帯広市ってどんな街?

帯広市(おびひろし)は、北海道の東部、十勝(とかち)地方の中心都市として発展してきました。
十勝川の下流域に広がる肥沃な土地と、四方を囲む山々からの清らかな水に恵まれ、農畜産業や酪農が盛んです。
市街地は碁盤の目状に整備されており、開拓時代の計画的な街づくりの名残が感じられます。広大な農地や牧場が点在する郊外では、北海道らしい風景を満喫できるのが魅力です。
また、帯広は国内外に知られる名物グルメやユニークな観光資源が多彩に存在し、「食」と「自然」を存分に楽しめる観光都市として注目を集めています。
特に道内でも有数の“スイーツ王国”として、豊富な乳製品や小麦を活かしたお菓子文化が発達。
ソフトクリームやケーキ、洋菓子ブランドの本店などが市街地に点在し、甘党にとっては天国のようなエリアです。
加えて、北海道遺産にも選定されている「ばんえい競馬」や、まるで絵本から飛び出したような庭園など、“十勝ならでは”の魅力をぎゅっと凝縮した旅先といえるでしょう。
帯広市の歴史と文化の背景とは?
帯広は、明治時代に本州各地から移住してきた開拓団によって切り拓かれました。
十勝平野の中央に位置し、大河・十勝川の流れを活かした農業用水路や畑地整備が進められた結果、肥沃な土壌を活かした大規模農業が発展したのが特徴です。
小麦や豆類、ジャガイモなどの作物だけでなく、畜産も盛んになり、酪農王国として道内屈指の生産量を誇るようになりました。
さらに、帯広の文化を語るうえで外せないのが「ばんえい競馬」です。
明治末期に農耕馬の力自慢を競うレースとして始まり、現在は世界唯一の“重いそりを曳く競馬”として北海道遺産に指定されています。
農業と馬文化が深く結びついてきた歴史は、多くの観光客にも興味をもたれる独自の伝統として根づいているのです。
帯広市の主な観光スポットとは?

ばんえい十勝(帯広競馬場)
帯広市といえば、世界で唯一の「ばんえい競馬」が行われることで有名です。
普通の競馬とは異なり、1トン近い重りが載った鉄そりを力強く引きながら、砂のコースを馬がゆっくり進みます。
迫力あるレースの雰囲気や、ゴール前の“坂”を必死に乗り越える馬の姿は一見の価値あり。
競馬場内にはレストランや軽食コーナー、キッズスペースもあるため、家族連れでも楽しめます。初心者向けの馬券購入ガイドや体験コーナーが充実している点も嬉しいポイントです。
とかちむら
とかちむらは、北海道帯広市のばんえい十勝(帯広競馬場)敷地内にある観光複合施設です。
北海道帯広市にある道の駅で、地元十勝の特産品やグルメを楽しめる観光施設です。新鮮な農産物、加工品、地元の飲食店が並び、北海道の風味を堪能できます。また、観光情報提供や地域文化も学べるエリアがあり、観光客にとって便利で魅力的な立ち寄りスポットです。
十勝産の新鮮な農産物や加工品を販売する「産直市場」、地元食材を活かした飲食店、地域の特産品・お土産を扱うショップなどが集結しています。
競馬場併設の立地を活かして、ばんえい競馬観戦と合わせて楽しむことも可能。季節ごとにイベントが開かれ、地元の文化や食を体験しやすいスポットとして人気です。

六花の森・真鍋庭園
十勝の自然とアートを堪能したいなら「六花の森」がおすすめです。
有名製菓メーカー「六花亭」の包装紙に描かれる花々をテーマにした庭園で、可憐な野の花たちが季節ごとに咲き誇ります。園内にはアートギャラリーやカフェが点在し、ゆったりと散策しながら十勝の大地に息づく芸術に触れられるのが魅力です。
一方、「真鍋庭園」は日本初のコニファーガーデンとして知られ、世界中から取り寄せた珍しい樹木や花々が植栽されています。
散策コースが複数あり、好みのルートでガーデン散歩を楽しめるのがポイント。フォトスポットが充実しているので、旅の思い出作りにも最適です。
紫竹ガーデン
紫竹ガーデンは、北海道帯広市郊外にある個人が手がけた広大な庭園で、数百種類以上の花々が季節ごとに咲き誇り、春から秋にかけてさまざまな景観を楽しめます。
ガーデン内にはカフェやショップが併設され、地元十勝の食材を活かした料理やガーデニング用品を提供しています。
シーズンや花の見頃は変化するため、訪問前には開花情報や開園状況を確認するのがおすすめです。

北の屋台
北海道帯広市中心部にある屋台村で、十勝の食材を活かした多彩な料理や地元の人との交流を楽しめるスポットです。
十数軒の小さな店舗が連なり、それぞれが個性的なメニューを提供しているため、地元の味覚を手軽に味わうことができます。
狭いカウンター越しに店主やほかの客と会話を交わしながら飲食できるため、観光客にも人気のスポットとなっています。営業時間や定休日は店舗ごとに異なるため、訪問前に確認しておくと安心です。
帯広市の豚丼発祥の店やスイーツ巡り

帯広のソウルフードといえば「豚丼」。
甘辛いタレをからめて炭火焼きした豚肉を白ご飯に載せたシンプルな料理ですが、その香ばしさとボリューム感は一度食べればやみつきになるはず。市内には豚丼専門店が数多く点在し、各店が独自のタレと焼き方にこだわりをもっています。
また、“スイーツ王国”として名高い帯広では、六花亭や柳月、クランベリーなど有名菓子店が並び、ソフトクリームやケーキ、焼き菓子を食べ歩く楽しみ方も人気。
十勝産の牛乳や小麦、豆類を活かした甘さ控えめで素材の味が引き立つスイーツは、お土産としても喜ばれること間違いなしです。
トカチアドベンチャー(熱気球・カヌーなど)

広大な十勝平野を空から眺めたいなら、「熱気球体験」がおすすめ。
早朝、まだ冷たい空気の中をふわりと浮かぶ熱気球からは、地平線まで連なる畑地や街並みを一望できます。
また、夏季には十勝川でのカヌー体験やラフティング、冬季にはスノーシューを履いての自然散策など、季節ごとに様々なアウトドアアクティビティが楽しめるのが帯広エリアの魅力です。
大自然を満喫しながら、非日常的な体験をしてみたい方にはぴったりでしょう。
帯広市の地元グルメ・特産品とは?

帯広市は「食の宝庫」たる十勝地方の中心地だけあって、地元グルメのレパートリーが充実しています。前述の豚丼やスイーツに加え、以下のような特産品・名物も要チェックです。
チーズ・乳製品:酪農王国らしく、チーズ工房やアイスクリームショップが多数。工場見学が可能な施設もあり、新鮮な牛乳の甘みをダイレクトに味わえる。
豆製品:インゲン豆、金時豆、小豆など豆類の生産量が豊富。地元の和菓子やスープ、煮物などに活かされているほか、豆の形そのままを使ったスイーツも魅力的。
十勝ワイン・地ビール:近年はワイナリーやクラフトビール工房が増加中。地元産のブドウや麦を用いた個性豊かなアルコール飲料を楽しめる。
インディアンカレー:帯広市民に愛されているカレーショップ。鍋を持ってルーを買いに来る事で有名です。ランチタイムは並びます。
帯広市の祭り・イベント情報とは?
帯広市では年間を通じて多彩なイベントが開催されています。

勝毎花火大会
勝毎花火大会(かちまいはなびたいかい)は、北海道帯広市で開催される大規模な花火大会です。
正式名称は「十勝毎日新聞社帯広花火大会」といい、地元紙である十勝毎日新聞社(通称「勝毎」)が主催することから一般的に「勝毎花火大会」と呼ばれています。
毎年約2万発以上の花火が打ち上げられる、大変規模の大きい花火大会です。北海道内でも最大級の花火大会として知られていて、音楽やレーザー演出などを取り入れた「音と光の競演」が特徴です。
花火の打ち上げに合わせた音楽と照明演出により、視覚だけでなく聴覚的にも楽しめる大会として人気を集めています。
例年、8月中旬(主にお盆の時期)に開催されます。具体的な日程は年度によって異なるため、公式サイトや地元紙での発表を参照する必要があります。
約20万人以上の観客が来場するとされ、道内外から多くの人々が訪れます。帯広市や近隣地域のホテル・旅館が満室になることもあるため、観光客にとっては事前の宿泊手配がとても重要です。
帯広市内を流れる札内川河川敷(帯広市・幕別町にまたがるエリア)付近がメインの打ち上げ場所です。広い河川敷を利用しているため、大きな花火や仕掛け花火を楽しめるのが特徴です
大会当日は周辺道路や駐車場が大変混雑するため、帯広駅からのシャトルバスや公共交通機関の利用を推奨しています。
帯広平原まつり
昭和30年代から続く伝統的なお祭りで、市内中心部が歩行者天国となり、盆踊りや神輿、ステージイベントなどで大いに盛り上がります。夜には花火大会が行われ、十勝平野の夜空を彩る圧巻の景色を楽しめます。
おびひろ氷まつり
冬には「おびひろ氷まつり」が開催され、大きな氷像や雪像が中央公園を飾ります。
子ども向けの滑り台や体験コーナー、イルミネーションなど、北海道ならではの寒さを逆手に取った魅力的な演出が満載。スケートやスノーラフティングなどのアクティビティも行われ、冬の帯広を体感する貴重な機会です。
帯広市へのアクセス・交通手段とは?

公共交通機関
帯広市へは、札幌駅からJR根室本線特急「とかち」「おおぞら」で約2時間半、新千歳空港からは帯広空港経由のバスやJR利用で2〜3時間ほどかかります。
帯広空港(とかち帯広空港)は市街地から車で30分程度と比較的近く、東京(羽田)便をはじめ国内各地との直行便が就航しているので、道外からのアクセスも便利です。
市内の移動はバスが主流ですが、郊外の観光スポットを巡る場合は本数が限られるため、あらかじめ時刻表を確認しておきましょう。
自家用車・レンタカー
広い十勝平野を巡るなら、レンタカーがあると格段に行動範囲が広がります。
札幌から道東自動車道を利用すれば約3時間、新千歳空港からは2時間程度で帯広市内にアクセスできます。農道や郊外の観光地に立ち寄りやすい反面、冬期は路面凍結や吹雪が考えられるため、スタッドレスタイヤの装着や安全運転に十分注意が必要です。
各観光施設や道の駅には広い駐車場が整備されている場所が多く、ドライブ旅行との相性は抜群といえるでしょう。
帯広市観光のモデルコース・回り方とは?
【1日コース】帯広グルメと庭園散策を満喫
午前:JR帯広駅または帯広空港に到着後、市内の豚丼専門店で早めのランチを堪能。各店のタレの違いを味比べするのも楽しい。
昼前後:車またはバスで「真鍋庭園」へ移動。コニファーガーデンを散策しながら、世界の樹木に触れる。フォトスポットで記念撮影をお忘れなく。
午後:「六花の森」に足を伸ばし、花々やアート作品を鑑賞。敷地内のカフェでケーキやソフトクリームを味わい、“スイーツ王国”帯広を満喫。
夕方以降:帯広市街に戻り、「ばんえい競馬」で迫力満点のレースを観戦。夜は居酒屋やバーで地元産ワインやクラフトビールを嗜みながら、旅の余韻に浸る。
【2日コース】大自然とアウトドアをがっつり体験
1日目(午前):帯広空港着後、レンタカーで十勝川周辺の温泉地へ。途中、人気のカフェやベーカリーでモーニングセットを味わう。
1日目(午後):熱気球やカヌーなど、大自然を満喫するアウトドアアクティビティを体験。雄大な十勝平野を見渡せる絶景に感動するはず。
1日目(夜):帯広市街に宿泊し、名物・豚丼や地元食材を使ったディナーを楽しむ。夜は「北の屋台」などで地元民と交流するのも◎。
2日目(午前):早起きして「ばんえい競馬」を観戦(昼開催の場合)。レースの合間に場内グルメを楽しむ。
2日目(午後):郊外にあるチーズ工房やお菓子工場を見学・試食。お土産を購入したら空港またはJR帯広駅へ移動し、次の目的地へ。
北海道帯広市観光ガイド:大地の恵みとスイーツを満喫する「とかち」の中心都市のまとめ
帯広市は、豊かな農畜産資源を活かした美食の数々と、北海道ならではの雄大な自然、そして唯一無二の「ばんえい競馬」といった観光資源を併せ持つ魅力あふれるエリアです。
道内各地からのアクセスもしやすく、空港やJRを活用すれば短期滞在でも十分に楽しめるでしょう。
ただし、広範囲にわたる観光スポットを巡る場合、レンタカーの利用やバス時刻の事前チェックが旅をスムーズに進めるポイントとなります。