚介類を思う存分味わえるのが「港エリア」。
中でも「マルトマ食堂」はメディアにも頻繁に取り上げられる人気店で、ボリュームたっぷりの海鮮丼やホッキカレーが有名です。
行列必至ですが、回転が早いので比較的スムーズに入店できます。
港周辺には、フェリーターミナルや大規模工場群があり、夜には工場夜景を楽しむドライブコースとしても人気。

迫力あるプラントの配管や灯りが織りなす近未来的な風景は、日中とはまた違う苫小牧の魅力を感じさせてくれます。

ノーザンホースパーク
馬産地として有名な「社台ファーム」が運営する体験型テーマパークです。
苫小牧市市街地からはやや離れていますが、新千歳空港から車で10〜15分ほどとアクセスしやすい場所に位置します。
広大な敷地内では乗馬や馬車、サイクリングなどを楽しめ、子どもから大人まで馬とのふれあいができるのが魅力。
レストランやショップも併設されているため、ゆったりとした一日を過ごすのに最適です。馬好きの方はもちろん、動物とのふれあいを求める旅行者にもおすすめのスポットです。

苫小牧市サンガーデン
北海道苫小牧市にある花と緑を活用した市民参加型のガーデン拠点です。
市民やボランティアが主体となって花壇づくりや緑化活動を行い、地域の景観向上と環境保全、さらには観光・交流の促進に貢献しています。
ガーデニング教室や季節ごとのイベント、子ども向けの自然体験など多彩なプログラムを開催し、幅広い世代が気軽に参加できるのが特徴です。
また、四季折々の花や草木を楽しめるため、地元住民や観光客の憩いの場として親しまれています。
公式サイトでは活動内容やイベント情報、参加方法などが随時紹介されており、ボランティアへの参加も呼びかけています。
苫小牧市サンガーデンは、「花と緑による地域づくり」「環境教育と市民交流の場づくり」を目的に、行政やNPO、企業、地域住民が連携して運営するコミュニティの拠点として、苫小牧市の魅力発信とまちづくりに大きく貢献しています。
公式サイト:http://tomakomai-sungarden-zoen.org/
苫小牧市の地元グルメ・特産品とは?

苫小牧といえば、まず挙がるのがホッキ貝。
国内屈指の水揚げ量を誇り、寿司や刺身、カレーやラーメンの具材など、多彩なアレンジで味わえます。
特にホッキカレーは地元名物で、ホッキの旨味が溶け込んだルーが絶品。港町ならではの新鮮な魚介類はほかにも豊富で、サケやサンマ、秋にはシシャモなど季節の味覚を楽しめます。
また、苫小牧は製紙業や食品加工業などの工場が多いことから、そこで生まれる副産物やこだわり食材を使ったグルメも見逃せません。
ソーセージやチーズなど地元ブランドが存在し、道の駅や市内のアンテナショップで購入できます。甘党には、苫小牧発祥の“アイスキャンディー”や牛乳ソフトクリームなどもおすすめです。
苫小牧市の祭り・イベント情報とは?
苫小牧市では港や海にちなんだイベントが多く開催されます。
中でも、「港まつり」は毎年夏に行われる市内最大級の祭りで、パレードや神輿、ステージイベント、花火大会などが盛大に行われ、地元住民と観光客が一緒になって盛り上がります。
また、冬には「とまこまいスケートまつり」が有名です。
氷都(スケートの街)とも呼ばれる苫小牧では、屋外の特設リンクでのスケート体験やスノーアクティビティ、雪像コンテストなどが行われ、冬ならではの楽しさを味わえるのが魅力。
ホッキ貝を使った屋台メニューをはじめ、北海道グルメもイベント期間中に堪能できるので、食とスポーツの祭典としておすすめです。
苫小牧市のアクセス・交通手段とは?

公共交通機関
苫小牧市へは、札幌駅からJR室蘭本線の特急・普通列車を利用し、約1時間前後で到着します。
また、新千歳空港から直通のバスやJR線を使う場合、所要時間は30分〜40分ほど。
市内の主要駅はJR苫小牧駅のほか、室蘭本線沿いに「沼ノ端(ぬまのはた)駅」「錦岡(にしきおか)駅」などがあります。
市内中心部での移動は路線バスやタクシーがメインですが、観光スポットによっては本数が限られるため、事前に時刻表を確認しておくと安心です。
自家用車・レンタカー
札幌から道央自動車道を利用して約1時間、新千歳空港からは道道を使って30分ほどで苫小牧市街地に到着します。
支笏湖や樽前山、ノーザンホースパークなど郊外の観光地を巡る場合は、レンタカーがあると便利です。
港町らしい広々とした道路と駐車場が多い反面、冬季の積雪・凍結には十分注意が必要。また、フェリーターミナルを使う場合も車載フェリーを利用すればそのまま道内観光を続けられる利点があります。
苫小牧市観光のモデルコース・回り方とは?
【1日コース】海の幸と自然を堪能する苫小牧旅
午前:JR苫小牧駅に到着後、港エリアへ直行。「マルトマ食堂」などで朝食や早めのランチを堪能。ホッキカレーや海鮮丼を味わいつつ、港の雰囲気を満喫。
昼前後:レンタカーまたはバスで「ウトナイ湖」へ移動。ネイチャーセンターで野鳥や自然を観察し、湖畔の遊歩道を散策。
午後:さらに車で支笏湖方面へ移動。時間があれば「樽前山」の中腹までドライブし、展望の良い場所で太平洋を一望。支笏湖畔で湖の景色を堪能しつつカフェ休憩もおすすめ。
夕方以降:苫小牧市街に戻り、工場夜景スポットを車窓からドライブ。余力があれば、夜は居酒屋で地元の魚介やソーセージ、地酒を楽しむ。
【半日コース】フェリー利用者にもおすすめ
午前:苫小牧港フェリーターミナル到着後、タクシーやバスでJR苫小牧駅方面へ。駅周辺で荷物を預ける。
昼食:駅周辺または港エリアで名物のホッキ料理を味わう。短時間でも苫小牧ならではの海鮮グルメを楽しもう。
午後:バスまたはタクシーでウトナイ湖や「樽前山神社」などへ短い観光。時間に余裕があれば土産物店をのぞき、地元特産品をゲット。
夕方:再びフェリーターミナルへ戻り、船旅を続行。またはJRで札幌方面へ移動し、道内観光を引き継ぐ。
北海道苫小牧市観光ガイド:海と森に抱かれた港町の新鮮グルメと自然を満喫のまとめ
苫小牧市は、北海道の太平洋側を代表する港湾都市として発展してきた歴史と、日高山脈や支笏湖といった雄大な自然が両立する魅力的なエリアです。
ホッキ貝をはじめとする新鮮な海の幸や工場夜景、渡り鳥の楽園であるウトナイ湖など、観光客が楽しめる要素が幅広く揃っています。
札幌や新千歳空港からのアクセスも良好で、フェリーターミナルがあるため、本州〜北海道を結ぶ旅の拠点として活用するのも良い選択肢でしょう。