
大阪府南部に位置する羽曳野市は、古代史の面影を色濃く残すまちです。とりわけ「古市古墳群」は、2019年に世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」の一部として登録され、日本の歴史と文化を今に伝える貴重な遺産となっています。広大な古墳群を歩けば、古代王権の栄華を感じられるだけでなく、四季折々の自然に囲まれた景観を楽しむこともできます。今回は、羽曳野市で体験する古市古墳群と世界遺産の歴史探訪をご紹介します。
羽曳野市ってどんなところ?

羽曳野市は大阪市中心部から電車で約30分、古代から歴史と文化が息づく街です。古墳群をはじめ、寺社や伝統行事が今も残り、古代史ファンから観光客まで幅広く訪れるエリア。豊かな自然環境と市街地が調和し、散策や歴史探索に適した地域として親しまれています。
古市古墳群とは?

古市古墳群は、4世紀後半から6世紀初頭にかけて築かれた大小40基以上の古墳から成り、国内でも有数の規模を誇ります。最大規模の応神天皇陵古墳をはじめ、仲津山古墳や白鳥陵古墳など、歴史的に重要な古墳が点在しています。
古墳群は住宅地や学校、公園と共存しており、生活の中に古代史が息づいているのも特徴。散策することで、かつての王権の力と地域に根付いた文化を肌で感じることができます。
世界遺産に登録された理由

古市古墳群が世界遺産に登録された背景には、その規模の大きさと保存状態の良さ、そして日本古代史における重要性があります。前方後円墳という独自の形状は世界的にも珍しく、古代日本の権力構造を象徴する存在です。
さらに、古墳群の周囲に残る堀や森が今も保全されており、古代の景観を想像できる点も高く評価されています。これらの価値が認められ、世界遺産として登録されたのです。
古市古墳群を歩く

実際に古市古墳群を歩くと、それぞれの古墳の規模や特徴を体感できます。
• 応神天皇陵古墳(誉田御廟山古墳):全長425mに及ぶ国内最大級の古墳。外周を巡る散策路でその大きさを実感できる。
• 仲津山古墳:前方後円墳の形がよく残る古墳で、周辺は公園として整備。
• 白鳥陵古墳:日本武尊を葬ったと伝わる伝承を持つ古墳。
それぞれの古墳に物語や伝説が残されており、歴史ファンならずとも散策が楽しくなります。
四季折々の景観

古墳群を訪れる楽しみは歴史だけではありません。周囲の自然も魅力のひとつです。
• 春は桜が古墳を彩り、花見スポットとして人気。
• 夏は深い緑に包まれ、清々しい散策を楽しめる。
• 秋は紅葉が美しく、古墳のシルエットを際立たせる。
• 冬は澄んだ空気の中で荘厳な雰囲気を感じられる。
四季の移ろいと共に歴史遺産を巡ることで、より豊かな時間を過ごすことができます。
グルメと地域の魅力
羽曳野市は古墳群や歴史的スポットだけでなく、特産品や地元ならではの味覚でも知られています。散策と合わせてグルメを楽しむことで、旅の満足度が一層高まります。
羽曳野の果物・ぶどう

羽曳野市は「ぶどうのまち」として有名で、巨峰やピオーネをはじめとする甘みの強い品種が栽培されています。夏から秋にかけての収穫シーズンには農園でのぶどう狩りも体験でき、新鮮な果実をその場で味わう贅沢が楽しめます。
羽曳野特産・いちじく

いちじくも羽曳野を代表する特産品のひとつ。とろりとした甘さが特徴で、スイーツやジャムとして加工されることも多いです。直売所では朝採れのいちじくを購入でき、お土産にも人気があります。
和菓子と地元グルメ

古墳散策の合間に立ち寄りたいのが、地元の和菓子店。古墳をモチーフにした和菓子や、散策の疲れを癒す草餅、最中などが人気です。また、市内の食堂やカフェでは地元野菜を使った定食や郷土料理も味わえます。
アクセスと便利情報
古市古墳群へは近鉄南大阪線「古市駅」から徒歩圏内。大阪市中心部から30分ほどでアクセスでき、日帰り観光に最適です。周辺には案内板や観光施設も整備されているため、初めて訪れる人でも安心して散策できます。
モデルコース提案

日帰りプラン
午前に応神天皇陵古墳を散策し、昼食に地元の定食屋で食事。午後は仲津山古墳や白鳥陵古墳を巡り、古墳群の歴史を満喫。夕方に直売所で果物を購入して帰路へ。
1泊2日プラン
1日目は古墳群を中心に巡り、夜は市内の宿で地元料理を堪能。2日目は周辺の寺社や農園を訪れ、果物狩りや地域文化を体験する。
まとめ

羽曳野市は、古市古墳群を中心に世界遺産の価値を体感できる歴史探訪のまちです。古代王権の象徴を肌で感じながら、自然やグルメと組み合わせて楽しめば、日帰りでも宿泊でも満足度の高い旅となります。アクセスも良好で、関西の歴史と自然を同時に味わえるスポットとしておすすめです。