石川県白山市ってどんな街?
石川県白山市(はくさんし)は、県南部に位置し、県のシンボルであり“日本三名山”の一つ「白山」を抱える“山と里のまち”です。
2005年(平成17年)の市町村合併で旧松任市や鶴来町などが一体化し、海から山頂まで多様な地形と文化を持つ広大な自治体となりました。
白山の麓には豊富な雪解け水がもたらす清流・手取川や農地が広がり、同時に白山比咩神社を中心とした長い信仰の歴史が根付いています。

山麓エリアでは温泉地や登山拠点が点在し、アルペンムードを楽しみつつ地元の食文化(そば、地酒など)も堪能。豊かな観光リソースの白山市で体感してみましょう。
石川県白山市の歴史と文化の背景とは?
古代から「白山」は霊山として信仰され、養老元年(717年)に泰澄大師が開山して以降、白山権現を中心とする山岳信仰が広範に広がりました。
中世〜近世には白山比咩神社の門前町や加賀一向一揆などの影響で、山麓地域に独自の文化と交易が育まれ、江戸時代には加賀藩の一部として開墾・産業が進行。
近代には手取川流域での農業や、松任(現・白山市中心部)を中心とした織物・機械工業が発達し、昭和後期には国道・鉄道・北陸自動車道整備も相まって工業と観光の両立が推進。
平成17年の合併で市域が大きく拡大し、現在は観光・農林・工業など多様な産業を擁する“石川の自然×文化の要地”として発展を続けています。
石川県白山市の主な観光スポットとは?

白山(白山国立公園)
「白山」は標高2,702m、石川県・岐阜県・福井県に跨る霊峰。日本三名山(他は富士山・立山)の一つに数えられ、初心者から上級者まで楽しめる登山ルートが整備されています。
特に市ノ瀬や別当出合からのコースが石川県側の代表的なアプローチ。
夏〜秋には高山植物や紅葉が美しく、山頂付近には“御前峰”や“大汝峰”など主峰群が広がり絶景を堪能できる。登山シーズンは概ね6〜10月だが、山頂付近は高山気候で天候変化も激しいため、十分な準備と最新の登山情報を要チェック。

白山比咩神社
白山信仰の総本社とされる「白山比咩(しらやまひめ)神社」は、“しらやまさん”の愛称で親しまれ、“白山さん”として石川県内はもちろん全国からの参拝客が訪れる古社です。
境内は厳かな森に囲まれ、本殿や摂末社が点在。縁結びや五穀豊穣などの御利益があると伝わる。
毎年7月〜8月にかけて、白山登拝の安全と感謝を込めた行事が行われ、地域文化や神道の歴史を肌で感じられる。周辺には門前町の雰囲気があり、土産物や甘味処を楽しみながらの散策がおすすめ。

手取川ダム・手取湖周辺
白山の雪解け水を集める「手取川」は、石川を代表する大河で、その上流に位置する「手取川ダム」と人造湖「手取湖」は、大自然の絶景スポット。湖岸道路からの眺めは季節ごとに表情を変え、新緑や紅葉シーズンは特に人気。
ダムの見学会や湖畔のレジャー(釣り、キャンプなど)を楽しめる場所もあり、下流には川北大橋や舟岡山といった展望スポットが存在。ドライブやツーリングルートとしても評判が良く、週末には多くの車やバイクが訪れる。

松任海浜公園・美川エリア
白山市の海側には「松任海浜公園」や「美川(みかわ)地区」があり、日本海へ直接アクセスできる。松任海浜公園はビーチや芝生広場、キャンプ場を備え、夏には海水浴や浜辺の散策が楽しめる。
また、美川地区はかつて“舟運”で栄えた港町として古い町並みが残り、魚市場や地元海産物の直売所もある。春には「みかわせんべい市」など漁協や商店が主催するイベントが催されることがあり、新鮮な魚介を求めに多くの人が訪れる。
石川県白山市の地元グルメ・特産品とは?

白美川名物「ふぐの子糠漬け」と「ふぐ親子料理」
白山市の美川エリアで知られる珍味が「ふぐの子糠漬け」。
これはフグの卵巣を塩漬け・糠漬けし、3年以上かけてじっくり熟成・発酵させる石川県ならではの伝統食。なんと国から製造が許可されているのは石川県だけ!
さらに最近は「ふぐ親子料理」と呼ばれる、卵巣と身を一緒に味わう贅沢なコース料理も登場。刺身・鍋・茶漬けなど、フグを丸ごと楽しめます。予約必須のレアグルメです。

白山麓のジビエ料理
白山の山々で獲れるイノシシやクマなどのジビエ肉も、白山市ならではの味覚。豊かな森で育った野生動物の肉は臭みが少なく、甘みと旨味が強いのが特徴。
ジビエ鍋はもちろん、ジビエカレーやしぐれ煮、串焼きなど、飲食店ごとに多彩なアレンジが楽しめます。冬場は特に人気。
SNS映え抜群!手取川ダムカレー
白峰エリアの「雪だるまカフェ」で食べられる名物が「手取川ダムカレー」。ライスをダムに見立て、その向こうにたっぷりのカレー。スコップ型スプーンで「決壊」させる瞬間が楽しいと話題に。
堅とうふや地元野菜、ベーコンなど地域食材がたっぷり入っているのも魅力。
雪だるまカフェ
https://www.instagram.com/ykdrm_cafe
白山百膳(郷土御膳)
白山の水と自然の恵みをぎゅっと詰め込んだ贅沢な和御膳「白山百膳」。
旅館や食事処で味わうことができ、旬の山菜・川魚・地元野菜をふんだんに使った一汁三菜が基本。
季節ごとに内容が変わるので、リピーターにも人気。
石川県白山市の祭り・イベント情報とは?
白山まつり
白山市内では夏に「白山まつり」(名称は年度により変化)が行われ、神輿や山車が巡行する地域もあり、夜には提灯や灯篭が幻想的な雰囲気を作り上げる。
また、近隣の集落や商店街が協力して屋台やステージを設置し、地域独自の文化や郷土芸能を披露する場合も。
白山登山開き
白山の夏山登山シーズン開始に合わせて行われる「白山登山開き」は、多くの登山者が参加する安全祈願祭。
市ノ瀬や別当出合など登山口付近で神事が行われ、シーズン中の無事を祈るとともに、山麓では地元団体による特産品の販売やイベントも企画されます。
白山に思いを寄せる地元民やリピーターが集まり、山と人をつなぐ大切な行事。直後の週末は登山道が混雑するため、日程を調整しての登山計画をおすすめします。
石川県白山市へのアクセス・交通手段とは?

公共交通機関
JR北陸本線:金沢駅〜松任駅(白山市中心エリア)約10分、福井方面〜松任駅約40分。
小松空港(隣接する小松市)から車・バスで白山市中心部へ約20〜30分。
加賀白山バス・北鉄白山バス:市内各所や白山登山口方面へ路線を運行。時刻表は要事前確認。
自家用車・レンタカー
北陸自動車道:白山ICまたは美川IC利用。金沢〜白山ICは約20分。
駐車場事情:白山比咩神社、白山登山口(市ノ瀬など)に駐車場あり。登山シーズンや祭り時は満車注意。
石川県白山市観光のモデルコース・回り方とは?
【1日コース】白山比咩神社&那谷寺散策
- 午前:金沢駅からJR北陸本線で松任駅(約10分)着、レンタカーまたはバスで白山比咩神社へ移動。参拝しつつ、境内や社務所を見学。門前にある土産店で地元和菓子や御守りをチェック。
- 昼:神社周辺の食堂やそば屋でランチ。山麓の野菜やジビエ料理を扱う店も要注目。
- 午後:車で約30分ほど移動し那谷寺を訪問。岩壁や紅葉(時期による)をめでながら散策し、写真撮影。時間に余裕があれば“粟津温泉”で日帰り入浴を楽しむのも◎。
- 夕方:松任駅へ戻り、JRで金沢方面や小松空港方面へ帰路。
【2日コース】白山登山&名所巡り
- 1日目(午前):名古屋・大阪方面からJRや高速バスで金沢駅、レンタカーを借りて市ノ瀬または別当出合登山口へ移動。昼食を簡単に済ませたら白山登山を開始(山小屋泊か日帰りコースを計画)。
- 1日目(午後):登山をしながら高山植物や景色を満喫。夕方には山小屋に到着し、山頂付近の夕陽や星空を楽しむ。翌朝早く山頂アタック。
- 2日目(午前):下山後、市ノ瀬で温泉や足湯を利用して疲れを癒やす。ランチに白山そばやジビエ料理を試すのもおすすめ。
- 2日目(午後):車で安宅関跡などを見学するか、白山比咩神社へ立ち寄り参拝。夕方に松任駅や小松空港へ戻り帰路につく。
石川県白山市観光ガイド:霊峰白山と豊かな自然・歴史が息づく“山と里のまち”のまとめ
石川県白山市は、“白山信仰”の古社白山比咩神社を核に、自然豊かな白山国立公園での登山や温泉リゾート、“安宅関”の勧進帳伝説など歴史的・文化的魅力が多彩な“山と里の共生エリア”です。一方で、市街地には産業(コマツ工場など)や農畜産物の生産地としての顔を持ち、地元グルメ(そば・ジビエなど)を通じて地域の恵みを満喫可能。
金沢駅や小松空港からのアクセスも良く、日帰り〜2日以上の行程でも楽しめます。ぜひ白山市を訪れ、古の霊峰白山に思いを馳せつつ、大自然や地元食材がもたらす“癒やしと発見”を存分に味わってください。