福島県郡山市ってどんな街?
福島県郡山市(こおりやまし)は、県のほぼ中央に位置し、“中通り”と呼ばれる地域の交通と経済の拠点として発展してきた都市です。
古くは「安積郡」(あさかぐん)と呼ばれ、明治以降に国策による安積疏水(あさかそすい)の開削により農業や工業が急速に発展。現在では東北新幹線・東北自動車道・磐越自動車道が交差する東北地方有数の交通ハブとして、多方面からのアクセスが良好です。
また、市内には湖沼や山岳地帯が広がり、猪苗代湖(いなわしろこ)へも程近いことから自然観光に恵まれています。

さらに、“音楽都市”としてコンサートホールやイベントが盛んで、市民文化の拠点「ビッグパレットふくしま」での大規模催事も注目度が高い。歴史・文化・芸術・自然が融合した“ハブタウン”として、郡山市は多彩な魅力を発信しています。
福島県郡山市の歴史と文化の背景とは?
郡山市周辺は、古来より奥州(おうしゅう)の要衝として栄え、戦国期や江戸期には二本松藩や会津藩との境界地域として位置づけられることも多く、商業や農業を主体に発展。
明治時代には“日本の灌漑史”でも重要なプロジェクトである「安積疏水」が完成し、猪苗代湖からの豊富な水を農地や工業用水に活用することで地域経済が飛躍的に成長しました。
大正・昭和期には鉄道(東北本線・磐越西線など)の整備や工業団地の誘致が進み、近年では文化施設や商業施設が次々に誕生。
音楽や芸術、スポーツなど多方面でのイベントが催される“活気ある地方都市”として注目を集めています。大規模催事やビジネスの要衝としての顔と、周辺の自然環境を楽しむ観光拠点としての顔をあわせ持つのが、郡山市の特徴といえるでしょう。
福島県郡山市の主な観光スポットとは?

開成山公園
郡山市を象徴する公園といえば「開成山公園」。明治期の安積疏水完成に合わせて造成された背景があり、園内には開成山大神宮や大噴水、バラ園など見どころが満載。
春には約1300本の桜が咲き誇る名所として有名で、夜間のライトアップも行われ、多くの花見客でにぎわいます。
公園の東側にはビッグパレットふくしまや大型商業施設があり、イベントやショッピングとあわせて観光を楽しめます。

安積疏水(あさかそすい)
郡山市の発展を象徴する歴史的プロジェクトが「安積疏水」。
猪苗代湖から取水し、川を経由して郡山盆地へ水を引き込み、農地や工業用水を確保するために明治期に施工された大規模灌漑用水路です。
現在でも水路沿いには公園や遊歩道が整備され、風情ある散策が可能。

郡山市ふれあい科学館スペースパーク
郡山駅西口のランドマーク「郡山市ふれあい科学館スペースパーク」では、科学展示やプラネタリウムが楽しめ、特に宇宙や地球の仕組みを学べる体験型イベントが人気。
駅から直結しており、雨天時や小さな子ども連れでも安心して遊べるスポットです。

磐梯熱海温泉
市内北西部には「磐梯熱海温泉」が広がります。“東北の熱海”とも呼ばれ、古くから療養と保養を目的に多くの湯治客や観光客が訪れる名湯。
弱アルカリ性単純泉を中心に、肌触りが柔らかで“美肌の湯”としても定評があります。温泉街には旅館やホテルが点在し、露天風呂や地元食材を使った郷土料理が堪能できるのが魅力。
周辺には四季の自然を感じられる散策コースもあり、湯上りに渓流や森林を歩くのもおすすめです。

逢瀬川(おうせがわ)
郡山市は、阿武隈川の支流がいくつも流れ、周辺に果樹園が点在。とりわけ逢瀬川(おうせがわ)沿いには桃や梨、リンゴなどの果樹畑が広がる「フルーツライン」が人気のドライブコース。
春には桃や梨の花が一斉に咲き乱れ、夏〜秋には果物狩りが楽しめる観光農園が数多くオープン。甘く香る果実を自分で摘んで味わう体験は格別で、カップルやファミリーに大好評です。
福島県郡山市の地元グルメ・特産品

桃・梨・リンゴ
福島県は全国有数の桃の生産地として知られ、特に郡山市産の桃は甘みとジューシーさが抜群で、夏には直売所や観光農園が盛り上がります。
続いて秋には梨やリンゴが旬を迎え、果汁溢れる新鮮な果物を堪能。市内のアンテナショップや道の駅、スーパーでも地元産果物が多数販売され、季節限定のスイーツや加工品もぜひ試してみたい一品です。

クリームボックス(ご当地パン)
郡山市発祥のご当地グルメとして、「クリームボックス」というパン菓子が若者を中心に人気。
厚切りの食パンにミルク風味のクリームを塗ったシンプルなお菓子で、甘すぎないクリームとふわふわのパンが相性抜群。
市内のパン屋やコンビニなどで手軽に購入でき、旅のおやつや朝食にもおすすめです。似たようなバリエーションも多く、各店ごとに微妙に味が異なるのも魅力。
福島県郡山市の祭り・イベント情報

あさか野夏まつり花火大会
あさか野夏まつり花火大会は、福島県郡山市で毎年8月14日に開催される夏の風物詩です。
会場となるAGCエレクトロニクス郡山カルチャーパーク周辺は広大なオープンスペースが広がり、家族連れなど多くの観客が訪れます。
花火は近隣の田園地帯から打ち上げられるため、視界を遮るものが少なく、360度どの角度からでも美しい花火を楽しむことができます。
あさか野夏まつり花火大会
https://asaka-s.or.jp/asakanohanabi/
郡山うねめまつり(8月)
郡山市中心部では「郡山うねめまつり」が8月上旬に行われ、江戸期から伝わる“采女(うねめ)伝説”に由来する踊りやパレードが開催されます。
うねめ踊りには多くの市民が参加し、華やかな衣装と太鼓のリズムで盛り上がりを見せる夏祭り。駅前大通り一帯が歩行者天国になり、観光客も一緒に踊りを楽しめる参加型のお祭りとして好評です。
福島県郡山市へのアクセス・交通手段とは?

公共交通機関
新幹線:東京駅から東北新幹線で郡山駅まで約1時間20分〜1時間40分。仙台からは約40分。
在来線:磐越西線や東北本線、磐越東線などで会津若松やいわき方面へアクセス可能。
高速バス:首都圏や仙台方面からも高速バスが多数運行。郡山駅前バスプールで下車。
自家用車・レンタカー
高速道路:東北自動車道「郡山IC」「郡山南IC」や磐越自動車道「郡山東IC」から市内中心部へアクセス。
駐車場事情:開成山公園やイベント時の会場周辺は混雑必至。公共交通機関や時間をずらした行動が便利。
福島県郡山市観光のモデルコース・回り方とは?
【1日コース】市内観光と果樹園体験
- 午前:郡山駅着後、まずは「開成山公園」へバスまたは車で移動。園内を散策し、開成山大神宮やバラ園、大噴水を見学。春は桜、秋は紅葉を楽しめる。
- 昼食:公園周辺のレストランや市街地で、郡山名物「クリームボックス」をおやつに。ランチに地元食材を使ったメニューを味わうのも◎。
- 午後:釈迦堂川フルーツライン方面へ足を伸ばし、観光果樹園で桃・梨・リンゴなどの収穫体験を楽しむ(季節による)。
- 夕方以降:郡山駅周辺に戻り、居酒屋やレストランで地酒や郷土料理を堪能。新幹線またはバスで帰路につく。
【2日コース】温泉・歴史散策+イベント満喫
- 1日目(午前):東京駅から東北新幹線で郡山駅着。車やバスで「磐梯熱海温泉」へ(約20分)。温泉旅館で日帰り入浴やランチ、散策を楽しむ。
- 1日目(午後):郡山市ふれあい科学館スペースパーク(郡山駅上階)や安積疏水史跡の散策を行い、郡山発展の歴史を学ぶ。夜は「郡山うねめまつり」(8月)や「こおりやま花火大会」(8月上旬)にあわせて旅程を組むと祭りの熱気を味わえる。
- 1日目(夜):郡山駅近くのホテルに宿泊。祭り期間中は交通規制や宿不足が予想されるため早めに予約を。
- 2日目(午前):レンタカーで周辺の里山や直売所を巡り、果物や地元野菜を購入。時間があれば郡山石筵ふれあい牧場などレジャー施設へ足を伸ばすのもいい。
- 2日目(午後):郡山駅へ戻り、お土産を買い込み新幹線で帰路へ。シーズンによっては花火大会や音楽フェスなどもチェック。
福島県郡山市観光ガイド:湖と歴史、芸術が織りなす“中通りのハブタウン”のまとめ
福島県郡山市は、“桃・梨・リンゴ”など果物王国としての一面と、磐梯熱海温泉や開成山公園など豊かな自然とレジャーが魅力の拠点都市。
東北新幹線や主要高速道路が交差する交通ハブとして、東北地方の観光ルートに組み込みやすく、日帰り・週末旅にも適しています。