福島県会津若松市観光ガイド:戊辰の歴史と伝統文化が息づく“会津の鶴ヶ城のまち”

鶴ヶ城の写真 会津若松市

福島県会津若松市ってどんな街?

福島県会津若松市(あいづわかまつし)は、福島県西部の会津地方に位置する城下町で、戊辰戦争の舞台として全国に名を馳せました。

会津盆地の中心にあり、藩政時代からの歴史・文化を色濃く残しつつ、豊富な温泉や会津漆器などの伝統工芸、さらには会津塗、会津木綿、日本酒など“会津ブランド”を活かした観光が盛んです。

また、磐梯山(ばんだいさん)や猪苗代湖など自然豊かな周辺地域への玄関口としても機能し、JR磐越西線やバスなどを利用して多彩な観光ルートを組むことができます。

磐梯山の写真

江戸時代には会津藩(松平容保を藩主とする)による教育や武士道精神が育まれ、戊辰戦争での白虎隊の悲劇が語り継がれるなど、歴史ロマンを感じさせるエピソードが多彩。

市内には鶴ヶ城をはじめ、武家屋敷や寺社、明治期の洋館など文化財が点在し、“会津まつり”や“彼岸獅子”など伝統行事も盛りだくさん。

さらに、ソースカツ丼や会津ラーメンなどのB級グルメも人気で、歴史と食の両面から旅行者を惹きつける町として高い評価を得ています。

福島県会津若松市の歴史と文化の背景とは?

会津若松市の歴史は、戦国期には蘆名氏(あしなし)や伊達氏の支配を経て、江戸時代に入り蒲生氏や加藤氏を経て会津松平家(徳川家康の血筋)が治めたことで安定した藩政が確立。

特に松平容保(まつだいら かたもり)の時代、幕末の動乱期に会津藩は幕府側として戊辰戦争を戦い、大きな悲劇を経験しました。

そのなかで若き士たちの悲壮な物語(白虎隊)や藩主・家臣団の武士道が広く知られるようになり、“義と誠”を重んじる会津魂が今も市民の誇りとなっています。

明治以降は一時的に“若松”と呼ばれた時代を経て昭和期に“会津若松市”と改称。

鉄道(磐越西線など)の敷設や近代産業の導入を通じて発展を続け、平成以降の観光ブームでは歴史観光と温泉・自然を組み合わせた旅が定着。近年は海外からの観光客も増え、国際的な歴史観光都市としての側面も持っています。

福島県会津若松市の主な観光スポットとは?

鶴ヶ城の写真

鶴ヶ城(会津若松城)

会津若松市を象徴するランドマークが「鶴ヶ城(会津若松城)」です。豊臣政権下で蒲生氏郷(がもう うじさと)が築いたとされ、江戸期に会津松平家の居城として活躍。

戊辰戦争では新政府軍との激戦の舞台ともなりました。現在の天守閣は1965年に復元されたもので、五層の朱瓦が特徴的。

天守閣内部は郷土博物館として会津の歴史を展示し、最上階から市街地や周囲の山々を一望できます。桜の名所としても有名で、春にはお花見客で賑わい、夜間ライトアップされた天守閣が美しいです。

武家屋敷の写真

武家屋敷(会津藩家老 西郷頼母邸など)

鶴ヶ城近くには、会津藩家老・西郷頼母(さいごう たのも)邸を中心とした武家屋敷が再現されており、会津藩家臣の暮らしぶりや風習を感じられます。

庭園や当時の建築様式、日常道具などが展示され、当時の武士たちの生活がイメージしやすいのが魅力。ガイド付きの見学コースもあり、会津藩の歴史や白虎隊の悲劇の背景を深く理解する助けにもなります。

白虎隊自刃の地の写真

飯盛山(白虎隊自刃の地)

戊辰戦争の最中、若き白虎隊士中二番隊(16〜17歳の少年たち)が篭城する鶴ヶ城の火災を見間違え、ここで自刃を遂げた悲劇の場所が「飯盛山」。

山頂付近には、白虎隊十九士の墓や記念碑、そして彼らが自刃した史跡が残り、多くの観光客や修学旅行生が手を合わせに訪れます。

参道は短いながら急斜面なため、スロープ式のエスカレーターも整備され便利。頂上からは鶴ヶ城を望む絶景も広がります。

会津さざえ堂の写真

会津さざえ堂

会津さざえ堂は、福島県会津若松市の飯盛山に位置する、高さ16.5メートルの六角三層の仏堂です。正式名称は「円通三匝堂(えんつうさんそうどう)」といい、1796年(寛政8年)に建立されました。​

この建物の最大の特徴は、世界的にも珍しい二重らせん構造の木造建築であることです。内部は上りと下りが別々の通路になっており、参拝者はすれ違うことなく一方通行で巡ることができます。​

かつて堂内には西国三十三観音像が安置されており、参拝者はこのお堂を巡ることで三十三観音参りができるとされていました。​

この独特な建築様式と歴史的価値から、1996年(平成8年)に国の重要文化財に指定されています。​

東山温泉の写真

東山温泉(ひがしやまおんせん)

会津若松市街地からわずか車で10分ほどの場所に、1300年の歴史をもつ奥座敷「東山温泉」が広がります。

芦名氏が戦国期に温泉を発見したとも伝わり、以後は会津藩の保養地としても使用。

渓流沿いに旅館やホテルが建ち並び、四季の景観と温泉を同時に楽しめるのが魅力。露天風呂からの新緑や紅葉、雪見風呂などが人気で、美肌効果を期待する女性客にも好評です。

福島県会津若松市の地元グルメ・特産品とは?

ソースカツ丼の写真

ソースカツ丼・会津ラーメン

会津地方のご当地グルメといえば、まず「ソースカツ丼」が有名。

揚げたてのカツをウスターソース系のタレにくぐらせ、千切りキャベツの上に盛り付けるスタイルが定番で、あっさりしつつもボリューム満点。市内の食堂や専門店で提供されており、店舗ごとに秘伝のソースを仕込むなど個性を競っています。

また、「会津ラーメン」は喜多方ラーメンの影響も受けながら、醤油味ベースのあっさりスープとコシの強いちぢれ麺を特徴とする店が多い。地元産野菜やチャーシューを使うなどバリエーション豊かで、ハシゴ食べ歩きも面白いでしょう。

会津木綿の写真

会津漆器・会津木綿

会津塗(会津漆器)は、全国的にも知られる伝統工芸品で、鮮やかな塗りと金銀の蒔絵が見事な器類や、シンプルで上品なデザインの現代用食器まで多彩。

市内には工房や職人が営む店が点在し、製作工程を見学できたり、漆器の絵付け体験が行われる場合もあります。

さらに、江戸期から織られている「会津木綿」も注目。丈夫で温かみのある風合いが特徴で、近年はファッション雑貨やインテリア素材として人気上昇。お土産や日常使いとしてセンスある一点を探すのも楽しいです。

福島県会津若松市の祭り・イベント情報とは?

会津まつりの写真

会津まつり

毎年9月22日〜24日に開催される「会津まつり」は、秋の大祭で、初日には武者行列が会津若松市内を練り歩く姿が壮観。

白虎隊や各藩士をイメージした衣装を纏った市民が大挙して行進し、観光客も時代劇さながらの雰囲気を味わえます。

藩公行列や会津塗・会津木綿などの伝統工芸品の展示・即売会なども行われ、会津の歴史と文化を体感できる大きなイベントです。

起き上がり小法師の写真

初市

江戸時代から続く「初市」(はついち)は、1月上旬に市内で行われる伝統市。

だるまや縁起物、農産物などが店を連ね、正月ムードを残しながら多くの人が一年の幸福を祈って買い求めます。

赤べこや起き上がり小法師など会津の民芸品も勢揃いし、商店街が活気に包まれる光景が見られるため、冬の会津観光の一興にもなっています。

福島県会津若松市へのアクセス・交通手段とは?

JR会津若松駅の写真

公共交通機関

新幹線:東京駅から東北新幹線で郡山駅(約1時間20分〜1時間40分)へ、JR磐越西線に乗り換えて会津若松駅(約1時間20分)。

在来線・バス:仙台駅や新潟方面からの高速バス路線もあり、会津若松駅バスターミナルを拠点に市内各地へ移動が可能。

観光周遊バス:市内には「ハイカラさん」「あかべぇ」などレトロデザインの周遊バスが運行し、鶴ヶ城や飯盛山など主要観光スポットを効率よく回れる。

自家用車・レンタカー

高速道路:磐越自動車道「会津若松IC」から市中心部まで約15分。

駐車場事情:鶴ヶ城周辺や市街地は観光シーズン(春・秋の連休など)に混雑が発生することがあるため、公共交通機関の利用や早めの行動が推奨。

福島県会津若松市観光のモデルコース・回り方とは?

【1日コース】城と歴史巡り&温泉を堪能

  1. 午前:郡山駅から磐越西線で会津若松駅到着。まずはバスターミナルやレンタカーで鶴ヶ城へ移動し、天守閣と敷地内の歴史資料を見学。桜シーズンや紅葉時期は写真映えするのでカメラを忘れずに。
  2. 昼食:市内の食堂や郷土料理店でソースカツ丼、または会津ラーメンをいただく。時間があれば武家屋敷や街中を散策。
  3. 午後:飯盛山へ足を伸ばし、白虎隊自刃の地やお墓を参拝。歴史ロマンと哀愁を感じた後は、公共交通または車で飯坂温泉へ(移動時間は1時間弱)。
  4. 夕方〜夜:飯坂温泉の日帰り施設や旅館の外湯を楽しみ、新幹線・夜行バスで帰路につくか、温泉宿に泊まり翌日さらに観光を楽しむ。

【2日コース】自然&文化たっぷりコース

  1. 1日目(午前):東京駅などから新幹線で郡山駅、磐越西線に乗り換え会津若松駅へ。ホテルに荷物を預け、まず鶴ヶ城周辺を散策し歴史情緒に浸る。
  2. 1日目(午後):ハイカラさんバスやレンタサイクルなどで、武家屋敷や歴史スポットを巡った後、会津塗や地元酒蔵を見学。夜は地元居酒屋で馬刺しや地酒、会津ラーメンを満喫し、会津若松駅近くで宿泊。
  3. 2日目(午前):飯盛山で白虎隊ゆかりの地を見学し、歴史のロマンに想いを馳せる。その後、バスまたは車で東山温泉へ移動(約15分)し、温泉街を散策。
  4. 2日目(午後):東山温泉で昼食&湯浴みを楽しみ、会津若松駅へ戻り新幹線か高速バスで帰路へ。途中、フルーツシーズンであれば道の駅や直売所で果物を購入しても◎。

福島県会津若松市観光ガイド:戊辰の歴史と伝統文化が息づく“会津の鶴ヶ城のまち”のまとめ

福島県会津若松市は、「鶴ヶ城」「白虎隊」「会津漆器」「ソースカツ丼」といった歴史・文化・グルメの宝庫として多くの観光客を迎えています。

四季折々で表情を変える自然環境とともに、飯坂温泉・高湯温泉など名湯も充実。県外からのアクセスも新幹線や高速道路で比較的スムーズなため、日帰りまたは1〜2泊の旅程を組みやすいのもポイントです。

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